【ラオス児童売春取材で見た小児性愛者たち】今年は、ほとんどの時間をラオスでの児童売春の取材に費やした。子どもを買う「小児性愛者」と呼ばれる男らと、直接的・間接的にここまで関わったのも初めてのことだった。そして取材の結果、「加害性のある小児性愛者が自ら治療を受けに行く可能性は極めて低い、だからこそ取り締まりの強化と厳罰化が重要だ」と結論づけた。
ラオスの児童売春に関する記事を出した後、「加害者は病気なのだから、治療の必要性をまず訴えるべきだ」という声が一部で聞かれた。それは現実を知らなければ、もっともらしく聞こえる意見だろう。
しかし、私が実際に加害者らに接触してみた結果、「彼らが小児性愛を病気だと認知し、自らの意思で治療を受けに行く可能性はほとんどない」と結論づけた。
なぜなら、彼らの多くは、極端に歪んだ認知によって、自分の行為を絶対的に正当化しており(驚くほど自信にあふれている)自ら治療を受けることへの積極性を一切持ち合わせていなかったからである。
記事を書いてから、私のところには多数の応援や賛同を示すDMに紛れて、児童買春を正当化しようとする抗議のDMがいくつか届いた。そのいずれも、長文かつ攻撃的なものであり、建設的な議論をしようという姿勢は感じられなかった。
DMだけでなく、直接会って話したり、また人づてに聞いた彼らの主張を大まかにまとめると、
「僕たちは愛し合っているのだから邪魔しないでほしい」
「江戸時代では15歳前後の子供が出産していた。今の社会が間違っている」
「買春することで貧しい子供を支援できる」
「子どもの職業選択の自由を奪うな」
「小児性愛はLGBTと同じようなもの。個性として認めるべき」
このような意見が目立った。
そして、私が接した小児性愛者に、「いかに児童買春が子供の権利を傷つける行為なのか」と説明しても、聞く耳を持つ人は一人もいなかった。
「自分は絶対的に正しい。社会や法律が間違っている」
そのような認識を持っている人間が、自ら病院に出向いて治療を受けるわけがないのだ。
なお、専門家も私と同様の見方をしている。小児性愛の問題にくわしい斉藤章佳氏は、著書「子どもへの性加害(性的グルーミングとは何か)」で小児性愛者について、
「性加害が発覚したり、事件化し逮捕されたことで初めて専門機関へとつながります。自らの加害者性を自覚して、当院に自らアクセスするというケースはほとんどありません」と指摘している。
しかも、「専門機関につながるまでの時間が長くなればなるほど、加害行為に及ぶ回数は増えていくと考えられる」という。
さらに斉藤氏は、「ペドフィリアは脳の病気だから仕方がない」と小児性愛者を過剰に擁護しようとする人達についても、こう苦言を呈する。
「彼らは警察官の前では加害行為に及びません。時と場所や相手、方法を緻密に選んで加害を行います。
自分が圧倒的に優位な立場に立てるターゲットを選んで行動化しているわけですから、過剰に「脳の病気」などと病理化してしまうと、加害者の行為責任を隠蔽することになりかねません」
もちろん、小児性愛者でも性犯罪をしない人もいる。ここで言及しているのは加害行為を正当化し、実行に移してしまう小児性愛者に限定している。
なお、欧米諸国では、社会規範の確立や法制度の整備が進み、小児性愛の価値観は社会で完全にタブー視されるようになってきた。
アメリカは自国民の海外における児童の性的搾取についても積極的に取り締まっており、昨年にはラオスで児童を家に住まわせ性的行為をさせていた教師に12年の実刑判決が下った。
XやYouTubeなど欧米のSNSプラットフォームでは児童の性的搾取につながる投稿をするとアカウント凍結の対象となる。(※そのため日本語では凍結を免れるために隠語で情報交換が行われることが多い)
日本でも児童への性犯罪の取り締まりを強化することで、「子どもへの加害行為は絶対悪」という価値観を社会に徹底的に根付かせることが最優先だ。
そして児童への加害行為を厳罰化することで、小児性愛者に罪の重さを認識してもらい、通院する必要性を理解してもらうこと。これが重要だと感じている。
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