進む事態
一方、静希との戦闘を終えこれからの方針を話した鏡花たちは一度報告するために城島の下へと向かった
城島はすでに証言者である赤城元也の調査を終えているらしく署内で書類作成を行っている最中だった
「以上が報告になります」
「・・・そうか、少しはいい方向に進んでいるとみていいようだな」
鏡花たちの報告を受けて城島は僅かに頬を緩める、少なくとも今回のことが静希の犯行である可能性は限りなくゼロになったのだ、気が緩むのも仕方ないものだろう
変わっているのは一つ、署内の鏡花たちの立ち位置だ
全力で戦闘し、負傷してなお取り逃がしたということで鏡花たちは明らかな静希の敵として周りには認識されているようだった
これが鏡花が陽太をたきつけた理由でもある
鏡花たちは警察に協力するという立場でありながら非常に中途半端な位置だった
なにせ今捕まえようとしているのはかつての仲間、疑われないのは無理と言うものである
だが今鏡花たちは陽太の全力の戦闘によってそれなりに信用を得始めている
それほどあの公園の戦闘跡は凄惨なものだったのだ
幸いにして雨のおかげでそれほど炎による被害はなかったものの、爆発などの被害は相当なもので鏡花と明利による公園の修復にはそれなりに時間がかかったのは言うまでもない
「ところで、先生の方はどうでしたか?」
「・・・今のところ赤城元也の背後関係に不審なところはない・・・先の話を聞く限りその和田に話を聞くのが先決になりそうだな」
「えぇ、そっちの準備をこれからする予定です」
鏡花の言葉に城島はそうかと呟いた後で椅子の背もたれに自分の体重を預ける
「響、お前から見て五十嵐の状態はどうだった?」
「・・・どうって・・・血色はよさそうでした、少なくともちゃんと飯は食ってるっぽいっす、目のくまもなかったし、ちゃんと寝たんだと思います」
「・・・そうか、ならいい」
城島は城島なりに静希を心配しているのだろう、無理もない、なにせ静希は一人で行動しているようなものなのだ
もっとも、彼には頼ることのできる大人が数人いることは城島達は知らない
「そうだ、先生に一つお願いがあるんです」
「お願い・・・か、珍しいな、言ってみろ」
鏡花は城島に近づいて耳打ちすると、彼女の顔はわずかに険しくなる、あまり良い話ではないのか眉間にしわを寄せて額に手を当ててしまった
「・・・その考え・・・お前のものじゃないだろう?」
「・・・はい」
その受け答えだけで城島は状況をほぼ正しく把握した
鏡花の言った頼みと言うものが彼女自身から寄せられたものではなく、今逃げている静希から寄せられたものであると、その内容から察知したのだ
なにせ内容がひどすぎる
下手すれば危険度がかなり増す上に立場も危うくなるような内容だ、よくもこんなことを思いつくものだと感心してしまうほどに
「わかった、こっちで何とかしておく・・・それで準備はいいとして、お前たちはセッティングをするだけか?」
「いいえ、こっちはこっちでやることやります・・・少なくとも静希の目的も見えましたから」
鏡花の言葉に城島は小さく息をついてわかった好きにしろと告げまた書類仕事に戻っていった
城島の許可が取れたのなら自分たちはすぐに動くだけだ
「陽太、一応確認しておくけど、静希の体調はどれくらい回復してると思う?」
「ん・・・俺の一発受けたからな・・・でもまぁ普通に動けるくらいには回復してるんじゃねえの?」
陽太の一発などと抽象的な表現をするが、彼の拳は一撃で岩を砕くことくらいは容易にできる、その一撃を体で受けたのだ、静希の体が後方に吹き飛んでいる状況でなければ腹部に穴が開いてもおかしくないほどの一撃を受けてまともに動けるというということを考えると、静希はどんどん人間離れしてしまっている気がしてならない
「まぁ体調管理くらいはしてるでしょうし・・・こっちはこっちでタイムスケジュール通りに動きましょうか・・・陽太、明利、そっちはそっちで説得お願いね」
「へいへい・・・」
「うん、任せて」
鏡花の言葉に陽太は明らかにやる気をなくし、明利は逆にやる気を出して返事をした
彼らに頼んだのはある人物の説得、というより協力要請だ
