屈辱の「1ドル=250円」時代がやってくる…食料もガソリンも買えなくなる「弱い通貨」の"真っ暗な未来"
■「学習能力のない国」の通貨は弱くなる 物価高対策と称して、消費者が高いまま買えてしまう状況を支援し続け、「政府によって需要を生み出すこと自体が責任とか言っていては、止めどない国債増発と、それによる長期金利を意図的に抑え込むために中央銀行の独立性を蔑ろにする、という悪夢が蘇る。 そうなれば、外国から学習能力のない国家だと判定されると円が暴落し、かえって物価が高くなってしまう。従来型の物価高対策は、やればやるだけ悪性の物価上昇を引き起こしてしまうのだ。 物価高対策として、ガソリン税と軽油取引税の暫定税率を廃止することは、確かに店頭価格の引下げになるので統計的に物価を下げる。しかし、それは文字通り「暫定」のものを元に戻すという約束を果たすことに意義があり、ガソリン価格を本来的に下げることではない。財源が減る分、振興だの活性化だの、聞こえが良いだけで効率の悪い、利益供与のような無駄な補助金は打ち切ればよい。 ■弱い通貨より強い通貨のほうが絶対に良い ドル円レートが示していることは、円がドルに対して安いか高いかではなく、弱いか強いかである。 所得が高いとはどういうことか? 自分が労働によって得た所得で、他人が作った財やサービスを簡単に買えるということだ。人よりも賃金が高いということは、自分の1日の労働が他人の労働よりも優位であり、結果的に少しの労働で他人の作った多くの財やサービスと交換できるということだ。 自分たちの国の通貨が強いということは、他国が作った商品やサービスを簡単に買えるということだ。この「強さ」こそ、実力ある成熟国の証ししであり、自国通貨が弱いことを売りにするのは、後発国の思考だ。 幸いにして、ここ35年間、バブル経済が崩壊した後も、無駄に物価が上昇することなく、通貨価値が維持されてきた。景気が良すぎて物価が上昇し、賃金も上昇する「良い物価上昇」ならばいい。しかし、現在のように、賃金も上がらない中での「悪い物価上昇」でメリットがあるのは、借金まみれの国家財政だけだ。物価が上昇してくれれば、国債残高が実質的に目減りするからだ。 これを巷ではインフレ税と呼ぶのだが、「税」ばかり支払っていては、個人も企業も疲弊してしまう。