僕のヒーローアカデミア 継承の黎明   作:伽華 竜魅

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誤字報告ありがとうございます。
2026年、コチラでもよろしくお願いします。




体育祭の終わり

 

 

 

 

決勝戦が終わりステージは大崩壊となった。

それも緑谷対轟戦をも遥かに超えた会場の崩壊。

修復も長時間の作業となったが無事に終え、閉会式を行えるようになった。

 

「それじゃあ表彰式を始めちゃうわよ!」

 

ミッドナイトの声に合わせ、会場地下から上位四名の乗る土台が浮上する。

しかし競技大会などの上位三位から一位までの、よく見る土台の凸な形ではない。

一つ一つが台となり、円柱型で独立している。

 

そんな表彰台、三位の台には常闇が一人。

もう一人の飯田は家庭の都合により早退となっている。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()は、リカバリーガールのドクターストップと本人が未だ気絶している状態故、表彰には出ることは叶わなかったのだ。

 

そして真ん中の一位の台には、全身や右頭部から右目までも包帯を巻いており、右腕にはギプスを付けた挙句、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

彼もまたリカバリーガールのドクターストップによって本来ならば医務室にて安静にするはずだったが、彼の強い志願と絶対に"個性"などを使ってまで立ったりしないことを条件に特別に許されたのだ。

 

 

——◆——

 

 

閉会式前、会場修復時、医務室。

決勝を終えた僕とかっちゃんはリカバリーガールの治癒を受けていた。

最も八割ほどはお説教だけど。

 

「全くアンタらは何をやってるんだい!! これもう(ヴィラン)と戦ったレベルの重傷だよ!! 緑谷はともかく、爆豪がこんな重傷で意識保って動けたことだけでも異常さ! 普通じゃないよ!! これで肉体が五体満足で保ってることもおかしい!!! こいつも本当は複数持ちじゃないんだろうね!?」

 

「かっちゃんは『爆破』だけです…リカバリーガール……」

 

「じゃあなんでアンタのあれ程の攻撃を受けてこうして身体が残ってるんだい!!?」

 

確かにリカバリーガールの言い分も、なぜかわからないけど、どこの誰かもわからない謎の人達の疑問…熱いバトルよりも疑問が大きくて指摘してくる人たちの声が聞こえる気がする……ちなみに僕もかっちゃんもそれぞれベッドの上に身体のあちこちを包帯で巻かれて寝かされている。

かっちゃんは気絶してるのに加えて念のためなのか、呼吸器も付けられているけど。

 

ちなみに僕の身体は『変速』の反動後に無理やり『黒鞭』で動かしたり『発勁』を溜めるために内側から伸縮した影響もあって指先すら動かせない。

それもあってかあの戦いで『黒鞭』で動かしながら戦っていた際に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

例えばインパクト30%を意識してやっていたけど、実際身体への負荷も大きすぎて無意識的に5%あたりになっていた可能性が高い。

 

正直、本当かどうかはわからないけど。

 

(小僧、この際ハッキリ言うがお前の幼馴染は確かに異常だ。『ワン・フォー・オール』に加え、強化された俺たちの"異能"を総動員して戦ったにもかかわらず、アイツはお前に食らいついたんだ。言い方はあれだが、本来なら肉体が完全に朽ちて死んでいないとおかしいレベル。にもかかわらず奴は耐え、あろうことかお前に食らいついた)

 

かっちゃんはタフなんですけど、確かにあれは僕もおかしいと思いました。

 

(もしかしたら九代目が無意識下で殺さないようセーブしていたんじゃない? 人間って脳を100%は使ってないし、身体にリミッターを掛けているんだ。それと大体同じ原理じゃないのか?)

 

(それでも私らの"個性"は強化されてるし、疑似的とはいえ120%も出していたんだぞ?)

 

…………。

 

(坊主、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?)

 

気のせい、だったかは分からないんですけど……微かな違和感を覚えたんです。

あの時、最後の一撃を放つとき、かっちゃんがただ爆炎と煙幕を纏っただけじゃなくて、その両手がいつもの火花じゃなくて、()()()()()()()()()()()()()()()

そこからかっちゃんの『爆破』の威力も上がったような気がして……。

 

(火事場の馬鹿力ってのはよく聞くが……もしかしてあの戦いで何かしらの覚醒の示唆が?)

