1月2日に「適当に出かける」というコンセプトを頭に浮かべるとも浮かべない感じで始まった散歩。

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「名前が華美すぎるから」という理由で雲雀丘花屋敷に行き、めくるめく豪邸の町を見て名前負けしてないことにたじろいでから、次は宝塚へ・・・

12:00 宝塚駅へ
山本駅から宝塚へ。

初詣で中山寺・清荒神・門戸厄神に行ったっぽい人が多数。調べると、初詣乗車券が発売されているようだ。

私も初詣乗車券でお得に乗ろうかなと考えたが、損することが嫌すぎて乗車券の金額の元をとるような行動をしそうでやめた。

元をとるような行動で、普段は行かないところに行く可能性もあるにはあるけれど・・・今回は自由を保ちたい。

宝塚駅に到着。駅前のソリオ宝塚を抜けて、南の方へ。

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大阪や兵庫には、こういう天に抜けていく構造の建物が時々ある。

神戸ファッションマートとか、形は違うけど南港ATCとか・・・どこもじんわりと年月を経ていて、「今見ておかないといけない」という気分がかきたてられる。

宝塚に来たのは一つ理由がある。

芸人の例えば炎のラジオ「あ、エレガンス」のタイトルの元となった「ラーメン工房 あ」とラブホテル「エレガンス」を見るためである。



例えば炎のラジオは、面白いところはどこかと聞かれるとかなり難しいのだが、なんか聞いてしまう。甘味を感じるような気がする瓜みたいなラジオ。

ふたりがよくラジオで言っているのだが、「あ、エレガンス」の元ネタである「ラーメン工房 あ」と「エレガンス」は目と鼻の先だそう。

「ラーメン工房 あ」は、手塚治虫記念館で『奇子』を読んだ帰りに行ったことがある。ただ、ラブホテル「エレガンス」は記憶に全くない。

この2つのスポットで何かやっているわけでもなく、ただ見るという目的。ほぼ歌枕。


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武庫川をわたった先にあるとのことで、宝来橋へ

ゆるやかなS字を描く橋で、渡っているあいだあんまり橋を渡っている感じがしなかった。自らに「橋は直線」というすりこみがあることに気づかされる。

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橋を渡ったさきに、宝塚温泉とウィルキンソン炭酸の説明が

兵庫の山の方は温泉だらけだが、有馬温泉や宝塚温泉は近いのでむしろあまり行ったことがない。

近世の大坂の文人が温泉旅行に行くエピソードを『在津紀事』で読んだが、彼らも駕籠を乗りまくってめちゃくちゃ遠い兵庫の城崎温泉に行っていた。

がっつり遠いところに行って、へとへとになって温泉につかるというのがいいのかもしれない。

ウィルキンソンの炭酸水のお話も書いてあった。この解説によると、昔から「酸(す)い水」「鹹(から)い水」という2種類の水が湧くことが知られていたが、イギリス人のウィルキンソンが優秀な食卓用鉱水として再発見したのだという。

伊香保で眞鍋嘉一郎と石谷傳市郎がラドンを見つけたりと、古くからある温泉地での近代の発見話はなんか好きで見てしまう。古いものを新しい切り口で見ると、やっぱ良いところあったで!というのがハッピーエンドだからだろうか。

すぐ近くに炭酸せんべい屋があった。

炭酸せんべいがめちゃくちゃ好きだ。赤ちゃんが食べるせんべい「ハイハイ」も好きだ。味の薄~い甘いせんべいが好きだ。

「買っていこうかな」と思ったが、「フラジャイルすぎる・・・」と二の足を踏んだ。割れやすいものを持ち運ぶと、今後の散歩で大暴れできなくなる。大暴れの可能性は低いが、その可能性を奪われるのは嫌だ。

左にずっと進んでいく。高層マンションが立ち並ぶ。

しばらくすると、

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「ラーメン工房 あ」や!

カクカクのフォントの「あ」が懐かしい(一回しか行ったことないけど)。店の中は広々としていた記憶もある。

貼り紙を見ると、1/2まで閉店だった。ここでラーメンを食べようと思っていたので、ランチを求めての流浪が決定。

ラーメン工房 あが巨大なマンションの1階部分にあるように、この一帯は集合住宅だらけである。観光地らしくホテルもあるが、こんなところにラブホテルの「エレガンス」なんてあるのかな?

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あった。


歩いて30秒くらいのところにあった。

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あまりケバケバしさがなく、まわりになじんでいる。

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各構成要素はよく見るとしっかりラブホテル

たたずまいにエレガントさがある。

ラーメン工房 あとエレガンスの距離の近さを確認できた。距離を確かめるという聖地巡礼。「見る」に「移動」が加わり、より身体的。

例えば炎のラジオでは、阪急宝塚沿線の話が多く、東京で聞くと「え、宝塚沿線の話してるやん」と面喰ってしまう。かつての生活圏内に肉薄しすぎて毎回びっくりする。なぜだかわからないが、台湾に旅行しているときも聞いてしまった。

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公民館にあった手書きのミャクミャクとアトムの灯篭。

12:40 ランチを求めて

空腹と寒さで、脳がぼーっとしてきた。昼ごはんを探す。

三が日だから、当然の帰結でぜんぜんお店が開いてない。

宝塚南口駅の周りも、お店がしっかり休み。

しかたない、宝塚駅前に戻るか・・・


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宝塚大橋を渡る。

歩道に彫刻と緑があるきれいな橋。向こう岸に集合住宅の壁。

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左手に阪急今津線と宝塚大劇場。観光ダムも。

とても見晴らしがいい。橋のベンチで景色を眺めるのもよさそう。今は座っているだけで冷たい風にゆっくりと体力がすり減らされてゆく予感。

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奥を見ると、宝塚音楽学校の生徒募集ポスター。宝塚の町には、このポスターが貼られまくっている。


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あ、宝塚音楽学校の門や!

