大学生ながいこと見ていてしみじみ思う。毎日こつこつやれるメンタルが20歳くらいで身についてる連中はどこに行っても成功する。簡単そうだが、本当に難しい、最上位の能力である。ちょこっとアタマが良いとか器用とか、むしろ悪影響
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@KintaroOfficial
ラーメン、坂道、蛋白質、ガオーマッチョドラゴン、モエチャッカファイヤー
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4キロ太った原因はラーメンではなく、一緒に必ず食べていた半チャーハンや焼き豚ライスなどの米なのではないかという仮説を立証するため、毎日ラーメンだけを食べるという対照実験をはじめることにしたので時々結果を報告します。
生きた細胞をミキサーにかけても分子は壊れないが、生きていたものは死んでしまう。ここで失われるものを扱うのが相分離生物学だという説明が、一般向けにはわかりやすい。われわれよく知る分子ではなく、分子と分子のあいだに生命が宿る。研究者の興味がここにようやく向いてきたということである。
こつこつやっていく秘訣は、楽しいとか興味あるとかおもんないとか、そういう本心とは切り離すことだと思ってる。仕事はどっちかで、ドSになりきってオラオラで行くか、ドMになって我慢して我慢してそこに快感を覚えるかである。こつこつやることに執着し、自分の大事な部分とは切り離す。
中高生の入試勉強、大学生の勉強、研究者の研究、みんな競争がベースになっているが、なぜ競争になるのだろうか。競争せずにただ単純に楽しめるなら、その方がいいし結果よい成果が出ると思っている人の方がはるかに多いはずだが、ではなぜ純粋に楽しめないようになったのだろうか。
修士課程でものすごい優秀で、ほんとに楽しそうに研究をしていたとしても、社会に出るともう実験をして発見をして、それを論文に書き残すのだというモチベーションはあっという間にゼロになるので、それは就活する前にちょっと言っておきたいことです。会社に入っても、などは絶対ないです。
M1で論文を書きたい院生も、そういうラボを運営したいセンセイも多いと思います。その方法と意味とを長めに整理しましたので、お好きな方は金麦のあてにどうぞ。卒論が論文になった例もいくつか。(学会誌のPDFファイルです)
sbj.or.jp/wp-content/upl
M1が発見したタンパク質のガラス化技術。抗体(左)でもアルブミン(右)でも宝石みたいにピカピカになるけど、天然構造もこわれてないからすごいもんやな。いわば相分離テクノロジーの派生である。
当たり前のことをいうと、研究者になりたい人は研究室選びではやってみたいテーマではなく論文が出やすいテーマを選ぶのが最適解である。M1冬までに論文を出せれば学振DC1が近づき、論文を5本以上出して博士号を取れるとテニュアトラック助教に乗りやすい。そこで上がり、目標は明確である。
たくさんリツイートされてるので朝輪を紹介しときますね。毎朝30分やるだけで院生はみな論文を書けるようになるし、雑用に辟易してる教授たちも、朝から学生と論文を読む時間だけは科学にたずさわる純粋に幸せな時間です。15年欠かさずやってます。
bk.tsukuba.ac.jp/~shiraki/pi.ht
M1で論文を書けるようになりたい4年生は、毎朝30分で論文1本を輪読して内容と構成の良し悪しを議論し、ホワイトサイズのアウトライン法を理解して、自分の結果をそのアウトラインに寄せて考えることを1年ずっとやると論文を自分で書けます。先生か先輩つかまえてやってください。
卒論の話し方の3NG。「ちょっと分かりずらい写真ですが」「データが少ないですが」などの言い訳はしない。「このようなタイトルで発表します」「この条件で測定しました」「このような結果が得られました」ではなくちゃんと言葉で説明する。「えー」と間を埋めるような声を出す癖をやめる。
弊大学でも教員から金を集めて学生に一律に1万円とか配る計画をしてるようだが、それでいいのかなあ。我々が学生にサポートできるのは、こういう感じじゃなくて、毎晩オンラインで、大学の枠を超えて学部生と本気で論文を読むとかね、もっと本質的なものじゃないかと思うわけである。
研究室の忘年会は自画自賛会と呼んで、ひとり10分プレゼンする。気に入っている仕組みで、反省はナシでこの1年を自画自賛する。ちょっと考えるとわかるけど、大学4年に上がれるような人は、本人も環境も素晴らしい点が山ほどあって、それを見つけて幸せに感じる技術を磨くということである。
学生と実験してみたのですが、尿素の粉とコリンの粉を混ぜるとだんだん溶けて液体になります。水がなくても。水素結合のドナーとアクセプターがあれば溶ける、つまり、細胞内は水に高濃度の有機分子が頑張って溶けているのではなく、もっと自然に溶けているのではないか?
