ロドスとレユニオンの両陣営を高速で反復横跳びする一般9級フィクサー()の奮闘劇   作:名も無き悪魔の執筆家

3 / 9
感想と評価いつもありがとうございます。
気づけば評価が赤になっていることに驚き通り越して、恐怖が湧いてきました。
だってまだ3話だぜ?
こんな奴の小説を見ていただける人がいるなんて......
セルマァ(略)

追記
皆様、アンケートありがとうございます!結果として、溜め込んで放出するということになりました
1話だけ公開して欲しい人たちが何人か居たので、予告編のような形で少しだけ内容を見せようと思います!
下記にリンクを貼りますので、気が向いたらご一読ください!

https://syosetu.org/novel/360759/


霧、炎、爆発。そして沈黙

ウルサス帝国:チェルノボーグ市周辺

 

荒れ果てた荒野の大地に、謎の集団の影がそこにはあった。白装束を羽織り、なんの装飾もされてず、ただ目がある位置に穴が空いただけの真っ白な仮面をつけた連中が居た。それも何百人と。奇怪な新興宗教にでも所属してる集団に思えたが、腕に巻かれた帯のマークが目に付く。DNAにも見えるクロス状のマークには見覚えがある。

 

 

【レユニオン・ムーブメント】

 

 

鉱石病の感染者たちの集まりで、差別や偏見に苦しむ自分たちに講義し、感染者の権利を求めてデモ行進をするくらいの組織。

 

 

「だと聞いてたんだけどなぁ..............」

 

 

そう言ってあたりを見渡せば、剣、盾、刀、斧、クロスボウ、銃といろんな武器を携えているのが見える。どれもあまり品質が良いとも言えず、武器の特徴が一致しておらず、統一感がないのを視るに、鹵獲した装備を使っているのだと思うが、あの白い仮面は何処から持ってきているのかだけは想像もつかない。

 

今まで見てきた感染者達と比べてみれば、今の彼らの姿は差別に苦しむ哀れな感染者達ではなく、憤怒の炎を揺らす復讐者のようにも、行き場所を失ったストレイシープのようにも見える。仮面の奥底に隠された彼らの瞳はこの世の全てに絶望し、復讐を誓っているように思えた。

 

そんな奴らが大勢いるこの場所に、対象的に黒一色の人物がいると、どうも浮いてしまう。だが特に何も言われることはない。皆、それが当たり前であるかのように振る舞っている。レユニオンでは、人の服装に細かく言わないのかもしれないが、今回に関してはこの仮面のおかげだろう。

 

【認識阻害の仮面】

 

着用者の認識を阻害することで、相手の脳の認識をずらし、存在を曖昧にさせる。出力をいじることができ、今は普通のレユニオン兵に溶け込めるくらいにしている。無駄に問題は起こしたくないからな.........。

 

 

「それで、俺らは一体どこに向かってるんだ?」

「これから幹部同士の集まりがあるの。そこであなたのことを紹介するわ」

「急に参加しますって言って、部隊に入れるのか?」

「あたし個人で雇ったフィクサーだから大丈夫じゃない?まぁ、もし無理だった時は力付くでOKにさせるから、安心なさい」

「どうしてそれで安心できると思ったんだ.............」

 

 

そんなことを駄弁りながら歩けば、目的の場所についたのだろうか?一張りのテント、その中には多種多様な種族の奴らがそこにいた。おそらくこいつらがWの言ってた幹部連中だろう。

 

 

「やっと来たか、W。..............隣に居るそいつは?」

「あたし個人で雇ったフィクサーよ。そうね、黒い沈黙って言えばわかるかしら」

「特色フィクサー黒い沈黙か、昔に死んだと思われていたが生きていたのか」

 

 

マジか、俺死んだと思われてたのか。いやまぁ、数年も活動してなかったらそう思われても仕方ないのか?あとW、俺が死んでたって言われた瞬間爆弾準備するのやめろ。殺気を出すな。

 

 

「あ~取り敢えず自己紹介でもするか。特色フィクサーの黒い沈黙だ。名前が必要なら『オルランド』とでも呼んでくれ。W(コイツ)の依頼を受けて、今回のチェルノボーグ襲撃に参加することになったが、念の為参加許可を貰いに来た..........これぐらいでいいか?」

「なるほど、事情は把握した。実力も申し分ない、作戦の参加は許可するが...........保険はかけさせてもらう」

 

