ロドスとレユニオンの両陣営を高速で反復横跳びする一般9級フィクサー()の奮闘劇 作:名も無き悪魔の執筆家
そして炎拳事務所!まっさか人格が来るとは思いませんでした、これは楽しみですね〜。
.............それでいつになったらローラン人格が出るんですかプロムン!
そして皆様、アンケートありがとうございます!結果として、溜め込んで放出するということになりました
1話だけ公開して欲しい人たちが何人か居たので、予告編のような形で少しだけ内容を見せようと思います!
下記にリンクを貼りますので、気が向いたらご一読ください!
https://syosetu.org/novel/360759/
人のいない街、「ゴーストタウン」。なんらかの理由で人がいなくなり、住むことができなくなった、棄てられた街。レユニオンによる攻撃を受け、天災による被害をモロに受けたチェルノボーグは、まさにゴーストタウンと言っていいだろう。
後からチェルノボーグ事変と呼ばれるそれが起こり、完全にインフラを破壊され、住むことが不可能になったチェルノボーグ。すでに人の気配はなく、街中には血と、肉と、煙と、源石と、死の匂いが充満している。街は破壊され、残っているものは何もなく、外に一歩出れば、死体かレユニオンに遭遇するような状況。まさに屍山血河の死屍累々。明日の命どころか、今日の命すら危うい状況。こんな事件を引き起こすほど、それほどまでに、彼ら感染者たちの恨みは強く、深く根付いている。チェルノボーグを燃やし尽くした炎は、彼らの怒りの現れだったのかもしれない。
そんな危急存亡の状況だが、そんな状況でも生きようと足掻く者たちがいる。チェルノボーグのある学校には子供たちが学生自治団体を立ち上げ、チェルノボーグから逃げ出そうとしているらしい。
そして、ここにも現状を打開しようと考えているものが一人。製薬会社、ロドスアイランドの制服に近接オペレーターが所持しているブレード。そして裾の隙間から見える、体から生えているいくつかの源石。
ロドスの前衛オペレーター、『Guard』はチェルノボーグから脱出し、ロドス号に辿り着くために、今できる最善の策を考えていた。
「クソ、どこに行ってもレユニオンが居る。下手に動いたら索敵網に捕まるし......」
ドクターたちを逃すため、レユニオンの部隊と真正面から相対したAceの部隊は、勇猛果敢に戦いながらも、多勢に無勢を極めた状況では難しくついには彼を残して部隊は全滅してしまった。頼みの綱であったAceも、もういない。
自分はあまりにも惨めだった。最初の一撃で後方にまで吹き飛ばされ、背中を打ちつける衝撃と共に気絶し、気づけば全てが終わっていた。何もできないまま、何も残せないまま、全てが終わった光景だけを見ることしかできなかった。
「まずい、こっちに来る!?」
潜伏していたGuardの下に、いくつかの足音が近づいてくる。統率のとれた複数の足音からは、一般人のものではなく、多少の訓練を積まれた兵士。レユニオンのものだとわかるだろう。
慌てて身を隠し、音を立てないように最善の注意を払いながら、移動する。いくつかの建物を経由し、時には見つかりながらもなんとか逃げ延びたGuardが辿り着いた先は、どこかの建物の地下。いくつものキャンパスに、幾つもの絵が描かれているアトリエのような部屋。そこに隠されるように存在したハッチを開ければ、地下へ続く梯子が姿を表す。下を見れば照明の類はなく、古びた薄暗い地下は、身を隠すなら打ってつけな場所だ。どうやらだいぶ広い空間のようだが、物が所狭しと詰め込まれているからか、どこか窮屈さを感じる。
