【大河べらぼう】作・森下佳子さんインタビュー「すり抜けろ!生き抜け!」 - リリース情報 - 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」 - NHK

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

横浜流星主演!痛快エンターテインメント #大河べらぼう

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【大河べらぼう】作・森下佳子さんインタビュー「すり抜けろ!生き抜け!」

大河ドラマ「べらぼう」の世界を紡ぐ、脚本家の森下佳子さん。2度目の執筆となる大河ドラマについて、主人公・蔦屋重三郎の人物像や、作品に込めた思いなどを伺いました。

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人に囲まれて生きた人

作・森下佳子さんインタビュー

蔦屋重三郎は、浮世絵師の葛飾北斎や喜多川歌麿、戯作者の山東京伝や曲亭馬琴(滝沢馬琴)、十返舎一九らを世に送り出した「江戸のメディア王」。出版業で成功した人物として認識している方が多いでしょう。

私は彼のそのサクセスストーリーよりも、彼がまわりを巻き込みながら人々を豊かにしていく人間性を大切に描いていきたいなと思いました。彼のお墓に「陶朱公のように生きた」と刻まれていたことがそのきっかけ。陶朱公というのは『史記』に登場するほど有名な中国の政治家・軍人で、のちに商人となって移り住んだ土地に富をもたらしていったという伝説の人物・范蠡(はんれい)のこと。つまり、蔦重はビジネスで成功を収めただけでなく、陶朱公のようにまわりの人を豊かにした人だと残されているのです。

もうひとつ、彼が育てた江戸のベストセラー作家のひとりである滝沢馬琴が「蔦重はとにかく人に好かれて、それでやってこられた」というような言葉を残していました。滝沢馬琴ってかなり性格が悪いらしく、そんな男にこうも言わせた蔦重は相当の吸引力があり好かれた、まさに人に囲まれて生きた人だったと思います。  

「復讐心」ではなく「人のため」

作・森下佳子さんインタビュー

蔦重は貧しい生まれで親もいなくなり、二十歳ごろまで厳しい境遇のなか吉原で生きているんです。過酷な境遇を生きてきた人を描くときに「復讐心」を原動力に突き進む人物像につながりがちですが、親がいなくなった蔦重の場合は吉原の人たちに活(い)かしてもらったという気持ちがあるのではと思いました。親に売られた女郎たちを見て「自分だけがつらいわけではない」と支えられた。さらには、そういう女性たちがいる吉原のおかげで、自分は食えて生かせてもらっている。生まれつき人を恨まないタチかもしれないけれど、そうはせず、周りの人のために行動する人物として描くことにしました。

演じる横浜流星さんはこれまで思いを内に秘めるような役が多かったと思いますが、「べらぼう」ではまた違ったキャラクターに挑戦していただきました。面白くてパワフルで、目が吸い付けられるような蔦重を私も楽しみにしています。

作・森下佳子さんインタビュー

そんな蔦重を育んだ吉原を描くにあたっては良いところも悪いところも、そこにいる登場人物一人一人が「人」なのだということを忘れてはいけないと思っています。そこに生きた人たちにどういう選択が許されていて、どう生きたのか。光と影の両方を大事に描いていきたいですね。  

田沼意次はもう一人の蔦重

作・森下佳子さんインタビュー

江戸時代の後期は、長く続いていた武家社会に商人が台頭してくるようになり、武家が権威にあぐらをかいているわけにはいかなくなりました。

政治的な面での重要人物でもある田沼意次は、そんなふうに世の中が変動していくなかで成り上がった人。私の中では、もう一人の蔦重のような存在です。すごく政が好きで世の中をこうしたいというビジョンがあったんじゃないかと思います。現代に通じるところも多いので、彼がもがいた痕跡は成功も失敗も描いていきたいですね。  

江戸中期と現代は同じ!?

作・森下佳子さんインタビュー

「べらぼう」で描く江戸中期は泰平の世。争いといえば、お金や見栄(みえ)、承認欲求の戦いだという気がします。同時に災害が多かった時代でもあり、まさに現代の私たちが体験していることと全く同じですよね。

格差が埋められなかったり、頭打ちといわれていたりと日本人の元気がない現代。社会のせいにしたいところではあるけれど、ただただ膝をかかえていたり、人を責めたりしていても誰かが助けてくれることって、現実的にはあまりない。

若いころの蔦重は豊かなアイデアで人々が求めるコンテンツを生み出すだけでなく、しきたりや慣習だらけの社会のなかで、それをどう世に広めるかを必死に考えていました。だから蔦重には「すり抜けろ、生き抜け」という思いが強いですね。どこに隙間があって、どうやれば思いを通すことができるのか。現代の我々も同じでアイデアとノウハウのどちらも必要というか、物事が達成されるためにはその両面が必要なんだと思います。  

“お祭り的”心意気を忘れずに

大河ドラマの脚本執筆は「おんな城主 直虎」(2017年放送)に続いて2度目。1年という長尺で時代の流れのようなものを描き出せるのは大河しかありませんから、まさに特別! だからこそ、多くの人が楽しめるエンターテインメントであるべきだと思っています。

実は「直虎」に関わることになった際、「何をもって“大河”というのか?」とプロデューサーに質問したら、「お祭りだ」という答えが返ってきました。

大河ドラマの1作目が放送された1960年代初頭はまだ、映画に比べてテレビの地位が低く、五社協定(※)もあって大物俳優のキャスティングは不可能だと思われていたそう。そんななかで、誰もが見たくなるような特別感のある超大作の時代劇ドラマを立ち上げ、まるでお祭りのようなドラマを作り上げたのが大河ドラマの始まりです。「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」も、歴史を振り返るだけでなく、そのなかで人がどう生き、どうあがいていったのかを“お祭り”的な心意気を忘れず描いていきたいと思っています。

※日本の大手映画会社による、専属の俳優や監督の他社への出演を禁じた協定    

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