 

わかりません……見間違いの可能性もありますし。

 

(……俺とリーダーが生きていた時代からも、死地での危機感による"異能"の爆発的覚醒の示唆や覚醒そのものは起きていた。もしかしたら彼自身も予期せぬ、兆し程のものによって食らいついた可能性もある)

 

(結論だけ伝えろブルース)

 

(要するに九代目が『ワン・フォー・オール』を継承し発現した際のと同様、()()"()()"()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()())

 

『OFA』と同じってどういう……?

 

(本来なら出久くんが継承した段階でもまだ干渉することはできなかったはずなんだ。特異点はとうに過ぎても、時はまだ満ちていなかったはず。にもかかわらず君が継承した段階でその時が満ち、私らは干渉し歴代の"個性"も扱うようになった)

 

(まるで一つの変化がゆっくりと効き目の遅い毒のように、周りに広がり感染させるようにってことさ)

 

そんなことが……でも、なんで?

 

(わからない。だが少なくとも彼は今出しきれる九代目の全力に追い付こうとし、"個性(ちから)"はそれに応えようとした。それだけだ)

 

かっちゃんの奥底に眠ってる新たな力が、それに応えようとした……なんか、漫画みたいだな。

そう思ってると、扉が開いた。

視線だけを向ければ、トゥルーフォームのオールマイトが入って来ていた。

 

「緑谷少年、無事かい?」

 

「はい…オールマイト……会場は? 僕、無我夢中で……」

 

「無事の確認をしておいてなんだが無理に喋らなくていい。会場は君と爆豪少年の戦いの影響で大崩壊。轟少年との際に起きた崩壊を遥かに上回っているよ」

 

「す、すみません……」

 

そこまでか…周りを気にしないなんて、やっちゃったな……。

 

「……はぁ、あんた、今日中に回復は無理だよ。疲労とダメージが蓄積しすぎてる。爆豪も今日はもう目を覚まさないだろうさ。いや、むしろ覚ます方がおかしい。会場の修復が終わっても表彰に出るのはやめといたほうがいい。自分でもわかってるんだろう? 身体が動かせないこと」

 

うっ、見抜かれてる……でも、上位に入って、表彰台に乗れる機会は得たんだ。

オールマイトとの約束、守りたい……。

 

「『黒鞭』で…無理やり動かせば――」

 

「――戦わないとはいえなんでまた無理に動かそうとするさね!! ハッキリ言わせてもらえばドクターストップだよ!!!」

 

「うっ……」

 

「……はぁ、そこまで出たいのかい?」

 

「…はい……約束、しましたから…僕が来たってところを、世界に、知らしめるのを……」

 

するとリカバリーガールはオールマイトを睨んで腹パンをかました。

 

「何無茶な約束させてんだい!! この子にとってあんたがどれほどの存在かわかるだろ!? そんな約束したらここまでしちゃうのも嫌でも納得しちまうよ!!」

 

「必要なことなんです…リカバリーガール…! あと痛い……

 

リカバリーガールはオールマイトに叱った後、僕はそれでもと志願した。

リカバリーガールは結局折れて、条件を飲むのなら許可すると言ってくれた。

 

 

——◆——

 

 

そして現在。

余談だが司会進行役として閉会式も務めるミッドナイトからも止められていたりしている。

しかしそれでも二位と一位がいないのは本末転倒でもあるがため、彼は内心必死だったのもある。

 

「爆豪、本当に医務室でまだ気絶してんだな」

 

「仕方ないわ。あの戦いだったもの。むしろ緑谷ちゃんがやばいわ。あそこまでして表彰台に立つなんて」

 

「ミッドナイトにも止められたらしいぜ?」

 

「教室に戻るとき手ェ貸してあげんと!!」

 

彼の姿を見たA組らは心配の想いが強かった。

そんな彼らの話もほどほどに、ミッドナイトの声が響いた。

 

「それじゃあメダル授与をするわよ! そして今回メダルを授与してくれるのはもちろん――この人!」

 

瞬間、誰もが知る笑い声が響き渡り、観客たちは全員自然と笑顔となった。

 

「私がメダルを――」

 

「――我らがヒーロー! オールマイトォ!!」

 

「――持って来たァ!!!」

 

マッスルフォームにて派手に、完璧に登場……とはいかず、完全に打ち合わせミスによる被りが発生した。結果しばしの沈黙と、オールマイトが無言の訴えをミッドナイトへ向け、ミッドナイトは静かに謝罪を送る事態となった。

 

(打合せしてなかったんだね、八木くん)

 

(万縄先輩…笑いすぎですよ……!)