「ここは......一体なんだ?」
少し時間が経ったからか、夜目が効くようになり、この空間の全容を少しだけ理解することができた。おおよそ縦20m、横10mの長方形の空間で、左右には人が入ることのできる箱のようなものが隙間なく置かれている。そこから管のようなものが伸びていて、ある一点へと向かっていた。
そしてその近くには、多彩な色を放つガラス......いや、鏡があった。中心から広がるヒビ割れた鏡のいくつかは、ただの鏡のように己を映すだけであったが、極彩色を放つ一つの欠片からは、本来見えるべきはずのないものが見えた。
白いローブ、のっぺりとした白い仮面。そして、見慣れた一つのマーク、シンボル。DNAのように見えるクロス状のそれは、先ほどまで対峙していたレユニオンのマークにそっくりだった。鏡に映った誰かは、ゆっくりと顔につけた仮面を手に取れば、素顔が顕になる。
自分だ、目の前に映る誰かは自分だった。ロドスではなく、レユニオンを選んだ、自分だ。
なぜそんな考えになったかはわからない。ただ、漠然と、そうなのではないかと直感的に感じたのだ。
鏡の向こうの自分は、手に取った仮面を落とす。力無い、カランという音が、鏡の向こうから聞こえる。彼はこちらに近づき、向こうの世界の鏡に手を触れ、微睡みながらもまっすぐとした目でこちらを見る。そうして.....
『遺志を継げ、成すべきを為せ』
頭の中に直接届くような、精神に直接響くようなアーツを食らった時のような感覚に、思わず目眩がする。
「お前は......一体」
なんなんだ。と言い切る手前、ヒビが根のように伸びあたりの鏡に侵食し、ぱりんと小気味良い音を立てて崩壊する。あの極彩色を放つ鏡も、その向こうにいた自分も、何もかもがなくなった。あるのは、何も映すことの無くなった、先程の欠片だけである。
その欠片を拾い上げれば、鏡面には黒く燻んだ光景だけが広がるのみで、そこには何も映さない。
「本当になんなんだここ.......頭がおかしくなりそうだ」
ポケットに欠片をしまい、ここには居ない方がいいと思ったGuardは、地上に出るハッチを開き、外に出る。外は相も変わらず地獄の有様で、絶望をこちらに突きつけてくる。そして、ここから脱出するために部屋から一歩出ようとした時、彼は胸ポケットに入っていた紙の存在を思い出す。
自分が気絶している間に置かれていたそれは、どうやら自分に宛てられた書き置きであることがわかるが、いかんせん見る暇がなかったため、今まで目を通せなかったが、周囲に音や気配は感じない。今なら見ることができるだろう。
そうして、書き置きを取り出し、封を広げ確認する。見てみれば、焦って書いたのか少々走り書きで書かれている。
『ロドス所属のオペレーターへ、まずは適当な場所へ身を潜め、落ち着いてからこれを読んで欲しい。君のドックタグを確認したかったが、今は余裕がない。また別の機会に名前を教えてくれ。書き殴りでやや読みにくいかもしれないが、必ず最後まで目を通してくれ』
前文に書いてある内容と筆跡を見るに、隊長であるAceのものではないことは明らかだろう。
『今の君の心理状態的にすぐロドスへ撤退したいだろうが、暗くなっていないならやめておけ。敵に捕捉されるだけだ。当面の危機は去ったとはいえ、まだ君自身は敵の大部隊の中で孤立した状況だ』
そう言われて、先ほどまでの自分の行動を思い出し、自殺行為だったことを自覚し体が震える。空はまだ明るい、この状態で動けば見つかることは必至だ。