 

そう言うと何かしらの機械..........おそらく通信機と思われるものを投げてきた。危なげなくキャッチすれば向こうから説明がされる。

 

 

「発信機付きの通信機だ。これでお前の動きを監視する。不審な行動を取り次第、危険因子と見做し排除する」

「は?」

「おい待て落ち着け、W。爆弾に手をかけるな」

 

 

目の前の龍女の言葉が気に障ったのか、原石爆弾のピンを抜きかけていたのを慌てて止める。こんなとこで問題起こしたらどんな目に会うか分からない。流石に洒落にならないからやめろ。

 

_________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、暴走して爆発(物理)しそうなのWを羽交い締めにしながら、無事(?)に会議が終わった。どうやら、元々チェルノボーグ内にいたレユニオン構成員による暴動を起こし、連中が混乱している隙に俺らが侵入。各部隊ごとに決められた担当地域で暴れまわり、チェルノボーグ市警と派遣されるであろう軍の掃討。最終的には支配下に置くらしい。俺はWの部隊を中心に動き、各地域で敵勢力への陽動と遊撃、可能なら殲滅を行うことになった。やれるだけやってみるか。

 

それと、どうやらチェルノボーグ内にロドスの連中が侵入しているらしい。まぁ、あれだけ俺に調べさせてたんだ。何かしらの行動がない方がおかしいか。

 

 

......................できれば会いたくないな。

 

 

途中、幹部連中の紹介があったんだが驚いたよ。まさかあのパトリオットが居るなんてな。レユニオンの戦力を侮っていたわけじゃないが、これならチェルノボーグ襲撃だって夢じゃないだろう。あの龍女..........タルラだって普通のやつがまともに戦って勝てる相手じゃない。

 

それとW、警戒してるのはわかるが俺を自分のものだって強調し過ぎだ。メフィストにちょっかいかけられたからって、マジの声出すな。

 

 

.....................それともう一つ。赤褐色の髪のループス、クラウンスレイヤーだったか。あいつの姿、どこかで見た気がするんだが.............まぁ、後で話せばいいだろ。

 

 

「ねぇタルラ姉さん。そろそろ作戦開始でしょ?今のうちに新しいおもちゃを用意しておきたいんだけど........いいかな?」

「好きにしろ」

「やった! これでたくさんゲームが出来る!!

  楽しみだなぁ.......」

 

 

そう言って浮足立った様子のメフィストと、それに従うようにファウストがテントを出ていく。二人の姿が完全に見えなくなる頃、聞こえないくらいの声でフロストノヴァが言う。

 

 

「悪趣味な奴だ」

 

 

そう吐き捨ててテントを出る。それをきっかけに他の奴らもテントを出て自分の部隊に戻っていった。そうして、俺もWと一緒にテントを出る。さっきの会議の内容を逐一振り返ってみるが心配事が多い。俺がどれだけ動けるか分からないのもあるが、一番問題なのは人的資源だ。

 

今、チェルノボーグは天災の被害を受けかけている。なんでチェルノボーグが移動してないのかはこの際置いておくが、こちら側の被害もバカにはならないだろう。タルラが感染者たちを導く『王』か、それとも己の目的のために味方を利用し、使い潰す名実ともに『暴君』か。彼女に対して少しながら不信感を抱くが、今は依頼の達成を最優先に動くことを第一に考えるとしよう。

 

 

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あの後、俺はWの率いるサルカズ傭兵部隊に混ざり、今チェルノボーグの壁の下でタルラからの開始の合図を待っているところだ。今は体が動けるようにストレッチをしている途中だったが、そんな矢先、Wが声をかけてきた。

 

 

「ねぇローr......むぐっ!?」

「しー!...............オルランドって言え。正体がバレたらどうするんだ」

 

 

危うく俺の本名をバラしかけたそいつの口を抑え物陰に引っ張る。本名で言われればせっかく偽名を考えた意味が無くなるだろ。

 

 

「そうだったわね。今のあなたは9級フィクサーのローランじゃなくて特色フィクサーの黒い沈黙だったことを忘れてたわ。でも.....................」

 

 

___二人だけの時なら良いわよね?___

 

 

あの時と同じように、悪魔の囁きが聞こえてくる。暗闇の中、狂気を孕んだ赤い瞳が浮かぶ。目の前に映るその顔に、危うく惑わされそうになるが、なんとか理性を働かせる。

 

