大学病院が直面する経営危機 機器更新できず、高度医療の存続危うく
東京都文京区の東京大学病院の地下3階。「リニアック」とよばれる数台の大型の放射線照射装置が稼働する。患者のがん細胞に放射線をあて、死滅させる。がん治療で、放射線治療は、手術、抗がん剤と並んで欠かせないものになっている。
東大病院、赤字25億円 リニアック更新困難
東大病院のリニアックの一つは、2014年に数億円で導入された海外製で、ミリ単位で放射線の照射位置を調整できるのが特徴だ。頭頸(とうけい)部がんを中心に、毎日15~20人の患者の治療に使われている。
見た目は新品同様だが、あと2年ほどでメーカーによるサポートが終わる。以降は、故障などで部品の交換が必要になっても、在庫がなければ修理に時間がかかったり、修理が難しくなったりして、治療に影響が出る可能性がある。
だが、経営状況の悪化で買い替えが難しくなっている。
東大病院の24年度の経常収支は25億円の赤字だ。物価高騰や賃上げへの対応のため、22年度から赤字幅は拡大しており、回復の見通しもたっていない。
■設備投資できず、深刻な影響…
- 【視点】
政府は国立大学を「金食い虫」とみなして財政面で締め上げさえすればよいと考えているのかもしれないが、国立大学に付設された大学病院は、高度医療、医療研究、地域への医師派遣など日本の医療全体のかなめともなってきた、しかし、それらの機能や施設設備の
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