ここまで無事だったことに、今日ほど己の幸運を喜んだことはないだろう。もしかしたら今の自分は、転がっている肉塊の仲間入りをするところだったのだから。
書き置きはかなりの行書かれている。読み終えるのにはだいぶ時間がかかりそうだ。
姿勢を低くし、外からは見えないように体を隠しながら読み進める。
『君に頼みがある。まぁ、君を助けた料金だと思ってくれ。君の怪我には応急処置がしてある、少なくとも、生命の危機はもうないだろう。
まずは、俺のつまらない話に目を通してくれ。
俺はScout。ロドスの隊員なら知ってるだろう?エリートオペレータのScoutだ。
今回、我々の作戦目標はドクターの救出だった。アーミヤの意思も固く、誰も彼女の考えを変えることができなかった。あるいは誰しも、自分の生命をかけてまでやるべきことだと思い込んだのだろう。
Aceもアーミヤと同じ考えだったようだ。ドクターを救出さえできれば、袋小路に陥っている多くの局面を打開できると考えていた。
もしドクターが昔と同じように事を成してくれるなら......ロドスはより一層繁栄することだろう。
だが、俺は臆病者だ。だから不安なんだ.........。
そんなロドスの繁栄を、受け止め切れる気概が俺にあるかどうかわからないんだ。
そうだ.....三年前だ。そして今日に至るまで、俺たちは多くの兄弟姉妹を失ってきた。
俺はこれまで「人と人は、生きていれば、またどこかで再開できる」と考えてきた。それも俺がロドスに手を貸し続けている理由の一つでもある
だが俺たちは多くのものを失いすぎた。その結果Miseryのように悲観的なやつでさえ、絶対にドクターを取り戻す必要があると考えている始末だ。
あいつはこれから全てうまく行くと希望的な観測をしている。死や別れは全て過去のものとなると、そんなふうに思っている。
もちろんドクターの能力を疑ってはいない。ドクターがこの世界のパワーバランスを変えられる力を持っているのは間違いない。ドクターがいなければ、あのカズデルも泥沼に沈んでいただろう。
だが......ドクターに指揮を頼んだ時に......ドクターの眼の中には、勝利への確信しか見えなかった。
そう、勝利以外のものは見えなかったんだ。
まるで機械のような、無機質な瞳には他に何も映っていなかったんだ。
ずっと考えていた。ケルシーさんが、俺たちに決して明かそうとしなかった真相は、ドクターと関係あるんじゃないかって。
あの三年前の最後の時期だ。どうして写真のバツ印が増えていったのか、どうして犠牲が頻発するようになったのか、どうして戦う目的すらわからない戦いが増えたのか?
それに、あの光の放出だって..........
想像したくない。想像することもできない
もし戦火と殺戮がドクターを感化し、ドクターを一人の指導者、研究者から一台の単なる戦争マシーンに変えてしまっていたら........
ドクターが戦争に加わる事を望んでいた者たち全員が、大きな過ちを犯していた。そう言う他ない。
ドクターはもう二度と戦闘の指揮をするべきじゃないんだ。ドクター本人にとっても、ロドスにとっても同じだ。
........すまない。これを見ていて馬鹿げていると思っただろう。
俺の考えは、自分でも幼稚な者だと思う.........。だから誰にもこの話をしたことはなかった。
フッ、誰が聞いても笑い飛ばされるだろうな。でも俺は他人に嘲笑されるのが大嫌いなのさ。元々は墓場まで持っていくつもりだったが........