あの二人に頼んだ方が確実だということは鏡花も分かっているのだが、上手くいくかどうか、鏡花自身わかっていない
たぶん大丈夫だと思うのだが一抹の不安が拭えない、特に陽太が変なことを言わなければいいのだが
そして鏡花は自分の仕事をするべく近場の職員へと話しかける
「すいません、職員の和田刑事という方にお話を伺いたいのですが、電話番号か何か教えていただけませんか?」
職員は鏡花の言葉に少し迷いながらも近くのメモ帳に番号を書いて渡してくれた、仕事中でここにいないというのは把握済みだ、後は電話をかけて用件を伝えるだけ
「もしもし、喜吉学園の清水鏡花と申します・・・和田刑事でしょうか?」
「とりあえずこんなもんかな・・・」
今後のための準備を一通り終えた静希は小さくため息をついてエドの部屋のベッドに横たわる
「お疲れ様、随分と熱心にやっていたね」
静希がやっていたのは武器の整備と道具の調整だ、情報収集などができるのならやっていたところだが、連絡手段が乏しい今となっては実際に動くしかないためカエデと連絡を取ることも難しい、少し休んだら静希はエドと別行動してまずカエデのところに戻るつもりでいた
「陽太のせいでほとんど武器使っちゃったからな・・・残ってるのはこいつらと少しの釘だけだ」
エドからの誕生日プレゼントでもらった拳銃をトランプの中にしまいながら静希は大きく落胆して見せる
それほど陽太との戦闘は骨が折れたのだ、今まで準備して溜め込んだ武装はほとんど陽太一人に消費したと言っても過言ではない、もともと持っている戦闘能力に違いがありすぎるとはいえもう少し消費を抑えておくべきだったかと反省してしまう
「一度戻るんだろう?今のうちに変装とかしておいた方がいいよ、途中まではまたバイクで送ってあげるよ」
「あぁ、頼むよ、くれぐれも無茶はしないようにな」
任せておきなよとエドは笑いながら彼自身に任せた行動の確認と情報収集に勤しみ始めた
すでに夕方、あたりはだいぶ暗くなっていてこれからの行動は少し楽にできるだろう、最も昼間に派手に暴れてしまったために少し警察が多いかもしれないが、そこはうまくごまかすしかない
変装を終えた静希はひとまずカエデの下に戻るためにエドモンドに近場まで送ってもらいひとまず別れることにした
店の中に入ると一瞬カエデがこちらを見た後で安心したような笑みを浮かべて見せる
何度見ても面食らってしまう様相をしているなと静希は一瞬ひきつった笑みを浮かべてしまう
「あら、随分と素敵な格好してるじゃない?パーティーにでも行くつもりかしら?」
「ははは、そんなに簡単に見破られちゃうんじゃ自信無くなっちゃいますよ」
先日とはまた違う変装をしているというのにカエデは一発で見抜いたようだった
いや、どちらかというと変装しているということに気づいたと言ったほうが正しいかもしれない、考えても見れば喫茶店に変装して入ってくるような人間は限られている
「予定より少し早いかしら?何か進展あったの?」
「えぇ、ちょっといろいろと、夜に決行します、それまではちょっと休憩って感じです・・・途中同級生の奴と戦闘しましたけど」
「あぁ・・・テレビでもやってたわよ?ずいぶん派手にやったわね」
今もやってるかしらとカエデがテレビのチャンネルを変えてニュースにするとちょうど公園の一部が映されていた、すでに完全に元通りと言ってもいいほどに修繕されているが、写真や映像で破壊されたときのものが表示されている
恐らくあれを直したのは鏡花や明利だろうなと思いながら静希はひとまず紅茶とホットケーキを注文することにした
「そうそう、実月ちゃんから連絡があったわ、先の情報はしっかりと受け取った、有事の際は任せなさいだって」
「そうですか、よかった・・・後は今日ですね・・・こっからが正念場かな」
今回相手にするのは警察だ、静希は一市民であるために警察はできる限り敵に回したくない、マークされるようなことは極力避けたいのだ
こんな事態になってしまっている時点で今さらな話だが、これ以上注目されるのは避けたいところである
「あとこれ、もし今日話を聞きに行くなら使いなさい」
カエデが静希に手渡したのは頭部全体が隠れるようになったフルフェイスの仮面だった
