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J/53  作者: 池金啓太
十八話「雪の見えるその場所で」

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下世話な話

「まぁ、あいつ外見はいいしな、そうなるのも普通のことじゃないのか?」


「・・・そうか?今まで全然意識してなかったんだぞ?」


「男子三日会わざれば刮目してみよじゃないけど、女子だって同じようなもんだろ?っていうかお前の場合は見る角度を変えただけのことだと思うけどな」


角度?と陽太は首をかしげている、恐らく陽太は今まで鏡花に対してどのように接してきたかを自分でもほとんど理解していないだろう


どのように接してきたか、それはいうなれば、特に何も変えていなかったというのが正確だろう


陽太は単純にして不器用だ、人によって態度や対応を変えるようなことができるはずもなく今まで鏡花に対して自分の友人の女子として接してきた


それは明利や雪奈に対してする対応に限りなく近い物であり、無意識のうちに鏡花もそれに近しい存在に置いていたと表現してもいい


簡単に言えば、自分の幼馴染や姉弟のそれに近い、異性として意識しない女子としてみていたということである


ほぼ毎日一緒に過ごし、自分の言いたいことが自由に言えて、なおかつ自分にも気を遣わない、今まで自分の近くにいた幼馴染と近しい関係を感じ取っていたのが最大の原因ともいえるかもしれない


だが陽太は先程の数分間の間で、今まで自分の周りにいた女性と、鏡花の違うところに気付いたか、あるいは見たのかもしれない


鏡花は本当に陽太のプロフェッショナルになってるかもしれないなと感心しながら内心にやついていた


「ちなみにあいつのどこに見とれてたんだ?参考までに」


「ん・・・全体的にだけど・・・腰回りかな」


「・・・ほう・・・」


てっきり胸と言うかと思ったのだが、静希の予想は外れ陽太が視線を向けていたのは腹より下の部分だったようだ


好みはそれこそ人それぞれだ、そしてその好みも歳を重ねるにつれて変わるのが人と言うもの、昔は体の凹凸に惹かれていたのに随分と嗜好が変化したものだと静希は内心少しだけ感心していた


「そういうお前はどうなんだよ、明利と雪さん二人同時だろ?」


「あ?二人ともそれぞれ良いところあるしな・・・明利は背中と太もも、雪姉は首筋と腋かな・・・」


二人のあられもない姿を思い返しながら静希はそれぞれの良いところ、というかそそられる部位を挙げていく


未だ経験のない陽太としてはその部位の良さは分からなかったのか首をかしげているが陽太の好みも大概である


「でもあれだな・・・ちょっと顔合わせづらいかも・・・」


「なんで?別に叩かれるわけでもないだろ?」


「そうだけどさ・・・こっちだけ一方的に裸見てんだぜ?なんかこう・・・」


陽太は自分の言いたいことを言葉にできずもどかしそうにしていたが、静希は何とはなしに伝えたいであろうことを理解していた


それは以前鏡花が抱えていたようなジレンマに近い、惹かれる部分があるのに、なぜか近づけない、気恥ずかしさからくる葛藤とでもいえばいいのか、陽太がこんなことを考えるようになるとは思わなかっただけに静希は少し、いやかなり驚いていた


これは陽太の姉である実月にも近々報告しなければならないかもしれないなと思い返しながら唸り始める


なにせこのことを鏡花に伝えても陽太が自分で答えを出さない限り解決には至らないのだ、考えることが極端に苦手なこの幼馴染をどうやって答えまで導けばいいのか、静希は頭をひねっていた


何せ陽太は恋愛経験などほとんど皆無、かくいう静希も誰かに対して恥ずかしくなったりしたことはほとんどないためこういう時にどのようにアドバイスすればいいのかはっきり言ってまったくわからない


とりあえず陽太は鏡花の裸を見てしまったせいで少し気まずさを感じているということは理解した、それを解消したうえで鏡花と陽太の恋を応援するにはどうすればよいか


難題だ


静希は全力で頭をひねるのだが、どうしても陽太が鏡花に対してまともな好意を向けられる構図が想像できないのだ


今までこのバカを指導していた鏡花は本当に恐ろしい逸材だと実感しながら今度は静希が鏡花に力を貸すべく案を練るのだが、一向にいい案が出てこなかった


「あ・・・そっか、単純な事じゃん」


「ん?なんか思いついたのか?」


陽太の思い付きは普段は全く役に立たないことが多いが、極稀に非常に役立つ考えを出すことがある、実月の弟としての血が上手いこと発動してくれればよいのだが


「いやさ、俺があいつの裸を見て気まずいっていうんならさ、あいつにも同じ状態になってもらえばいいんじゃね?」


「・・・ん?・・・んん?」


陽太の言っていることが一瞬理解できずに、その言葉一つ一つを記憶して頭の中で解析すると、静希の頬から湯のせいではない、冷えた汗が流れるのを感じ取る


「・・・ひょっとしてあれか?向こうが裸見せてきたんだからこっちも裸見せてお相子にしてやりゃいいんじゃないかってことか?」


「そうそうそういう事、お互い気まずいけどどっちもどっち作戦!」


いい笑顔でサムズアップしている陽太、実月の弟としての血の発動を期待したが、今回はどうやら駄目だったようだ


とりあえず女性の裸と男性の裸の価値の違いについて解説したほうがいいかもと思いながら、全裸を見せつける行動だけは止めないといけないなと静希は誓った


所要にて予約投稿中


反応が遅れるかもしれませんがご容赦ください


これからもお楽しみいただければ幸いです

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