 

(お、お前だって、笑ってるじゃねぇか……!!)

 

「(お二人とも笑ってますよ……)」

 

それを目の前で見ていた緑谷は苦笑いをしているが、内側で見ていた歴代継承者のうち五代目の万縄は爆笑し、六代目の揺蕩井も必死に笑いをこらえている。

ちなみに二代目、三代目、四代目は無表情にして、七代目は頭を抱え、初代は微笑んでいた。

一方でオールマイトは気にしていちゃいけないと、すぐにメダル授与へと移る。

 

そして三位からメダルが授与されて行く…が、表彰台に立っているのは三位と一位の二人だけである。

故に常闇に授与と励ましやアドバイスなどを送ったオールマイトは、すぐさま一位の台へと移動した。

 

「緑谷少ね――っておい!? 泣くな!! あ、もしかして傷が痛むのかい!?」

 

「違いまっ…! 嬉しく、て…!!」

 

ザ・重傷者に加え動けないが故の車椅子に乗った状態の緑谷は、その片目から涙を、涙腺を突破し大量に流していた。

それを見た他の生徒らは「締まらねぇ」と満場一致で思っていた。

 

「それならいいが……まぁとにかく! 体育祭を通して見せてもらったよ。君の力、能力、成長、全てをね。君と爆豪少年のぶつかり合いはまさに全力を掛けた魂のぶつけ合いだった。燃え尽きようとも抗い続けるその姿もまた素晴らしい。そしてこれ以上は語るまい。ただ君の描くビジョンを掴み取るためにそこまでボロボロになることはよろしくないから、そこら辺の改善をちゃんと覚えて、笑顔でいような!!」

 

「…ッ、はい! ありがとうございます、オールマイト…!」

 

教師、師匠の二つの意味も込めて今回の傷の指摘も入れつつ、彼は緑谷へと一位のメダルを掛けさせた。緑谷はそれを手で持ち見つめることも叶わない故、ただゆっくりと顔と目だけを下に向け見つめる。オールマイトも再び緑谷が顔を上げたのを確認して、優しく抱きしめ、終えれば正面のカメラに向き直る。

 

「さぁ今回の勝者は彼らだった! しかし皆さん! この場の誰もが、ここに立つ可能性を持っていた! ご覧いただいた通りだ……競い、高め合い、さらに先へと昇っていくその姿! 次代のヒーロー達は、確実にその芽を伸ばしている! てな感じで、最後に一言! ご唱和ください! せーの――」

 

オールマイトの合図に合わせて、誰もが口を揃えてあの言葉を叫ぶ。

 

「「「――Plus Ultra!!!」」」

 

「――お疲れ様でしたァ!!」

 

最後の最後に締まらない終わり方にブーイングが会場を包み込んでしまう。

オールマイトも思わず腰を低くしてしまっていた。

 

 

——◆——

 

 

体育祭を終え翌日。

体育祭当日の終えて帰って来た僕の姿を改めて見たお母さんは泡拭いて倒れたりして大変だった。

今は朝食を取りつつ家で安静にして、後々うちにまでリカバリーガールが出向いて治癒をしてもらう予定だ。

 

右利きだから食事をするの大変だけど、『黒鞭』を使えばちょっとは楽だ。

 

七回よすごくない!? 騎馬戦から私七回も気絶しちゃった。そのうちラスト二回はほぼ脱水症状によるもの!」

 

「僕なんかより、よっぽど壮絶だったんだね……」

 

「そりゃそうよ。急に"個性"出たなんて聞かされて、しかもそれがいろいろできちゃう上にリスク付きのバキバキパワーもあるしで……ただね、応援はするけど、それは心配しないってことじゃないよ」

 

お母さんはご飯を食べながら心配の眼差しで言ってきた。

僕は自分の憧れを追いかけて、歴代の皆様の期待に応えるため、そしてこの先衝突する未来に備えるためのことでいっぱいで、見てくれる人を不安にさせていた。

今後は皆の期待に笑って答えられるような、誰も心配することのない、僕なりのやり方を見つけないと。

 