ヘルメットほど分厚くなく、ただ単に顔を隠すためだけのもののようで黒を基調にした軽いものになっている
「うわ、いいんですか?」
「サイズは期待しないで、まぁ入るでしょうけど、口のところに変声機着けておいたから後で微調整してね」
実際につけてみてしゃべってみると、外に出る音声は静希のものではない第三者のものになっているようだった、強い違和感が残るがこれは非常にありがたい
警察を相手取るにあたって少しの証拠も残したくない、万全を期すにはちょうどいい装備がそろってきた
「そういえばあの女の子は?今日は一緒じゃないのね」
カエデの言葉に静希は視線をそらしながら少し悩んでしまう
オルビアのことを話すべきか、そもそもどう説明すればいいのか
もしここでオルビアを出せばすぐに静希の能力も、オルビアの存在についても露見してしまう可能性がある
だがここまでよくしてもらっているのに秘密を作るというのも心苦しい
「あー・・・えっと・・・一緒にいるんですけど・・・なんて言うか・・・」
「・・・あぁ訳アリ?話したくないなら大丈夫よ?プライバシーに首を突っ込むほど野暮じゃないわ」
カエデの言葉に申し訳なくなりながら静希は頭を小さく下げる
全部片付いたら、一度ちゃんと話をしに来るべきだろうと固く誓いながら静希は紅茶を飲み干す
勝負は今日の夜中、決行は二十二時
その日、東京のとある場所に和田は呼び出されていた
今回の事件の協力を要請された高校生が話を聞きたいと言ってきたのだ
事件担当であるために夜中遅くまで行動している彼からしたら、少ない休憩時間を彼らを利用して広げようというつもりで夜中の会合を快諾した
場所は警察署の屋上、人は自分たち以外誰もいない、周りは完全な夜ということもあって建物と街灯以外の光はなく、屋上も数か所の明かりがあることを除けば完全な暗闇になってしまっている
「すいません、こんな夜遅くに」
「いやいや構わないよ、こっちも近頃休みなかったからさ」
話をするだけで夜間の見回りをしなくてもいいことを考えればありがたい話で、和田は煙草に火をつけようとポケットからライターを探す仕草をする
すると一人の男子生徒、陽太が指先を煙草に向けるとその指から炎を出して見せた
能力と言うものを間近で見るのは初めてだった和田は一瞬手品か何かと思ってしまったくらいだ
「おぉ、かっこいいね、君将来有望そうだ」
「どうも、んで話聞いて良いっすか?」
どうぞと和田は屋上の柵に背を預けながら紫煙を口から空中へと吐き散らした
「まず、目撃者赤城元也への証言についてです、あの証言に間違いはないんですね?」
「あぁ勿論だ、五十嵐静希を見たの一点張りでね、こっちも困ってるんだよ」
ポニーテールの女子、鏡花の質問に対しての和田の言葉に、全員が一瞬眉をひそめる
だが鏡花たちを直視しようとしない和田はそのことに気づけなかった
「じゃあもう一つ、最近署内で変わったことはありませんでしたか?誰か偉い人が来たとか」
「んん、特にないな、うちの署長がやたらと外線繋いでるくらいかね」
和田の言葉に鏡花は一瞬思考してありがとうございますと告げる
「あれ?もういいの?もうちょっとしゃべっててもいいんだけど?」
暗にもう少し話して休んでいたいんだということを態度で示すと鏡花はわずかに笑う
「じゃあ私たちは屋上から出ておきます、あと一時間は和田さんから話を聞いてたってことにしておきますよ」
「気が利くね・・・んじゃもう少しおしゃべりしてるよ」
鏡花たちが屋上から出て行ったのを確認すると和田は柵の向こう側を見るような体勢になり大きく紫煙を吐く
自分が行ったことの意味は十分理解している、彼らについた嘘の意味も十分分かっている
理解したうえでこうしているのだ、だからこそこうして紫煙を吐いていても何ら罪悪感は沸いてこなかった
二本目の煙草に火をつけようと体を起こした瞬間、一瞬布が翻るような音が聞こえてきたかと思うと和田は何者かに首を絞められ片腕の関節を極められていた
「動くな・・・無駄な抵抗はやめろ」
機械的な声が聞こえてきたかと思うと腕と首にかかる力が強くなり、和田の意識を寸断させようとしてくる
一体何が起こっているのかもわからずもがくが、まったくびくともしなかった