ここにもポスターが貼ってあった。

気が付くと宝塚大劇場あたりに到着していた。

寒い。体が芯から冷えている。


12:50 宝塚大劇場へ
大劇場の裏側に、なんか自動ドアがある。どうやら、宝塚のグッズショップが開いているようだ。

暖をとる目的でショップに滑り込んだ。

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名前がパッと読めない「キャトルレーヴ」

なんと宝塚歌劇団は1月2日も公演をしているらしい。

お店が心なしか空いている。ゆっくり見て回る。

宝塚のDVDは9000円くらいするので、パッとカゴに入れることができない。宝塚スターの大運動会のDVDがあったので気になったが、これも同じくらいの値段だった。

結果、

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宝塚音楽学校の願書を買った。

2000円くらいするし、受験する予定もないので、もちろん「ぐぬぬ」とはなったが、新年だし・・・と思って購入した。

入学願書用の用紙や封筒などとともに、歌唱試験の課題曲の楽譜が入っていた。それが、センターテスト問題用紙と似た雰囲気の冊子で緊張感があった。最後のページはやはり「MEMO」だった。

あと、同封されていた学校紹介パンフレットがめちゃくちゃ面白かった。
修学旅行先の北海道での集合写真も、生徒募集ポスターくらいポーズきめきめで撮影していた。(真ん中のクラーク像がカッコよく見えた。)

阪急電鉄の創設者の小林一三を偲ぶお墓参りもあるそう。(調べてみると、大阪は池田の大広寺というところにお墓がある。逸翁美術館・小林一三記念館や、池田城跡、五月山公園近く。今度行ってみたい。ていうか池田、めちゃくちゃ充実してる。)

試験当日の説明も詳しく記されていた。

持ち物の欄に、レオタード・タイツ・バレエシューズと書かれている。私が今までで一度も用意したことない持ち物だ。

注意事項にもなじみがなかった。
試験当日は、額の生え際と耳、襟足を隠さないように髪をお団子にまとめないといけないらしく、化粧・まつげパーマ・まつげエクステ・カラコンは禁止らしい。とにかく「隠すな」というメッセージが強い。

13:10 昼食
「キャトルレーヴ」を出る。そういえば、宝塚大劇場の建物の中にご飯のお店あったよな・・・?と腹を空かせて歩き回る。

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チケットカウンター。ディスプレイの意味をなしていないくらい1月と2月の公演に空席がない。


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宝塚の公演は2回しか観たことがないが、その時と比較するとびっくりするくらい空いている。

衣食住が足りている人が主な空間に、お腹をすかせてさまよう中、カフェテリア「フルール」についた。

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す、空いてる・・・!

ここは、土日の公演に来たときは人が多すぎては入れなかった。

周りには、私と同じく一人で来た女性や、家族が観劇中なのか、3人のお子さんの面倒を見る男性などがパラパラいるだけだ。

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パスタやオムライス、ピラフ・・・カツサンドもある。おいしそうだし価格も単品で700-1000円くらい。意外とリーズナブル。

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今やっている「恋する天動説」にちなんだメニューも。これを食べてから演劇を見て、ファーストコンタクトが飯のコンテンツ体験もありかも・・・

結局、ラーメン工房 あの記憶が勝り、

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フォー(800円)にした。

ナプキンや箸袋にあるのは、宝塚のそれぞれの組をあらわすマーク。

チキンと海老が肉厚で、干しトマトと紫玉ねぎと千切りにんじんはしっかりとうま味があり、あっさりとした出汁と紫蘇で和に仕上げたフォーだった。おいしい・・・!

量はそんなに多くないが、めちゃくちゃ具だくさんでエディブルフラワー添えて800円。すごい。どうやら、幕間休憩の時にズズっと食べられるメニューのようだ。

とてもありがたかったのが、食べ終えてからゆっくりしても大丈夫な雰囲気だったことだ。しばらくの間、お冷を飲みながら本を読むことができた。

1月1~4日はお雑煮が注文できるとのこと。1月1日の公演、おめでたそう。カフェの厨房には、1月2日なのにたくさんのスタッフの方々がいる。この方々のおかげで、私は今、餓狼状態から抜け出せたのだ。ありがとうございます・・・!

ふだんはドリンクバー付きのモーニングもあるらしい。ドリンクバーはたくさんの茶葉から選べる紅茶、いろんなシロップを混ぜられる炭酸などがあって目がくらんだ。

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三が日に入学願書を買って、カフェでお昼ご飯を食べて、本気で宝塚音楽学校の試験に臨む人みたいな過ごし方をしてしまった。というか、演劇チケットを買っていないのに、そういう過ごし方を許す空間であることに驚いた。

次回、今津線に乗って西宮北口駅乗り換え、そして花隈へ!

理由は一つ、城跡公園なのに石垣に地下駐車場がある花隈城跡を見たいから!

雪が降るなか、大倉山公園で石碑を見て凍える!公園を歩きながら、大倉喜八郎の成り上がりぶりに呆然・・・!

関帝廟・湊川神社で初詣、玉子せんべいを食べて汚れた手を手水で洗って、「私、さすがに信心がなさすぎる」と呆然・・・!

最終回、お楽しみに!