MBTI別、絵のエラー集
※「絵の描き方」を教えていると、認識・思考の躓きポイントに一定のパターンが見られます。その解決の糸口として所謂MBTIに目をつけました。MBTIが実際どうこうはどうでもよく、起きている事象・対処の再現性を心理機能というものに仮託しています。
前提として、所謂MBTI(16Personalities)を「性格診断遊び」ではなく「自分と全く違う思考様式を理解する例」として使っています。
MBTIは細かいところを見ていくと劣等機能という「明確に苦手なこと」がそれぞれにあり、それは自分にとって足で絵を描くくらい攻略が難しいものです。これはその劣等機能を気合いや感情ではなく「システム」で補うことができればいいのではないか、という趣旨のものです。
また、この劣等機能が第三機能になる「IとEだけが逆のMBTI」の特徴も、「劣等機能ほど使えないわけではないが結構苦手なもの」として当てはまります。
例えば私はINTPで「リアルな人形みたいな絵」しか描けない上で、ENTPの「自分の描き方を意識してないから手順がバラバラ」にもなります。ここで重要なのは、IとEが逆の苦手は「まぁなんとかなるレベル」ということです。
難しいことを先に考えるより、実際に見て行った方が早いでしょう。
◇劣等Se(INFJ / INTJ)
「全てわかったつもりで、今目の前のものが見えていない」
◯やりがちなミス
・「意図」は語れるが、形・比率・光などの現物検証が足りない
・参考を見ても「だいたいこう」で進めて、ズレに気づくのが遅い
・頭の中の完成図を確信しているからこそ、検証が証明になりがち
◯原因
・内側の統合(意味・主題・世界観)が先に走り、外界の事実(見えている形)を拾う工程が省略されがち
・「体感で確かめる」「手を動かして検証する」を、思考より下位に置きやすい
◯対処法
・先に事実の採取をやる。参考から測れる情報を最低3つ抜く(比率/傾き/位置関係)
・「線を引く・数える・揃える」を必須儀式にする(補助線、アタリ、グリッド、角度比較)
・1枚を重くしない。同モチーフで試作→修正→清書の3段に分ける(脳内完成を一旦捨てる)
◇劣等Si(ENFP / ENTP)
「前回の自分を参照できず、毎回描きながら再発明」
◯やりがちなミス
・アイデアが増えすぎて完成しない。別案に飛ぶ
・基礎反復や地味な練習が続かず、伸びが安定しない
・比較は得意なのに比較のログが残らず、毎回ゼロから同じ疑問で迷子になる
◯原因
・新規性(可能性)に駆動されるため、反復・蓄積が退屈に感じやすい
・記録・手順の手続きの固定が弱く、学びが資産化しにくい
◯対処法
・「固定の型」を最小で作る。毎回同じチェック3つだけ
・作品ログを1行で残す。「今回のよかったこと1、次回気をつける点1」
・作業を録画し第三者の視点として「何をしているか」を見る
◇劣等Ne(ISTJ / ISFJ)
「自分の正解から外れると、分岐が増えて手が止まる」
◯やりがちなミス
・手段の最適化が得意だが、描く目的が手段の最適化になりがち
・面白みに欠ける型通りの解決だけで、意図的な誇張や遊びを避ける
・失敗を恐れて、安全な選択しか取らない
◯原因
・既知の手順・確実性を重視し、新しい可能性を試すコストが高く感じやすい
・「間違える」ことを恐れ、仮説の試行が不足しやすい
◯対処法
・1枚につき「1個だけ冒険」を入れる。
・比較で可能性を増やす。「何が変わると何が伝わるか」に快不快で判断し、快を取り入れる意識
・失敗を責めずに分類する。失敗=「条件が違った」のデータ化(次回の条件指定に変換)
◇劣等Ni(ESTP / ESFP)
「段取りが立てられず、勢いと気分で乗り切ろうとする」
◯やりがちなミス
・描きながらノリで目的が変わり、最後に整合が取れなくなる
・主役はいるのに何の絵かが一言で言えない
・伏線回収・余韻など時間方向の設計が後回しになる
◯原因
・いま目の前の情報(ノリ・体感)に強い反面、全体の着地(主題・読後感)を先に固定しないまま走りやすい
・「結局どう見せたいか」の1本軸が後から必要になる
◯対処法
・最初に「この絵は何を感じさせる絵か」を一文で決める