 

_________こいつ顔だけはいいんだよな、顔だけは。

 

 

「落ち着けって。バレた場合のリスクがデカすぎる。俺の正体がバレて困るのはお前も同じなはずだ」

 

 

特色フィクサーとのパイプを持ってる奴なんて、テラ中を探し回ってもそうそう居ない。利用されるか、命を狙われるかの二つ。結末に関しては二つに一つだろう。

 

 

「そうね、あんたの正体を知ってるのは世界にあたし一人だけでいいもの」

「そうだ、だから.............ちょっと待て今なんて言った」

 

 

今何か変な発言を聞いたが気のせいだろう。そう思うことにした。そうするしかなかった。

 

 

「でも、依頼主の言うことを聞かないのは如何なものね」

「それに関しては申し訳ないと思ってるよ」

「いいわ、今回は見逃してあげる。ただし、あんたをこき使ってあげるから感謝しなさい」

「喜ぶべきか微妙なラインだな............」

「何か文句があるかしら?」

「その寛大なるお心に感謝いたします」

「それでいいわ。で、そろそろ...............」

 

 

Wと俺、両方の通信機から声がする。タルラの声だ。

 

 

『諸君、我々は長い間虐げられてきた。非感染者からの差別はとどまることを知らず、君たちの大切なものを奪っていった。命や、財産、尊厳.........様々なものが失われていった。私達は抗議した、なぜ我々だけがこのような不当な扱いを受けなければならないのかと、世界に伝えた。だが結果はどうだ。我々の扱いは変わることは無く、寧ろ悪化の一途を辿っている。もはや奴らとの共存は不可能だ。故に我々は、我々の怒りを、悲しみを、今日、世界に知らしめるのだ!!

諸君、これは聖戦だ。正義は常に我らにある。我らの道を塞ぐ者には容赦をするな、全身全霊を以って叩き潰せ。

.........案ずることは無い、我々には心強い味方が付いている。今回の聖戦には特色フィクサー、黒い沈黙が参加する。我々の作戦の達成は保証されたものと思って良い。

奴らはきっと、君たちを非難するだろう。やめてくれと懇願するだろう。だが、君たちが奴らに懇願しても、奴らはそれを聞き入れたか?行いを止めたか?そんな筈はない。奴らは平気な顔で差別を、弾圧を繰り返してきた。ならば、我らも奴らと同じやり方で、それ以上で返そうではないか。

君たちの怒りを、恨みを、悲しみを世界に認識させよう。諸君らの思いは、このテラの大地に蔓延る非感染者共の心に、未来永劫残り続けるだろう!!

.....................諸君らの健闘を祈る』

 

 

通信機からの演説が終わると、遠くの方から明るい光が点滅する。タルラのアーツが使用されたのだろう。それらは徐々に小さくなっていくと、一閃。タルラの前方にレーザーのような炎が発射された。それは壁を溶かし、大穴を開ける。そこから見える景色の町並みはガラリと変わっていて、あちらこちらで火の手が上がっていた。

 

続けてWがボタンを押せばあちこちから爆発音が鳴る。あらかじめ大量に仕掛けていたのか、未だなお鳴り止むことはない。

 

その音を戦いの合図として、多くの部隊が穴から街へと侵入していった。タルラのアーツで辺りは焦土に変わり、メフィストのおもちゃは手当たり次第に人を襲い、フロストノヴァ率いるスノーデビル小隊によって街は氷に飲み込まれ、パトリオットの部隊は軍隊のような統率の取れた動きで行進し、クラウンスレイヤーによって霧が辺りに立ち込める。

 

 

「結構派手にやってるな」

「あなたもそろそろ動きなさいよ」

「わかってるよ」

 

 

そう言って俺は手袋をはめ直す。仮面越しに呼吸を整え、そして___________

 

 

 

 

 

 

 

 

世界から、音が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

..............結局、Wが俺を呼んだ理由聞いてなかったな。

 

 

そんな疑問は口に出そうにも、静寂に飲み込まれるだけであった。




今回は妄想成分多めです。ちょっと自分の好きな要素ぶち込んだ所があるので、粗い所があればごめんなさい。

オリジナル小説を現在完成してる第一話だけ投稿するか、それとも溜め込んで数ヶ月後に一気に投稿するか

  • 一話だけ投稿する
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