ロドスとレユニオンの両陣営を高速で反復横跳びする一般9級フィクサー()の奮闘劇   作:名も無き悪魔の執筆家

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ローラン君を曇らせたくなったので初投稿です。
もうそろそろLORの日本語版が出ますね。ローラン君の葛藤と苦悩が日本語で聞けるなんて.........。
あ~セルマ、俺、涙が出そうだよ..............。

追記
皆様、アンケートありがとうございます!結果として、溜め込んで放出するということになりました
1話だけ公開して欲しい人たちが何人か居たので、予告編のような形で少しだけ内容を見せようと思います!
下記にリンクを貼りますので、気が向いたらご一読ください!

https://syosetu.org/novel/360759/


9級フィクサー【ローラン】

原石(オリジウム)。それはこのテラの大地にて発見された、大きな力を持つ、新時代のエネルギー源となった鉱石。源石製品の利用によって、この世界は飛躍的な技術的発展を遂げた。

 

______だけど、技術の発展に犠牲はつきものって言うだろ?当然のごとく原石は数多くの問題を引き起こした。

致死率100%の鉱石病.....通称『オリパシー』

都市一つを簡単に壊滅させてしまう災害.....『天災』

 

様々なデメリットを抱える原石だが、それでも俺達先人(エーシェンツ)は原石を手放すことができない。手放せないのだ。原石を利用した原石産業は一般に普及したし、天災から逃げるために移動都市は当たり前になり、燃料として原石を使用している。

 

..........天災から逃れるためにその原因となる原石を使うだなんてとんでもない皮肉だよな?

 

おっと、俺の話をしてなかったな。

俺の名前はローラン、ただの落ちこぼれ9級フィクサーだ。フィクサーってのはまぁ、傭兵みたいなもんだな。金さえ払えば猫探しだろうが、子守だろうが、暗殺だろうが、戦争だろうが何でもやる。それが俺たちフィクサーだ。

 

ちなみにフィクサーには階級があって下から9〜1級、そして1級の中で優れた者たちは特色と呼ばれ色を貰える。俺は9級だから.......まぁ、そういうことだ。

 

今俺がいるのはロドス・アイランドって言う製薬会社で、鉱石病の治療と感染者の保護を目標にしている組織........何だが実態は感染者が関わる問題全般の解決を担う、高い軍事力をも有する一大勢力なんだなこれが。

 

だから武力行為も当たり前、日夜暴走してる感染者なんかも相手にしていることもザラにある。

え?じゃあ何で俺みたいなド底辺フィクサーがそんなところに居るかって?前にここで依頼を受けたことがあってな、その時は簡単な情報収集だったんだけど、働きが良かったのかたまに依頼が来るようになったんだ。

 

そんなわけで、収集が一通り終わり、依頼にあった情報をまとめた資料を依頼主に渡しに行こうと、資料の束を抱え、幾つかのエリアを通り抜ける。ここには様々な部屋があるが、ほとんどの場所で感染者(と思われる)が老若男女楽しそうに生活しているのを見て、ここがどれだけ彼彼女らの心の支えになってるかが少しだけわかった気がした。

 

_________________

 

道中、銀髪のループスの少女に襲われかけたり、鬼の男女二人をからかったらぶん殴られて意識を失いかけたり、方言混じりの口調で話すヴイーヴルの少女がクランタの少女を背負いながら突撃してきたり、食堂でつまみ食いしてるサヴラの男を見たと思ったら俺の仕業だと勘違いされたり..........。

そんな感じでロドスにはいろんな種族の奴らがいるんだなぁと思いながら歩いているとやっとのこと目的の部屋にたどり着いた。

 

そこは一際大きな部屋。数十人が一度に作業できそうな数のパソコンに、正面にはデカデカと巨大なモニターが貼られているここはロドスの制御中枢。各エリアの計画や建設をサポートするための場所だ。

 

 

「おーい、アーミヤ〜。頼まれた情報を資料にして持ってきたんだが、居るか〜?」

 

 

そう言って依頼主の姿を探していると、奥の方から返事が返ってきた。

 

 

「こちらです、ローランさん」

 

 

何かしらの作業をしていたのか、無数にある席の一つに座っているのを目にする。

 

 

「いつもありがとうございます、ロドス内での問題だと言うのに.........」

「いいっていいって、そんな気にしなくても。依頼をこなすのはフィクサーの存在意義だし、俺としては金を払ってくれるだけでありがたいんだから」

 

 

フィクサーとして生きるにはある程度の量の依頼をこなせないと食っていけない。階級が高ければそれなりに依頼はやって来るが、俺は最底辺の9級フィクサーだから毎日種類を選ばず依頼を受けないと、飢えてスラムを彷徨い翌日には死体で見つかるなんてことになりかねない。流石にそれは御免だ。

 

 

「にしても、チェルノボーグ周辺と内部の地理、警備状況を調べてくれだなんて唐突だな。もしかしてチェルノボーグに侵入しようとか考えてないよな?」

 

 

自分なりにまとめた資料を改めて見てみるが、そう言わざるを得ない。一日の警備人数と巡回経路、全ての入口から中心部への最短ルートなどが事細かに書かれている。我ながらよくここまで調べられたと言える。だが、もしそれが本当なら大問題だ。

 

