2026.01.03 13:00

仏ルーブル美術館、外国人の入館料を大幅に値上げへ 1月14日から

フランス・パリのルーブル美術館(Getty Images)

ルーブル美術館の歴史ある建物は、ごく一部の芸術作品だけを見学する大勢の来館者に対応するようには設計されていなかった。この事実は、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究によって裏付けられた。同大学の研究者らは携帯電話のブルートゥース技術を用いて、同美術館内の著名な芸術作品に対する訪問者の動きや混雑状況などを調査した。

同美術館の改修計画では、モナ・リザを専用ギャラリーに展示し、セーヌ川に近い美術館東側に専用の入口を設置する予定だ。このギャラリーには別途入場券が必要となる。入場券の価格は未定だが、専用ギャラリーは2031年までに完成することが見込まれている。

パリとフランスを象徴するルーブル美術館

ルーブル美術館は常にパリの代名詞であり、ひいてはフランスの代名詞として君臨してきた。その起源は12世紀にまでさかのぼり、博物館の下層階では中世の基礎構造の一部が今も残っている。歴代の君主はこの要塞を宮殿へと変貌させ、16世紀半ばには王権の座へと発展させたが、その座は後にパリ郊外のベルサイユへと移された。

先のパリ五輪期間中、ルーブル美術館は振付師メフディ・ケルクーシュの監修の下、一般公開ギャラリーでスポーツイベントを開催。終了後には世界的に有名な芸術作品の数々とともにワークアウトセッションが開かれた。

このように、ルーブル美術館が政治的議論の中心的な位置を占めるのは当然であり、特に昨年10月に起きた強盗事件の後ではなおさらだ。昨年は「危機に瀕するルーブル」が取り沙汰され、野党政治家は政府の能力を批判し、同美術館の幹部と文化相は過去数十年にわたる投資不足に苦言を呈した。こうして同美術館はフランスの文化施設に対する国家の財政支援と支配の象徴として、代理戦争の場となった。

ルーブル美術館の敷地面積は約7万3000平方メートルで、3万5000点の美術品を展示し、最も古い作品は9000年以上前にさかのぼる。各作品の鑑賞に30秒ずつ費やすと100日かかる計算になるが、来館者の多くは2~4時間で同美術館を後にする。ルーブル美術館を最速で通過した世界記録は9分14秒で、2010年にスイスの芸術家ビート・リッパートが自身の作品「ラスペッツァトゥーラ」のために樹立した。多くの来館者はもう少し長く滞在したいと思うかもしれないが、改修と新たな料金体系により、ルーブル美術館が来館者と職員双方にとってより良い場所になることが期待されている。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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2025.02.07 12:00

ルーブル美術館はどう変わる?「新ルネサンス計画」を深堀り

2025年1月27日、訪れる人で混み合うフランス・パリのルーヴル美術館(Photo by Mohamad Salaheldin Abdelg Alsayed/Anadolu via Getty Images)

2025年1月27日、訪れる人で混み合うフランス・パリのルーヴル美術館(Photo by Mohamad Salaheldin Abdelg Alsayed/Anadolu via Getty Images)

所蔵する作品の価値が総額350億ドル(約5兆4300億円)を超え、1日の入館者数が3万人を超えるパリのルーブル美術館は、世界で最も来館者数の多い美術館だ。

長年にわたって過度の混雑と老朽化に悩まされてきたそのルーブル美術館について、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が先ごろ、待ち望まれていた改修工事を2026年から開始すると発表した。

同美術館については、長蛇の列や混み合った館内の状況に呆然としたり、いら立ったりする世界中からの来館者たちによるSNSへの投稿や、その状況に関する各国の報道が以前から関心を集めていた。

また、仏紙ル・パリジャンは大統領の発表に先立ち、ローランス・デカール館長がラシダ・ダチ文化相に宛てた「極秘」メモの内容伝えていた。流出したそのメモの中で館長は、「内部は非常に劣化が進んでおり、機械設備は時代遅れ。漏水があり、大幅な温度の変化が所蔵作品の保存状態を危険にさらしている」などと訴えたほか、「由緒あるこの施設の状態は、国際的な基準を下回っていると警告」していた。

