俺の親友がプロキシ!?…えっパエトーン?   作:コロッヶ

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アキラの後方彼氏面ベガ立ち親友ポジションが書きたくなったので初投稿です


多くの別れと、新たに出会った親友

私はきっと死んでしまうのだろう。

 

"だろう"と言う曖昧な表現だが、そうとしか言い表せないのだ。

 

いつも通り仕事をし、いつも通りの帰路を辿っている途中で何かに後ろから突き飛ばされたのだから。

 

何に、と思考する気力すら残ってはいない。

 

今は辛うじて聞こえてくる声や音を無意味に聞き取るだけだ。

 

まぁ、まだ心に両親と弟妹への申し訳なさを思うくらいには、痛みを感じないくらいには幸運だったのだろう。

 

まだ20代なのだ、親孝行もろくに出来なかった。弟妹ともっと過ごしたかった。

 

さぁ、眠くなってきた。ドーパミンのせいだろうか、恐怖はない。ただ、本当に、一言だけでも…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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次に目が覚めた時、周囲はあまりに眩しく、そして何かに支え覆われていた。

 

病院で目が覚め、急な光で眩しいと感じたのならまだ納得はいくが、大の大人が支えられる?覆わられる?はて?

 

と思考したのも束の間、眼前に人の顔が近づけられてしまえば驚くのも無理はない。

 

大人気なく「ふぎゅっ!?」と言ってしまった。恥ずかしい過ぎて穴があったら入りた

 

「よく頑張りましたね!元気な男の子ですよ!」

 

「えっでも泣いてなくないですか!?何かびっくりしたような声はしましたけど…」

 

……ふむぅ?なるほど、納得はしないが理解はした。

 

とあればやる事は1つだ。とりあえずはこの心配してる女性らを安心させてあげようか。

 

なぁに、恥ずかしがる必要は無い。恐らく私は赤子なのだから。

 

やる事は単純明快。大きく息を吸って〜

 

「おんぎゃぁー(棒)」

 

そう言うと周囲にいる人は喜び、涙を流している者もいた。

 

まだ多少の者は以前ドタバタしているが、それはそれ。

後の事はプロに任せるとしよう。

 

 

にしても、記憶ある状態で一時的とは言え赤子の真似かぁ……

 

 

悪ぃ、やっぱ辛ぇわ、二度とやらん。

穴があれば入りたい?入りづらいわ!!

 

 

 

 

 

 

 

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そこから先は、多少怪しまれる事は何度かあったが、すくすくと育って行った。

 

幸せそうな両親の元に再度恵まれ、死ぬ間際に後悔したことをまた繰り返さないように過ごしていた。

 

周りから奇怪に見られる事もあったがご愛敬である。

 

ただ、気になる所があるとすれば、ここは前世よりも文明が進んでいるという事と、エーテルと呼ばれるエネルギーが確立されているという事。

 

前世では高卒で社会人になってから、電気機器や電子部品に触れながら過ごしてきたため、何とも言えない感情になってしまう。

 

しかし、新しい事を学べるのは良い刺激になる。

 

それこそ食い入るように本を読み漁った。学生時代では考えられないが、楽しくてしょうがない。

 

ある程度は前世の記憶で補完できるし、褒められるのも当然悪い気はしない。

 

そんなこんなで10歳となったが、友達もいないことは無い。

 

2、3人ではあるがエーテルについて興味を持っている者もいたのですぐ意気投合できた。

 

他愛もない話から、年相応の会話をしたりしていたので、両親も特に不満は無いようだ。

 

 

 

このまま幸せを享受できていたら良かったのだが、どうやら神は私の事が嫌いらしい。

 

突如発生した大規模ホロウ災害。耳が割れる程の警報。誰かの悲鳴、泣き声、怒号。

 

平和と呼ばれる何もかもが一瞬で覆った感覚だった。

 

この世にホロウ災害という物がある事は知っていた。

 

どのような被害が出たか、どんな災害なのか。知っていただけだった。

 

前世では自然災害とは奇跡的に無縁だった。

 

どこかで地震や津波が発生しても、心配こそすれ所詮は画面の向こう側、という認識だった。

 

だが今は違う。自然災害とは訳が違う。

 