だがこんな状況になって、誰かがこのことを俺の代わりに気にかけておいて欲しいと考えちまったんだ.........。
俺はドクターには、新しい生活を歩んでほしいと考えている
もしロドスとの関わりが絶たれれば、あるいは、ドクターを蚊帳の外においてしまえば........。これまでのことを全て忘れてしまってもいい........。
ドクターが再び戦争の道を歩まらなければ、何だっていい。
はぁ、今の俺にはこんな夢みたいな願いしか残っちゃいない。
すまない。少し長くなったな。もし君が聞きたくない話だったら、俺の戯言だと思ってくれればいいさ』
読み進めれば読み進めるほど、疑問が溢れてくるこの書き置きを目にして、思わず眩暈がしたGuard。そこに書いてあったのは、己の命を救ってくれた恩人による、ロドスとドクターへの不信。
ロドスの中では絶対的な支持を持つドクター。そこいらの天才では比較にならない頭脳を持ち、それでありながら軍師のような戦略眼と指揮能力の高さを持つ、まさにロドスにおいての希望の星。
そんな彼の過去は、確かにほとんどの人が知らないものだ。ケルシーさんに聞こうも答えてくれはしないし、ファイルやフォルダを探してみてもそれらしいものは見つからない
そう思えば奇妙なものだ、ロドスのトップである一人の経歴などは、その人の能力や立場を証明することのできるもののはずだが、ドクターにはそれが一切ない。
.................まるで、知られたくないものを隠しているようだ
書き置きの主の疑問に対して、そんなことを考えていると、響くような足音が遠くから聞こえてくる。近くには別の足音がすることから、一人ではないようだ。
慎重に気配を消し、耳を澄ましてみれば一組の男女の会話が聞こえる。
「それで、なぜ、あなたが、ここにいる」
「それは私が言いたいことだね。あんたらこそ、なんでここにいる?」
一人は武人のように力強く、それでいて掠れた声の男の声。もう一人は初老の、年季の入った女性の声。
二人は会話を続けながら、こちらに近づいてくる。小窓から少し外を伺えば、鹿のような頭をした人物。ウェンディゴと、紫のコートに身を包んだ二人がいた。
「我々は、目的のため、この地を、訪れた」
「お友達をたくさん連れてかい?」
「そうだ」
「その結果がこれか。あんたらが望んでいた”感染者の権利を取り戻す”ってのはこんな原始的な方法で叶えるつもりかい?」
「権利を、叶える、ために、時としては、犠牲が、必要だ。待つ、だけでは、何も、得られない」
「そういう割に、声からは迷いが見えるけど?」
「............」
話的に、男の方はレユニオンで、女の方は部外者のようだ。
「まぁ、私が外から何やかんやと言うつもりはないけどね、このままじゃ、あんたらに未来はないよ」
「それは、わかっている。そう、ならない、ために、私がいる」
「確かに、あんたならどうにかできそうな気もするけどねぇ。あんたの実力なら、あのタルラとかいう化け物に渡り合えるだろうね。実力なら、ね」
彼女がそういうと、別の方から小走りでこちらに向かう足音が聞こえる。
「報告いたします。リーダーから伝達がありました。想定より早くチェルノボーグの制圧を完了。掌握した通信チャンネルを用いてレユニオンによる勝利宣言を行ないました。各部隊、速やかに現在の状況を報告しろとのことです」
「わかった、すぐに行く。紫の涙よ、少々待っていてくれ」
「ゆっくりでいいさ〜、待つのには慣れてるからねぇ。それに、私は興味本位でここに来ただけだからね、もう少しでお暇させてもらうよ」
「了解した。残った部隊を、四番街にいる、部隊と合流して、生存者を探してくれ。できる限り、死傷者を、減らして、使える物資を、集めろ」
「了解しました、パトリオット指揮官」
それだけいうと、パトリオットと呼ばれた男は歩いてタルラの下へ向かう。一人のレユニオン兵は紫の涙........紫の色を冠する特色フィクサーの方に向き直ると、軽い会釈をした後に無線で報告を行いながら、どこかへと向かう。
レユニオンによる人命救助。チェルノボーグをここまで崩壊させたレユニオンが、チェルノボーグの生存者を救出するというのはなんとも皮肉な話だ。
周りに人はいなくなった。今なら自分宛の書き置きを、心置きなく読むことができるだろう。手で握っていた紙を開き直して、続きを読む。
『そうだ、今から話すことは絶対に戯言じゃないぜ。君への頼みだ。
ドクターに....そうだな、こう伝えてくれ。
「ドクターが俺たちと共に戦ってくれた日々を、俺は1秒たりとも忘れたことはない」
メンバーのコードネームは.........スリンカにブータル、スコーピオン、レイファ、ムラム、カクテル、ソラナ、ミミ、マリー、サムタック、ユラン、そしてロングトーンだ。
全員俺のチームメイトだ、全部で12人いた。
彼らが敵の防衛戦を破り、敵の救援部隊をも退けた。彼らがいなければ、俺は敵の傭兵部隊のリーダーを倒すこともできなかっただろう。
ただ、その尊敬すべき12名のオペレーターたちは、皆この戦いで命を落とした。
君が、彼らの戦いの証人になってほしい。
誰かに聞かれたら、俺の代わりにこう答えてやってくれ
誰も俺のチームメイトの名前なんて覚えちゃいないだろうが、彼らの死は報われるべきだ。誰一人として死を恐れることも、萎縮することもなかった
もちろん、ロドスのために生命を捧げた者たちは少なくない.......。誰かの死だけが特別と言うわけではないが........。
ただ俺たちは、誰か一人の命のためだけに戦ってるわけじゃないのは覚えておいてくれ。そんなふうに言ってしまえば、彼らの死を貶めることになるからな!
