ルーブル美術館“160億円窃盗”のツケは日本人観光客に? 実行犯は“闇バイト”集団か…露呈した「甘い管理体制」
■経営の“ツケ”か未来への投資か―日本人観光客は「値上げ」
こうしたずさんな管理のしわ寄せは、日本人を含むヨーロッパ域外からの訪問客への「値上げ」という形で現れようとしている。
会計検査院は、ルーブル美術館が進めている大規模改修『新ルネサンス計画』の総工費が当初の見積もりから膨れ上がり、2000億円以上に達していると指摘している。そこでルーブル美術館が打ち出したのが、2026年1月14日から導入される「二重価格制度」である。EU=ヨーロッパ連合の加盟国にノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインを加えた「欧州経済領域」の居住者は据え置きとなる一方で、域外からの観光客のチケット代は約5800円(32ユーロ)へと大幅に上がる。その値上げ幅は、45%にものぼる。
本来、経営陣が適切な対策を行っていれば防げたかもしれない窃盗事件。そして、計画的に積み立てていれば対応できたはずの修繕費。皮肉なことに、美術館を立て直すためのコストは“外国人の財布”から支払われることになる。
5800円のチケットを、人類の至宝を守るための「未来への投資」と捉えるのか、管理不全の“ツケ”と考えるのか。その判断は観光客に委ねられることになる。