自分の後ろから闇が迫り、恐怖に包み込もうとする。

 

足がすくみ、蹲りそうになるが、何とか足を動かす。両親に手を引かれながら、ひたすら前へ、前へ、まえ

 

迫る闇は非情にも、街を、平和を、人を、全て等しく飲み込んだ。

 

 

━━━━

 

…気を、失っていたらしい。

 

身体の至る所からエーテル結晶が見え隠れする。

 

駆けつけた医者によると相当危険な状態だったらしい。

 

奇跡的にエーテル適応体質だったらしく、一命を取り留めたとの事だ。

 

そんな事はどうでもいい、両親は、友は、どうなってしまったのか。

 

…正直、聞かなくても分かりきっていた事ではあった。だが、自分が"奇跡的"に助かったのなら、まだ可能性はある、と思いたかったのだ。

 

しかしそんな都合のいい話は無く、調査員と救助隊が言うには、自分の周りにはエーテリアスが数匹いただけだと言う。

 

「まだ、突発的に発生した裂け目に入ってしまった可能性もある。調査は引き続き続行するから、待っててほしい。君の大切な人は必ず見つけ出す」

 

あぁ、優しい人なんだな。

 

今の私は10歳であり、まだ守られるべき子供だ。絶望させまいと、希望はあると言い聞かせてくれているのだ。

 

だが、もう既に人では無いか、殺されているかのどちらかである事は分かりきっていた。分かってしまっていた。

 

お願いします、と力無く言うしかできなかった。

 

それから後の事はよく覚えていない。自分の無力感と喪失感だけ強く残り続けた。

 

 

━━━━

 

大規模ホロウ災害から数ヶ月たった。

 

未だ増え続ける遭難者、死亡者確認一覧。

 

もう、嫌気が指す。何をしていけば良いのか、何を目指せば良いのか、何も分からない。

 

避難所のような施設の中を目的も無く歩き回っていたら、目の前から、同い年だろうか?兄妹が話している所を目撃する。

 

彼らも自分と同じ境遇なのだろうか。

 

傷の舐め合いでも何でもいい、今は誰かと話してこの溜まった思いを吐き出させてほしい。

 

そう思い近づくと2人とも自分に気がついたようだ。しかし警戒されているのか妹を庇うように兄が前へ出てきた。

 

「あぁ、そんな警戒しなくてもいいよ?ただ、少し話がしたいだけなんだ。色々と、誰かに聞いて欲しくて。」

 

「そうかい。なら僕が聞いてあげよう。僕もちょうどそんな気分だったんだ、付き合ってくれるかい?」

 

「え〜、私も混ざりたい〜!ねっ、いいでしょ?お兄ちゃん」

 

…自分が言うのも何だが、お兄ちゃん大人の対応過ぎないか?

 

妹の方は年相応として、まぁいいか。そちらの方が話しやすい。

 

それから、色々と話した。これまでの事や、この災害で何を失ったかを。

 

どうやら2人は「先生」と呼ばれる人の下で過ごしてきたらしい。

 

どんな人だったのか2人に力説されてしまった時は、愛想笑いしかできなかったけど。

 

それと形見としてボンプを数匹と何かシステムを引き継いだらしい。システムについては詳しく言ってくれなかった。

 

2人とも口硬いねぇ?10歳ぐらいの子供だったらベラベラ喋りそうなのに…え、もしかして最近の子ってこんな感じ?あらヤダ怖い。

 

と、ふざけた事も考えれるぐらいには溜まった物も吐き出しきるぐらいには話し込んだらしい。

 

さっきまで明るかった外も夕焼けに染まっている。

 

「おっ、もうこんな時間か。あっという間だな。」

 

「全くだ。こんなにも時間が早く過ぎてしまうとは思わなかった。」

 

「うんうん!私達と同じ歳ぐらいの子もいない訳じゃないんだけど、詮索してくる子が多いしね。それに比べると君はあんまりそういう事してこないから助かるんだよ〜、ありがとっ!」

 

話していて分かったが、この兄妹はアキラとリンという事が分かった。

 

というかリンちゃんの笑顔が眩しすぎる。やめなさいリンちゃん。その術は俺に効く。

 

その後、ノックノックの連絡先を交換してから避難所へ帰った。その頃にはすっかり日も落ちて夜になっていた。

 

