大河ドラマ「べらぼう」で蔦重が西村屋と共に出版した『雛形若菜初模様』の絵師を演じた鉄拳さん。当時人気を集めた湖龍斎の絵や大河ドラマ出演への思いを伺いました。
📺鉄拳さん出演の第4回はこちらから見られます《2月2日(日)午後8:44まで》※別タブで開きます
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浮世絵の練習は毎日4時間
「べらぼう」公式Xで僕の出演が公開されたときには、コメント欄を全部見ました。幸い否定的なコメントは見つからず、いいことを書いてくださる方もいて思わずリポストしてしまいました(笑)。うれしかったです。
浮世絵を描くのは初めてです。最初に浮世絵指導の先生と一緒に練習させていただいたのですが、あまりにも自分の筆使いが下手くそで びっくりしました(笑)。ふだん筆で描くことがないので、力の強弱がとても難しい。その日から毎日4時間ほど家で練習をしました。
特に難しかったのは独特の細い線。湖龍斎さんが描いた女性の絵を見ると、たとえば目はすごく細いのに美しい。髪の毛なども本当に細かいし、顔の輪郭や肉付けはうねるように描いている。女性たちが浮世絵をファッション誌のように見ていたということは、本当に最先端だったと思うし、湖龍斎は妖艶な雰囲気の見せ方などがすごくうまい人だなと思いました。
浮世絵は現代とはまるで描き方が違うのですが、その分練習は楽しかったですね。最近も自分なりの浮世絵を描いてインスタに投稿したりしています。
絵を描くことに集中
僕は絵を描けるから湖龍斎役で声をかけていただけたと思っているので、そこは期待に応えようと全力で取り組みました。逆に言うと演じるという意識はあまりなかったです 。滑舌が悪く演技も苦手なので、もしセリフが長かったらたぶんパニックになって絵も描けなかったと思います。幸い、セリフが短かったので絵に集中することができて助かりました。
素顔での出演はこれまでもあり、特にこだわりはありません。ただスタジオ入りして「鉄拳です」とごあいさつしても、スタッフさんたちはどこか半信半疑といった表情。それがセリフを言った時に笑いが起きたんです。僕の声は特徴があるとよく言われるので、「あ、本当に鉄拳だったんだ」と声で認識していただけたんでしょうね(笑) 。少し安心しました。
鉄拳メークは、もともとお笑い芸人嫌いの父親に見つからないように始めたこと。すでにバレているので問題ないし、大河ドラマにはめちゃくちゃ出たかったのでチャンス!という感じでした。父親に大河出演を報告したら驚いていましたが、きっと喜んでくれていると思います。
湖龍斎といえば鉄拳となれば…
大河ドラマはやはりすごいですね。時間も手間もかかっている。役者さんの顔ぶれも豪華だし、映像もきれいです。江戸の町並みをそのまま再現したようなセット、外で撮影しているかのような照明など、スタジオの中は何もかもすばらしく、べたべたとさわりまくっていました(笑)。ただ、初めてのカツラは締め付けがきつくて少し痛かったのですが、何とか我慢しました。
現場では、同じシーンでご一緒した西村まさ彦さんがとてもなごみやすい方だったので、緊張を和らげることができました。毎回いてくださればいいのにと思ったほど良い雰囲気の中で撮影が進みました。
これまで江戸の絵師といえば、やはり喜多川歌麿や葛飾北斎、写楽の名前が挙がり、礒田湖龍斎というのはあまりメジャーではなかったと思います。僕も初めて知りました。
おそらくこの先もドラマなどに出てくることはないかもしれない。だけど、もし登場することがあったらまた僕を選んでほしいですね。湖龍斎といえば鉄拳。そんなふうになれたらうれしいです。
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