バイト帰り高校生を暴行死、2被告に実刑判決 母「やりきれない」

手代木慶
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 繁華街の路上で男子高校生(当時17)を殴って死亡させたとして、傷害致死罪に問われた無職の男2人の裁判員裁判の判決公判が3日、仙台地裁であった。須田雄一裁判長は同罪に問われた多田康二被告(26)に懲役9年(求刑懲役10年)、傷害致死、暴行罪に問われた佐藤蓮被告(27)に懲役7年(求刑懲役7年)を言い渡した。

 判決などによると、2被告らは飲酒した状態で昨年8月1日早朝、仙台市青葉区国分町の路上でバイト帰りの高校生らと遭遇し、トラブルになった。高校生が「赤鼻のトナカイ」のような発言をしたことをきっかけに、多田被告が高校生の顔を1回殴って脳振盪(のうしんとう)を起こさせ、転倒したところを佐藤被告も顔などを複数回殴ったり蹴ったりした。高校生は転倒時に後頭部を地面に打ち付け、意識不明で病院に搬送され、多田被告の暴行に起因するけがで、2日後に死亡。佐藤被告は高校生と一緒にいた別の少年(当時17)にも暴行を加えた。

 公判では、多田被告は無罪を主張し、佐藤被告は共謀はないとして傷害致死罪を否認したが、判決はいずれも退けた。

 11月26日に書面で意見陳述した高校生の母は「息子は心優しく、頼りになる子。やりきれない」と述べ、18歳の誕生日が四十九日になったと明かした。父は2被告の主張を念頭に「反省は期待していない。謝罪もいらない。一生お前たちを許さない」と涙声で語った。

 3日の判決公判で須田裁判長は「未来ある被害者の尊い命が奪われた結果は重大」とし、怒りのままに暴行を加えた2被告の「意思決定は短絡的で厳しい非難に値する」と指摘。慰謝料を払うなどの遺族対応をしていないだけでなく、致命傷を負わせた多田被告が一貫して不合理な弁解をしたと非難した。佐藤被告についても「無抵抗な被害者に執拗かつ危険な暴行」を加えたと述べた。

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