・ゴールを1個にする。視線の着地点、主役、最も強いコントラストを先に固定
・上記の雑さに困っていないならそのままで良し。丁寧な絵だけが良い絵ではない
◇劣等Te(INFP / ISFP)
「理論はなんとなくで、計画も手順もフィーリング」
◯やりがちなミス
・感覚は良いのに理屈で考えないから再現性がない、当たり外れが大きい
・外圧のない計画・手順・締切が苦手で、完成まで辿り着けない
・価値判断が「好き嫌い」で止まり、そのために何をすればいいかがわからない
◯原因
・内的価値(好き・美意識)で動ける一方、外的に組み立てる力(段取り・優先順位・検証の順番)が後回しになりやすい
・「運用」が弱いと、感性が出る前に止まる
◯対処法
・手順を外付けする。「好き」を仮説化→検証するテンプレを作る
・好きを事実に変換する練習。刺さった作品から、共通点を3つ抜く
・論理的思考とは何かを本を読んで理解する。数学的な思考のことではない
◇劣等Ti(ENFJ / ESFJ)
「受け手配慮で自分の判断基準を弱くし、理屈を自分の頭で考えない」
◯やりがちなミス
・人の評価や流行に寄りすぎて、自分の判断が揺れる
・フィードバックを受けすぎて混乱する(全部取り入れようとする)
・何故これはこうなるのかの理屈、原因が「なんとなく」になりがち
◯原因
・他者視点・共感で整えるのは得意だが、判断基準(何が正しいか/なぜそうするか)の内省が後回しになりやすい
・ルールが自分の中で固定されていないと、外部入力に振り回される
◯対処法
・自分のルール”を少数だけ作る。構図・光・情報量など、判断軸を3つ固定
・フィードバックは分類して1つだけ採用(主題に関係ある/ないで切る)
・「なぜ?」を短く言語化する訓練。各決定に理由を1行添える(理屈の背骨を作る)
◇劣等Fe(INTP / ISTP)
「心の動きがわからないから、感情は表情記号で処理するだけ」
◯やりがちなミス
・理屈は強いのに、絵が冷たい/伝わりにくい
・作品が仮説の検証の場になり、感情の焦点が弱い
・「構造の正しさ」を突き詰めれば、感情が表現できると思っている
◯原因
・構造・原理の理解は得意でも、「受け手がどこで何を感じるか」の設計が後回しになりやすい
・自分の中で完結してしまい、読者目線の確認が足りない
◯対処法
・受け手テストを工程に入れる。第三者に「何を感じた?」を一言で答えてもらう
・伝達要素を固定。表情/姿勢/距離感/光の当て方などの要素1つを主役の感情担当にする
・絵を「説明」ではなく「誘導」にする。視線の入口→主役→余韻の順で設計
◇劣等Fi(ENTJ / ESTJ)
「効率だけを追い求めて、自分の好きと描きたいが行方不明」
◯やりがちなミス
・努力と成果は出るが絵が硬い、冗長な説明になりやすい
・正解・効率に寄り、作品の個人的な執着が薄くなる
・伸びるほど燃え尽きやすい(達成→行動→達成→虚無)
◯原因
・外的な成果最適化は強いが、「自分は何に心が動くか」を掘る工程が後回しになりやすい
・感情や好みを根拠のないノイズとして扱いがち
◯対処法
・好きの証拠集めをする。刺さった作品を集め、共通点を3つ言語化(価値観をデータ化)
・目的を外的目標だけでなく内的目標でも持つ。「今回は自分の好き1個を通す」
・作品の評価軸を二重化。技術KPI+主題KPI(感じさせたいものが出たか)
いかがだったでしょう。
劣等機能がそのまま当てはまったのなら、気合いで殴るよりシステム化した方が早いです。「頑張る」のではなく「システムに組み込む」のです。苦手を補う仕組みを先に作れば得意を伸ばす余裕が残り、結果として苦手は見えなくなります。完璧な人間などいないのです。
まとめ。劣等機能を外付けするには
外付けSe:測る(線・数・グリッド)
外付けSi:ログ(1行+画像2枚)
外付けNe:必ず変数1つ→3案→1採用
外付けNi:一言主題+捨てるルール
外付けTe:工程固定+チェック
外付けTi:自分ルール3つ
外付けFe/Fi:受け手テスト(他者の一言)



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