おっと....少し話が逸れたが、誰かに俺のメンバーのことを聞かれたら「彼らは皆、自分の信じる理念のために犠牲になったんだ」と答えてやってくれ
名も知れぬロドスの兄弟よ、君は自分のために生き延びるんだ。俺の言葉は、死にゆくものに贈ったつもりはないからな
そして生きたまま自分の理想を実現してほしい。くれぐれも命を粗末にするなよ
それだけだ、兄弟』
書き置きはそこで終わっていた。ドクターとロドスに対して不信感を抱きつつも、決して忠誠心と恩義を忘れず、ドクターへの伝言と自身のチームメイトのこと、そして自分に生き延びて理想を叶えてほしい。それだけ言ってScoutは、命の恩人の書き置きはここで終わっていた。
「Scoutさん......俺は..........俺は、一体どうすれば.............」
「やっと読み終わったかい小僧」
全身が跳ね上がるような感覚がした。後ろから聞こえた声に驚き、勢いよく背後を向けば、パトリオットと話していた初老の女性.......紫の涙がそこに居た。
「なんで......バレて..........」
「気配でバレバレだよ。精一杯隠してたみたいだけど、私とウェンディゴの小僧にはそこに誰かいるなんて最初からわかってたさ」
あまりにも格上の存在。敵うことができない存在だということを自覚し、足がすくむ。ここまでかと諦め、目を瞑るが、予想していた衝撃が一向来ないことに気づく。
顔を上げてみれば、呆れたような表情を浮かべたまま、こちらを見る紫の涙の姿があった。
「落ち着きなって、私はあんたを殺そうなんて思っちゃいないよ。別に私は感染者がどうとか、ロドスがどうとか言う立ち位置じゃないからね。それよりは、あんたに話があってここに来たんだ」
「俺に.........話し?」
軽く頷くと、紫の涙は書き置きを指差して口を開ける。
「それを読み終わったってことは、あんたにはやるべきことができたってわけだ。そして、同時に複数の疑念も」
Scoutさんからの書き置き、パトリオットと呼ばれるレユニオン幹部と紫の涙の話を通して、ロドスとレユニオン。双方に対して多くの疑念が生まれてくる。
「過去のドクターとロドスは一体何をしていたのか」「過去のドクターと今のドクターの相違点」「熱狂的なほどのドクターへの信頼」「レユニオンの組織が一枚岩ではないこと」「レユニオンが目指しているものは一体何か」........考えれば考えるほど、溢れ出てくる疑念の数々は、ロドスとレユニオン双方に対して多大な不信感を募らせる。
「ここから脱出してロドスと合流するのも一つの手さね。ただ、そこで今回の疑念を晴らすことができるかというと.........ほぼ不可能だろうね。話したとこで聞く人はいないし、答えてくれない。まぁ、生きるというなら、一番堅実で現実的な選択だろうね」
「.............」
もう少しで夜が来る。やろうと思えば、チェルノボーグの外にまで出ることはできるだろう。ロドスの本体と合流することは難しいが、どこかの都市に行って通信さえできれば迎えが来るかもしれない。
だが..........