彼らは別で寝床があるらしく、そこに向かうとの事だ。

私がベッドで寝れる日はいつになることやら。

 

そんなくだらない事を考えつつ支給された布団でウトウトしていると、スマホが震えた。

 

送り主を見るとアキラからだった。こんな時間に何の用だと、目を擦りながら確認する。

 

『起きてるかい?今日はありがとう。リンも楽しかったと言っていたよ』

 

『起きてるよ。こちらこそ楽しかったよ。久しぶりに気を遣わず喋れた』

 

『それは良かった。早く寝なよ?僕たちは成長期なんだから』

 

『送ってきた本人が言うかね?まぁいいや、おやすみ』

 

さっと送って眠りにつく。まぁ成長期にも個人差はあるのでそこまで意識しないが、仮に睡眠妨害してきたアキラが自分より高身長になったなら1発殴ってやろうと思い、意識が落ちていった。

 

 

 

━━━━

 

それからは、急ピッチで新都が建設され、さらに多数の科学者が募ったことにより、旧都よりも遥かに進んだ発明が立ち上がり、新都は飛ぶ鳥を落とす勢いで発展していった。

 

いつしか新都は「新エリー都」と呼ばれるようになり、自分もそこの住民として受け入れられた。

 

これで夢見たベッドで寝れると思うと、自然に笑みが零れる。

 

ただ忘れてはいけない。自分は色んな人に生かされているという事に。

 

だが好きに生きさせてもらうが。

 

感謝こそすれ、縛られる必要は無い。

 

せめて自分らしく生きて、両親に見てもらおうと思ったのだ。

 

大規模ホロウ災害から、10年程たった。

 

あの日あったアキラとリンは未だに連絡を取り合っている。

 

何なら自分が住んでいる場所が「六分街」なので、その街角で「Random_Play」というビデオショップを経営してるらしい。

 

あの日見れなかった、形見のボンプを見ると感慨深い気持ちになる。

 

自分は何してるかと言うと、ホロウレイダーをしている。

 

うん、我ながら命を粗末にしている気がする。

 

疑問に思うだろうが、私は元々争いとは無縁の日本育ちなのだから戦闘センスは皆無に等しい。

 

それでホロウレイダーが務まるのか、という問いが出てくるのは当然。

 

そこで私は閃いた、『別に戦う必要性なくね?』と。

 

そう、一般的なホロウレイダーが狙うのは売れば大金が稼げる物ばかり。

 

エーテル物質やインターノットの怪しい依頼を受けたりと様々だ。中にはそれを横取りする奴もいるし。

 

そこで私は奴らが目も向けない、ガラクタを隠密でそっと回収し修理、さらにそれを販売しているのだ。

 

治安局が来ても「ホロウから流れ着いたジャンク品を直したんですよ」とか何とか言っとけば…今のところ大丈夫!

 

前世の知識と今世の知識を合わせると直せないものはあまり無いように思える。

 

現に、以前リンがブラウン管テレビを修理して欲しいと頼み込んできたくらいだ。

 

六分街でも機器の点検修理屋として過ごしている。

 

近くのカスタムショップのエンゾウさんとは、お互いに部品のやり取りやサポートをしている。ホントいい人すぎるよ、おじさん。

 

そんなこんなで楽しく過ごせている。

 

さて、今日も一日が終わった。ふと、アキラと知り合った当時のやり取りを見返して、こんな事もあったな〜と懐かしい思いにふけりながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

最初のやり取りから後の連絡

『そういえば、君の名前を聞いていなかったね』

『ありゃ、そうだっけ?俺の名前は』

 

 

 

 

『香薊 灰《こうあざみ かい》 』

『皆からはカイってよばれてたけど、まぁ好きに呼んでいいよ』

『ありがとう。これからもよろしく、カイ』

『おうよ。こちらこそよろしく、アキラ』




ぶっちゃけ旧都の設定とか曖昧すぎて草生えません
オリジナル設定ドカドカ入れるのは多分今回だけです
読んでて「違うくね?」と感じたらドカドカ送ってください

因みに現代のアキラからカイへの信頼ランクはMAXです
チュートリアル前からお出かけ出来ます
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