「出久録画見る!? 高画質よ高画質!!」

 

「後で一人で見るよ…それにリカバリーガールも来るから……」

 

お母さんはいろんなことで元気と心配が出てるなァ……。

 

 

 

 





Q.爆豪の覚醒の示唆あったけど本人気づいてるの?
A.気づいていませんが、感覚的には残っているため多少の違和感を覚えてる程度です。

Q.緑谷はどうやって帰った?爆豪はどうなったの?
A.今回ばかりは先生らに輸送してもらい、爆豪は目覚めてから説教を受けてから同じように輸送されています。

Q.爆豪の精神とか大丈夫なの?
A.どんな結果であろうと闇落ちだけはしないしさせませんので大丈夫です。

以下の後書きに書かれている内容は前話についての説明になります。


爆豪との決着の際の内容に結構な、と言うが大半が批判でしたが皆様方の言っていることが正しいですし、実は前回前々回の段階から既に制作はしていて、その時点で私もそのことについては気づいていました。
コメントなどでは色んなことを一人一人に短く伝えましたが、結局どういう理由で、なんであんな残念な(一部読者にとって)内容になったのかを説明させていただきます。
前書きで書こうとも思いましたが、もしかしたら終わった後、後書きであろうと関係なく、読まずに感想を書きに行ったりする方がおられる可能性(まぁどっちでも無視して本編しか読まない人もいるかもしれませんが)があるためです。
出来れば読んで欲しいですね(それでも言うのであればブラウザバックを推奨します)

一つ、デクがかっちゃんに無双して圧倒的差で勝つ展開はあり得ないし、あまり見たくない。
デクはかっちゃんと違い、努力でを追い着いたりしています。
二代目の"個性"も解錠して戦えばそりゃあ無双するだろうし圧勝するのはもう明白ですし、感想で散々言われましたがそれは執筆の段階で既に理解しています。
けどあのかっちゃんがデクに手も足も出ずに負ける展開を想像はできるかもしれませんが、私個人としてはちょっと好きじゃないんです。
てか私あまり無双系とかザ・最強ってのは好まないんですよどうしても。
だからこそわかっていてこういった展開にしました。

二つ、この展開は執筆始めた段階から既に決まっていた。
今作を作るに至って、体育祭の決勝戦はほぼ構造が決まっていたんです。
歴代全部解錠してのデクVSかっちゃんが書きたいという完全自己満のを書きたいと言うのは、執筆始めた段階で決まっていて、体育祭に入ったあたりで別でもう書いていたんです。
んで二代目の発動の所まで行っちゃったからもう歯止めが聞かなかったんです。まぁここまで言って全部本当に醜い言い訳ですね本当に。

三つ、原作のデクVSかっちゃん2は難しいかもしれない。
原作では仮免で落ちたかっちゃんがデクのこととか神野のこととかでデクとぶつかり合う場面がありますよね。
でも今回だとそういうのがちょっと難しいかもしれないと思ったんです。
何せ借り物の力と言う伏線を晴れていないわけですから。
だからこそここでかっちゃんには「自分のあらゆる弱さ」に気づいてもらい、幼馴染とは何が違うのかを見るなどと言った機会を与えたかったんです。
嫌ちょっと待てと述べる人もいるでしょうてか絶対いる。
一番の理由としてはかっちゃんは闇落ちさせたくないしさせないという気持ちです。

四つ、無意識化での威力セーブ。
死柄木戦の時はAFO打倒でもあるため人体破壊レベルまでの火力を出せるのは、生死を掛けた戦いでもあるからなのとその時までの出久の成長もあります。
確かに今の出久は皆より先に行って成長が凄まじいですが、だからって完全無敵無双状態ってわけではありません。
なにより『OFA』と歴代の力を使えば、他の皆の"個性"もそうですが、簡単に人を殺せてしまうレベルです。
なので、100%とか120%と言っていますが、それでも無意識化で殺さないようセーブを掛けているようにしています。
ここら辺はこちらの説明不足なので完全100%私の失態です、誠に申し訳ありません。
だってオールマイトの加減していたとしても攻撃を受けてまだ戦ったんですよ。ラストには心臓爆破して復活後にAFOと戦ったり出久の所まで行ったんですよ?よ??
え?それは最終決戦時のかっちゃんでもあるぞって?もうそこまで気にしたららちが明かないです。許してください。


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