福岡市・天神「新天町商店街」変化のとき…福岡パルコと一体的な再開発、シンボルのメルヘンチャイムは継承
今年で創業80年となる福岡市・天神の新天町商店街が変化の時を迎えている。天神ビッグバンに伴い、隣接する商業施設「福岡パルコ」との一体的な再開発計画が進む中で、シンボルの時計塔「メルヘンチャイム」や南北の通りをどう継承していくのか。関係者は、戦後の焼け跡から街をつくった先人の思いと歴史を受け継ぎ、「これからも市民に喜ばれる場所に」と誓う。 【写真】福岡市・天神「ワンビル」、九州ギャルの青春を彩ったマーク復活…モチーフの照明「色んな思い出を大事に」
メルヘンチャイムがある「メルヘン広場」で昨年12月24日、新型コロナウイルス禍を経て、6年ぶりにコンサートが開かれた。地元の市立舞鶴中吹奏楽部が演奏するクリスマスソングが響き、大勢の買い物客らが足を止め、拍手を送った。
季節限定でチャイムは「ジングルベル」の音を奏で、雪のイルミネーションで輝き、新天町を彩る。友人とよく買い物をするという部長の同中2年生(14)は、「いろんなお店があり、レトロな雰囲気も楽しい」と笑顔を見せた。
祭りが高めた結束
チャイムは高さ17メートル、幅25メートル。午前9時から午後8時まで、1時間おきにからくり人形が動き、メロディーが流れる。鐘はオランダ製で、1981年に新天町の創業35周年を記念して設置された。
「お客さんに喜んでもらおうと、こういうものがあったらいいとみんなで意見を出し合い、形になった」。新天町にある「しばた洋傘店」社長の柴田嘉和さん(79)は懐かしむ。ドイツで時計塔を見てきた新天町商店街商業協同組合の当時の理事長、楢崎哲夫さん(故人)が発案したという。
50周年の96年に改装して現在の形となり、動く人形も増えた。組合の現理事長、楢崎昌太さん(66)は「皆さんに楽しんでもらえる場所になった」と喜ぶ。
メルヘン広場は、新天町の人たちが大切にする祭りの舞台にもなってきた。5月恒例の「博多どんたく港まつり」の際には演舞台が設けられ、7月の博多祇園山笠の時期には飾り山笠(やま)が展示される。
86年には子供山笠も始まり、広場の上に2008年にできた開閉式のドーム「新天町サンドーム」で、雨にぬれずにイベントが開けるようになった。それぞれに関わった「服地専門店アダチ」社長の足立憲弘さん(78)は「祭りはみんなの結束を高めてきた」と語る。