鉱石病の感染者は差別の対象になっているが、中でもウルサス帝国は最悪だ。あそこの中では感染者は人としての扱いをされず、追放や強制労働が当たり前になっている。だと言うのに、その中の都市、ましてやその中心部に行こうとするのはどうも正気の沙汰とは思えなかった。

そう訪ねて見るとアーミヤは悩ませるように顎に手を当て眉をひそめる。

 

____もしかして何かマズいことを言ってしまったか?と身構えたがアーミヤからは、チェルノボーグの内部状況を知りたいだけだと言われた。絶対にそれだけなワケがないと思い、もう少し聞いてみようと思ったが、後ろから扉の開く音がした。振り返ってみればそこにいたのは筋骨隆々の男性。左手には大きな盾を、右手には槌を携えていて、いかにもベテランという風格を醸し出している。

 

『Ace』ロドスのエリートオペレーターであり、頼りがいのあるその背中に皆が信頼を寄せていて、仲間と談笑する姿をよく見かける。精神面と戦闘面の両方で、仲間の支柱として大きな役割を果たしているみんなの頼れる兄貴分。おそらく訓練後だったのだろうか、額に少し汗を浮かべている。

 

 

「アーミヤ、例の件だが..........なんだローランもいたのか、久しぶりだな」

「Aceか、久しぶり.......って程でもないだろ。つい最近一緒に飲んだばっかじゃないか」

「そうだったな、いやなに友人に会うと嬉しくなるだろ。そういうことだ」

「それはわからなくもないが、というか例の件ってなんだ?聞いてみた感じ、チェルノボーグで何かするみたいだが.........いや、やっぱりなんでもない、忘れてくれ」

 

 

なんの話をしようとしたのか聞こうとしたが、バツの悪い顔をしていたので辞めにした。そもそも俺はただの9級フィクサー。あまり外部の人間に組織の情報を話すようなことはしないだろう。知らなくていいコトも世の中にはある。知らぬが仏、知らなくていいことを知って消された奴は見てきたからな、同じ目に合うのは御免だ。

 

 

「さて、依頼も終わったことだし俺はそろそろ帰るよ。依頼料の振り込みはいつもの方法で頼む」

「今日はありがとうございました、ローランさん。よろしければ送っていきましょうか?」

「あ~、遠慮しとくよ。そっちにもまだやることがあるだろ?だから俺のことは気にしないでくれ」

 

 

そう言って制御中枢の扉を開ける。それなりに時間がたっていたのか、人の姿は感じられない。これからどうしようかと考えていると後ろから声をかけられた。

 

 

「ローラン、また来週にでも一緒に飲まないか?次は他の奴らを大勢連れてな」

 

 

急にそんなことを言われた。その言葉になんて返せばいいのかわからなくて、何も返すことができなかった。でも、また次会う時に話せばいいと思って、気にせず人のいない廊下を歩いた。

 

 

______この選択に、俺はすぐに後悔することになる。

 

 

 

_________________

 

 

 

ロドス・アイランドから一歩出たというタイミングだろうか。突然携帯が鳴り出す。依頼の電話かと思い、出てみると知っている奴の声が聞こえてきた。

 

............できれば会いたくない奴の声だったが。

 

 

『久しぶりね、ローラン』

「...........あぁ、本当に久しぶりだな」

 

 

______【W】

 

 

「最後にあったのはテレジアの件だったか?てっきり俺のことはもう忘れてるかと思ったよ」

『まさか、あたしがあんたのことを忘れるわけないじゃない。むしろ、あの時のことを忘れるほうが難しいんじゃないかしら?』

「その節はどーも。.........で、用件はなんだ?何も無いならもう切るぞ」

『はいはい、そんな急かさないで。それで、用件なのだけれど.................。ローラン、あなたに依頼を頼みたいの』

「........何をすればいい」

『あら、随分と物分かりがいいわね。てっきり嫌味の一つや二つ言われると思ったわ』

「どうせ俺に拒否権なんてないだろ?」

 

 

断っても引っ張られて強制的に働かされる光景がありありと浮かんでくる。Wのことだ、きっとこちらを使い潰すような依頼はしてこないだろう..........使い潰された側の彼女のことだし尚更だ。ならば敢えて話に乗っかるのも悪くはないだろう。

 

 

『まぁいいわ。とりあえず明後日の早朝、チェルノボーグ周辺に来なさい。場所は.......座標を送っておくわ』

「チェルノボーグ?おいおい本当に何をする気だよ?」

 

 

今日はよくチェルノボーグの話になることにある意味運命的なものを感じたが、あまりにもおぞましい運命だなと感じ、鼻で笑う。

 

 

『詳しくは現地で話すわ。それじゃあローラン、また会いましょう』

 

 

そう言うと通話が切られる。あまりにも一方的な会話だったが、これもいつもの事かと思い、気にしないことにする。取り敢えず自分の事務所に戻ろうと、荒野を歩き始める。ローランが一歩、また一歩と歩くたび、まだ見ぬ行く末を語るが如く、行く先の分からぬ風が吹きすさぶ。

 

 

 

 

今日、この時間から、この世界の運命の歯車に大きなズレが生じ始める__________




ローラン君は幸せそうな姿もいいが、曇ってる姿が一番輝いて見えるって古事記にも書かれてる。

オリジナル小説を現在完成してる第一話だけ投稿するか、それとも溜め込んで数ヶ月後に一気に投稿するか

  • 一話だけ投稿する
  • 溜め込んで一気に投稿する
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