「俺は、ロドスには戻らない」
先ほどまでの話を聞いて、ロドスとレユニオンは何か致命的なすれ違いを起こしているのではないかと、そう感じてしまう。
本来であれば目的は同じのはずなのに、手段が真逆と言っていいほど違い、思想も到底相入れることのできない程違う。
その結果、『感染者を救う』ために、お互いの組織が殺し合うと言う状況になってしまっている。
この致命的なまでのすれ違いをどうにか解消しなければ、双方に未来はない。
.........まだまだわからないことは多い。レユニオンが一枚岩ではないとわかった以上、彼らの真意を確かめるためにも接触しないといけない。
あのパトリオットという人物は、レユニオンの中でも異色に思える。彼についてもっと知ることができれば、もしかしたら対談ができるかもしれない。
そうすれば、この果てのない戦いを終わらせることができるかもしれない。それなら、きっと彼らに報いるとができるだろう。
「Aceさん...Scoutさん......俺、やるよ.........」
Guardはそう言って立ち上がり、紫の涙の正面へと立つ。
「やることは決まったかい?」
「あぁ....俺の恩人たちの遺志を継ぐことにする。始まってしまったこの惨劇を、俺なりのやり方で終わらせるために」
『成すべきを為せ』鏡の向こうの自分はそのようなことを言っていた。なら、これが俺なりのやり方だ。
ロドスとレユニオン。志は同じなれど、手段や思想は真逆の組織。彼らとの衝突はすでに避けられないところにあり、闘争の果てには何も残らないだろう。
文字通り、塵一つ残らない。
そんなことをさせてはならない。そうなってしまえば、自分のために命をかけてくれた人たちの死が、無駄になってしまう。
彼らは自分たちの信じる理念のために戦っていた。それなら、自分も『自分の信じる理念のために戦おう』
そうして建物から出ると、気づかれないように慎重にパトリオットの後を追う。後ろを向けば、彼女の姿はもうどこにもなかった。
まるで蜃気楼のように消えた彼女の存在は、まるで初めからそこにいなかったように思わせたが、今は自分のするべきことに集中するため、意識を切り替え、バレないように移動する。
彼のポケットから、極彩色の光が、一瞬だけ輝いたように感じた
どこかの路地、紫の涙は不敵な笑みを浮かべながら、そこに居た。
子供がお気に入りのおもちゃを見つけたような、無くしていた探し物を見つけたような......そんな顔を浮かべながら、口を開く。
「不思議な世界に来たと思ったけど、あの腹黒小僧に図書館の嬢ちゃんもいるときた。それに、鏡も........これは、もしかしたら当たりかもねぇ?」
紫色の眼光を鋭く光らせながら、彼女はどこかへと歩き出す。
背後にはまるで宇宙のような空間が、裂け目と共に広がっていた..........
えぇ〜、これを描いている途中でUAが3万を超えました。
読者の皆様、本当にありがとうございます!!
ここまでの人に見てもらえるなんて本当に嬉しい限りです!
これからも見ていただければ幸いです!!
そして、アンケートの結果オリジナル小説は溜めて解放することになりました!
改めまして、皆様アンケートにご協力ありがとうございます!
下記リンクにオリジナル小説のリンクを貼りますので、予告編を見たい人はお気軽にどうぞ!
それでは皆様、ここまで見ていただきありがとうございました!!
https://syosetu.org/novel/360759/
オリジナル小説を現在完成してる第一話だけ投稿するか、それとも溜め込んで数ヶ月後に一気に投稿するか
-
一話だけ投稿する
-
溜め込んで一気に投稿する