また、フランス労働総同盟(CGT)の関係者は仏紙ル・モンドに対し、「館内では塗装が剥がれ落ちたり、室内が水浸しになったり、停電が起きたりしているほか、予算不足のためサービス提供者への支払いが遅れることもある」と明かしている。

一方、英紙ガーディアンは、「ルーブル美術館はかつての炭鉱の町、北部ランスに開設した別館や、アラブ首長国連邦(UAE)とともに同国内に建設したルーブル・アブダビなど、いくつかの新しい施設に投資してきた。だが、パリにあるこの大規模な美術館は数十年間にわたり、構造的な部分の改修を行わないままできた」と伝えている。

ルーブル美術館の「ヌーヴェル・ルネサンス」

レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「モナ・リザ」の前でマクロン大統領が明らかにした「ヌーヴェル・ルネサンス(新たな再生)計画」によると、6年をかけて行うこの改修工事は、美術館の内部だけでなく、周辺地域も対象となる。

「モナ・リザ」が専用の展示室に移され、新たなエントランスが建設されるほか、地階展示室の増設や旧式の機械設備の交換、水漏れや温度の問題の解消に向けた工事なども行われる。また、これらに向け、2025年中に国際建築コンペティションを行う予定だという。
次ページ > 工事費用は「莫大な額」に

編集=木内涼子

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2024.07.28 13:00

旅先の美術館や博物館、特殊な「疲労」の原因に? 予防と対策

Shutterstock.com

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「博物館疲労」については、1920年代にはすでに研究が行われていた。つまり、この言葉は何も新しいものではない。発表されたその研究結果によると、来場者が本来持っている関心の程度を超えるペースで集中的に博物館(美術館を含む)を回り歩くと、展示作品などへの関心が低下するという。

何1つ見逃したくないと思う一方で、博物館が単調で退屈なものに感じられたり、旅の計画の中で「こなさなければならない」負担のように思えたりするのだという。

そうした「博物館疲労」を克服し、旅を楽しむためにはどのような対策を講じればいだろうか? いくつかの方法を紹介する。

特有の疲労感の原因は?

例えば、パリのルーブル美術館で丸1日過ごしたり、シカゴに滞在中、午後から科学産業博物館とフィールド自然史博物館の両方を見て回ったり、ニューヨークに1週間滞在する間、(複数の博物館が立ち並ぶ)「ミュージアム・マイル」を毎日行ったり来たりしていれば、きっと博物館に疲れてしまうだろう。

「博物館疲労」が起きるのは、あまりにも多くの博物館を見て回ったとき、または少数でも、あまりにも長い時間をかけて鑑賞したときだ。

回避するためには?

まず、旅の計画を立てるときには、訪れるべき博物館を選び、その他のアクティビティも予定に入れておくのがいいだろう。

歴史博物館、自然史博物館、美術館、インタラクティブな博物館やその他の関連施設を回る間に、別の場所にも行くようにすることだ。イタリアのトスカーナ州に1週間滞在する旅の間、ルネッサンス期の芸術作品を展示する美術館に毎日通っても、私たちの脳は「正しく」刺激されるばかりではないかもしれない。

ツアーに参加することも、博物館疲労を避けることに役立つと考えられる。ガイドたちは、よく見ておくべき作品を知っており(館内マップを見ながら歩く必要もないことから)、脳にかかる負担を軽減してくれるはずだ。また、人とのやり取りという「双方向の体験」をすることもできる。
次ページ > 疲れを軽減するためにすべきことは?

編集=木内涼子

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建設費1550億円のジョージ・ルーカス美術館、2026年9月22日にロサンゼルスで開館へ

「Lucas Museum of Narrative Art」(ルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アート)。Photo by Eric Thayer/Los Angeles Times via Getty Images

「Lucas Museum of Narrative Art」(ルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アート)。Photo by Eric Thayer/Los Angeles Times via Getty Images

「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」といった巨大シリーズを生み出した億万長者の映画作家ジョージ・ルーカスが、ロサンゼルスに設立する「Lucas Museum of Narrative Art」(ルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アート)の開館日を2026年9月に決定した。同館は、著名な美術作品の数千点と、ルーカスの映画制作キャリアに関するアーカイブ資料を収蔵する予定だ。