大きな論文がNatureに出てますね。酵素の未知機能を予測できるようです。AlphaFoldの衝撃から5年、タンパク質構造予測とデザイン、構造ダイナミクス、酵素の機能予測まで至り、最後の砦の酵素機能デザインの高精度なAIが登場すればこの分野も新しいフェーズに入ります
助教を選ぶとは、研究ができて論文も書けて予算が取れるだけじゃなくて、研究室では学生やポスドクのまとめ役になり教授のご機嫌も損ねず、講義もできてクラス担任や試験監督なども円滑にやれて、若くて元気で、スーパーマンを選ぶようなものですよという話になった。
大学院生はM1くらいで論文を書けるようになるといいですよ。論文を書いたら残りの院生時代も気分よく過ごせるし、この文明社会に少しだけども役立っているという生きる根源が肯定されるし、可愛い彼女も膝枕でよしよししてくれる。なんで論文を書かないのか不思議でならない。
実際のところD1で学生結婚した時点で人生の進むべき方向性は決まっていたのである。そして、ノーベル賞の2つ3つ取るから結婚してくださいと言ってたよねと、夫婦げんかのたびに言われるので、この辺あんまり安請け合いしないように若い人にはアドバイスしときます。えーと、以上になります。
4週間の新人研修が終わった。研究室から出た論文を毎日1本読んで4週間で20本。朝輪として30分で読んで10分議論して、そのあとは4年生だけ残ってセンセイと感想戦で、疑問がなくなるまで質問する。先輩のやってる実験も理論も全部わかるし、研究の歴史も、実験がどうやって論文になるかもわかる
ところで教授は前といつも違うことを言うと怒ってる大学院生が何十万人もいると思うけど、みんなも教授になったら実感するとおりで、ただ憶えてないというのが実情である。助教が前と違うこと言うのは、ちょっと悪意があったりするかもしれん。しかし教授は単なる老化である。
年収650万円でなんでもできる30歳頃のスーパーマンを雇おうということである。論文を書けて予算を取れて自立しながらも教授とうまくやり、引きこもりがちな学生の面倒を見ながら優秀な大学院生と新規プロジェクトを立ち上げ、実験室を整備しながら線形代数の授業をやり、人柄もよく近隣ラボとも円滑に
卒論などは読まれるためというより、書いて考えるための最初の練習というのが本来だろうと思う。考えを書き言葉にし、同時に書き言葉にすることで考える、やがて自分が何を考えたかったのかが形になっていく。こうして息の長い文章を書く面白さがわかると、うっかり博士課程に進みたくなる。
新作です。牛乳にコーラを混ぜると透明牛乳になりますが、原因はコーラの酸性ではなくポリリン酸であることをリエントラント凝縮の現象から考察したものです。相分離現象の面白い側面、古木君が8年もかけて解いた謎です。
sciencedirect.com/science/articl
30年かけてやっとわかってきたけど、『生命とは何か』の肝心部分である量子的飛躍とは、蛋白質が多様な状態を取るということである。現代の言葉でいうと、相分離生物学の「相分離」が「タンパク質の溶液状態が不連続」ということである。絵にすると、やはり線を引けない2つの島になるわけである。
アルツハイマーの抗体薬がなかなか成功しない理由です。患者から取ってきた本物のAβアミロイドをクライオ電顕で見てみると、懸念どおり試験管内で作らせたものとはコア領域も違うし、右側にねじれてるのでおそらくオリゴマー構造も形成プロセスも違うという結果です。QED
nature.com/articles/s4146
相分離生物学は薬の開発にも影響しますが、すごいのがでてます。ガンの薬がドロプレットに濃縮されることをin vitroとがん細胞の両方で示しています。要するに、相分離性を制御できれば(溶解度や疎水性ではなく)、薬効を強めたり持続させたりもできる。やはりここです。
science.sciencemag.org/content/368/64
科学者は「固有の能力値」を持ち、値が低ければ素晴らしい研究テーマに出会えてもインパクトのある成果として世に送り出すことができない。凡庸な科学者が単なる幸運で大発見はできないというのが、この研究の結論である。シビアな結論である。
science.sciencemag.org/content/354/63
大学で研究していてよかったなと思うのは、自分たちで実験して面白い発見するのも醍醐味だが、なにより世界で最も頭のいいひとたちの本気の成果をまともに感じられるところだろうと思う。論文のPDFファイルをひらけばそれが死ぬほど面白い本物であることがわかる。