同館の総事業費は10億ドル(約1550億円)とされ、資金はルーカスが拠出した。Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)によれば、その中には建設費、彼のアートコレクション、少なくとも4億ドル(約619億円)の基金が含まれる。

美術館は2026年9月22日に一般公開すると米国時間11月12日の午後に発表した。ルーカスが美術館構想を最初に打ち出してから10年以上を経ての開館となる。

この美術館は延べ30万平方フィート(2万7870平方メートル)の規模で、常設コレクションには4万点超の作品が収蔵される予定である。ノーマン・ロックウェル、フリーダ・カーロ、ビアトリクス・ポターといった作家の作品も含まれるとプレスリリースは述べている。

ルーカスの映画からの衣装、小道具、コンセプトアートなども収蔵される。どの作品群が対象になるかはリリースに明記されなかったが、ルーカスは「スター・ウォーズ」「インディ・ジョーンズ」両シリーズの脚本・監督・製作で広く知られ、さらにアカデミー賞にノミネートされた『アメリカン・グラフィティ』の脚本・監督・製作でも知られている。

館内は35のギャラリー、2つのシアター、図書館、レストラン、物販店、そしてロサンゼルスのExposition Park(エクスポジション・パーク)内の緑地で構成される。

美術館は未来的なデザインで、宇宙船にたとえられることがある。プロジェクトに携わった建築家クシュ・パレクは、かつてLos Angeles Timesに対し、その意匠は「神話と映画の風景」に着想を得ており、来館者を「宇宙への旅」へと誘うものだと語っている。

次ページ > 会館までの紆余曲折

翻訳=酒匂寛

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2025.12.29 11:00

2026年に訪れるべき未来志向のヨーロッパ都市10選、観光以上の体験も提供

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観光スポット巡りとセルフィー写真だけの典型的な都市旅行を超える体験を求める旅行者のために、European Best Destinationsは欧州全土の58の都市を分析し、先見性のある10都市を提案している。このヨーロッパの旅行専門家たちは、雰囲気、歩きやすさ、文化的生活、美食、安全性、そして訪問者にとっての全体的な体験のしやすさを兼ね備えた都市を選出した。

1. ワルシャワ(ポーランド)

ポーランド・ワルシャワの旧市街(Shutterstock.com)
ポーランド・ワルシャワの旧市街(Shutterstock.com)

ポーランド最大の都市は、長い間明確な都市戦略と未来のビジョンを持ち、訪問者にとって非常に魅力的な場所となっている。ワルシャワはほぼ半分が緑地で構成され、公共交通システムは効率的かつ環境に優しく、デジタル技術が日常のサービスにシームレスに統合されている。

ワルシャワのスカイラインを彩るヴァルソタワーは、2022年にフォスター+パートナーズによって設計され、欧州連合で最も高い建造物となっている。市内を一望できる展望台は2025年9月に一般公開された。ポーランドの首都には、ヴィスワ川沿いや、かつての工業スペースが現在ギャラリーやカフェ、親密な文化施設となっているポヴィシュレやプラガなどの地区で、見どころや楽しめることがたくさんある。ワルシャワは歩きやすく、驚くほど安全で、ヨーロッパの首都としては手頃な価格が魅力だ。

2. ウィーン(オーストリア)

オーストリア・ウィーンのヘルデンプラッツ広場(Shutterstock.com)

ウィーンエコノミスト・インテリジェンス・ユニットによって世界で最も住みやすい都市としてしばしば名前が挙げられている。この都市は豊かな音楽と芸術の遺産、印象的な歴史的建築物、そして200以上の帝国時代の公園や庭園を含む広大な緑地で知られている。ウィーンはまた、ヨーロッパの都市の中で最も高い割合の緑地を持ち、その卓越した生活の質という評判を強化している。

オーストリアの首都は、歴史と文化に情熱を持つ旅行者にとって自然な選択肢だ。ミュージアム・クォーターでは、エゴン・シーレやグスタフ・クリムトの傑作を展示する歴史的な機関と現代的なギャラリーが印象的に融合している。さらに、活気あるフリーマーケット、伝統的なコーヒーハウス、そして象徴的なザッハトルテを含む古典的なケーキを中心としたカフェ文化を加えると、ウィーンには訪れる理由が豊富にある。

次ページ > マドリード、モナコ、ジュネーブ、ブライトン

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