ZoomとかTeamsとかで双方向やったり、素人動画をオンデマンドで見せてとか、そっちばっかりに話が行ってるけど、教科書をきちんと一冊読ませて、概要を要約させ、そこにしっかりコメントつける方がはるかに勉強になるだろう。
今日再読した論文でもっとも迫力あるのはこの論文。シグナル伝達は「あるタンパク質がリン酸化され、別のタンパク質がそれを認識し」みたいな一対一ではなく、細胞全体に「液-液相分離しやすさを変える」という桁違いのことをやっている。生命を理解するとはこうだという。
飽和食塩水というともう塩は溶けられないが、そこに砂糖を入れると普通に溶ける。だから砂糖はがんばって溶けるのではなく別レイヤーの相互作用で溶けるということである。きっと細胞のなかもそんな様子で、複層的な溶かすレイヤーがあって、われわれイメージする以上に無理なく溶けてるんだと思う。
ペプチド合成に革命が起こってます。164aaの合成に6.5h、非標準アミノ酸も導入できる。やったのは条件の改良だけ、アミノ酸ストック液にDMFを使い、縮合剤を変えて、保護基を外す溶液に2%のギ酸を入れるくらい。プロインスリンもバルナーゼもリゾチームも合成してみせてます。
science.sciencemag.org/content/368/64
新入生ガイダンスで新型コロナの感染メカニズムでも話そうかと思ってスライドこしらえてる。スパイクタンパク質も構造があっというまに出たし、先週のサイエンスにヒト受容体ACE2のクライオ電顕像も出てる。科学のすごさが実感できるだろう。
ダイエットしてもリバウンドするのは、エピジェネティックな記憶があるのでしょうがないそうだ。今週のNatureの論文に出ている。昼のラーメンをやめたところで痩せないのはそのせいだな
夜輪と名づけたオンライン飲み会で、こんだけ読んだのがすごいね。1億本ある原著論文から好きなのを選び、共読して理解を深め、原点に遡ったり原理に迫って歯が立たなかったりして、50日後には「相分離生物学2020」と題した1万字の解説がまとまる。金麦とともに本物の学びがこうして完成する。
ネイチャーに大きな総説がでてます。酵素デザインの現在。AlphaFoldが(物理法則抜きに)フォールディング問題を一挙に解決したのと同じように、酵素デザインもAIが独自の思考で一挙に解決するんだろうか。来年ごろに。題名の「The road」が全て物語ってるような
生物はなぜ巨大な真核細胞へと進化できたのか。なぜ細胞内には高濃度のタンパク質があるか。代謝の連続反応が混線しないのはなぜなのか。構造を持たないタンパク質がどう働くのか。プリオンがなぜ保存されてるのか。液-液相分離でぜんぶ説明できるので、晩酌のあてにどうぞ。
ten.tokyo-shoseki.co.jp/ten_download/2
タンパク質をガラスにする技術です。ガラス玉みたいになって常温で1年間大丈夫、生理食塩水で簡単に溶けて、タンパク質はネイティブ構造を保ってます。超遠心するだけなんですけどね、濃縮されると分子間に強い静電反発が働き構造が安定化するということだと思います。
sciencedirect.com/science/articl
生育する温度が変わっても細胞内の反応速度が保たれる理由に迫ったチョー面白い論文です。長年地味だった溶液物性の分野が、生命科学の分野でキラキラしてる時代感も素晴らしいね。
cell.com/cell/pdf/S0092
カレンダーを見てみましょう。1)卒論提出日という書き込みを消して「事務への提出日」と書きます。2)その1週間前に丸をつけ「先生に最終版提出」と書きます。3)その1週間前に「先輩に卒論の査読依頼」と書きます。4)その1週間前に「先生に卒論構成を確認」と書きます。
姪っ子から学振の申請書にコメントほしいというメールが届いてなかなかこそばゆい。HPみるとわかるとおりおじさんの研究室は学振とっておる人いっぱいいるけど、おじさんが立派な助言しているからではない。ここだけの話おじさんは科研費が取れない人としてツイッタでは有名だ。
オンラインによる論文の共読の方法を整理しておいたので、ご参考まで。学生たちだけで原著論文を30分間で読み切ってしまう、いわゆる諸葛孔明金麦の型です。
ten.tokyo-shoseki.co.jp/ten_download/2
卒論発表の基本。
・ストーリーは寝てて分かるほどシンプルに
・パワポは凝りすぎない
・「ちょっと分かりずらい写真ですが」の言い訳は一切不要
・憶えた原稿を手すりに、自分の言葉をはさむ、間を取る、聴衆を見る
・「ご静聴」のスライドではなく、結論を並べたスライドで終わる