大声をあげて助けを呼ぼうとするも、息を吸った瞬間に首が強く絞められるせいで声が出せない、足掻きもすべて徒労に終わる中、自分の首を絞めている誰かが声を出す
「質問に答えればこれ以上手荒なことはしない、質問に答える意思があるなら暴れるのをやめて二回咳き込め」
このままでは殺されるかもしれない、和田は今の状況を理解するよりも早く自らの保身へと走り力を込めるのをやめて二回咳き込んで見せた
「よし、では質問する、赤城元也のあの証言、五十嵐静希を見たという証言、あれは真実か?」
「・・・ほ・・・ほん」
「ちなみに赤城元也本人から、お前に証言を強要されたということを知らされている・・・嘘は通じないぞ?」
本当だと答えようとした瞬間に先回りされ、和田は歯を食いしばる
今の状況がなぜこうなっているのかもわからないというのに、なぜこの人物は突然何もない誰もいなかったはずの屋上に現れ、こんなことを聞いてくるのか
「お前自身がこの証言をさせたのか?それとも誰かに指示されたか?」
「・・・うぅ・・・」
「お前に危害を加えることはしない、お前の不利になるようなことはない・・・質問に答えろ」
無機質に響く言葉に和田は正常な思考が失われていくのを感じていた、まず自分の保身をしなければまずい、命の危機なのに他のものを守ろうとする意味などない
和田は歯を食いしばりながら必死に息を吸い込んだ
「しょ・・・署長に指示された・・・五十嵐静希を見たと、言わせるように・・・言わせないと・・・俺がやった不正の証拠を公表すると・・・!」
「署長とは・・・この建物・・・この警察署の署長か」
「そうだ・・・橋本署長だよ・・・!あのタヌキが指示してきた・・・!」
「・・・嘘はないな?」
無機質な質問に対して頷くと、和田はすぐさま解放され、その場に倒れこんでしまう
何度も咳き込んで荒く息をつきながら周囲を見渡すと、すでに辺りには誰もいなかった
先程まで自分は首を絞められていたというのに、今はもう誰もいない、静寂が屋上を包んでいる
一体何がどうなっているのかと思いながら、和田は今のことを報告するべく屋上から署内に走って行った
静希が鏡花たちに指示したことの一つは至ってシンプルだった
今までの工程を記した紙に付け加えたのはたった数行、捜査本部のある警察署の屋上に指定の時間に和田をおびき出すこと
邪薙とフィアの協力により屋上のさらに上空で待機していた静希は鏡花たちが屋上から去っていき、和田が一人きりになるのを見計らって急襲、拘束して尋問するだけだ
左腕で掴んでしまえばいくら対人格闘を習った人間でも逃れることはできない、この左腕は今のところかなり有用に働いていた
先の会話もすべて録音し、怪しまれないように細心の注意を払いながら移動を重ねカエデの下へと戻ると静希は大きく息をついた
「おかえりなさい、収穫あったみたいね」
「一応・・・それなりのものが・・・っていうかなんかたらいまわしにされてる気分ですよ・・・」
紅茶を出してくれるカエデに苦笑しながら静希は先程の音声データが入った録音機を手渡す、再び実月の下へデータを送ってもらうためでもある
原本のデータは静希に預けられ、コピーが実月の下へ送られたのを見届けると静希はひとまず紅茶を口に含んでからゆっくり飲み込む
先程の和田の発言が正しいなら、彼に静希の件を指示したのは捜査本部の置かれている警察署の署長とのことだ
刑事が何らかの工作をした時点でそれよりも上の人間を疑うのは当然、静希の予想は当たらずとも遠からずであり、事前に頼んでおいたこともそれなりに功を奏したことになる
「このデータがあれば少なくともあなたの無実は証明されるんじゃない?これだけで十分すぎるくらい情報は集まってるけど・・・」
静希が犯人であるという証拠は今のところ毛髪と証言のみ、片方の証言が崩れた今、もう片方の毛髪の問題を解決してしまえば静希の無罪は証明される
しかもその毛髪も出所がほぼわかってしまっているのだから笑えない、これが国家機関である警察の捜査だとは思えないほどにずさんだ
「これだけでも十分でしょうけど・・・もう少し手を打っておきたいんですよね・・・てか上手くいけば明日にでも片付きます」
「あら、じゃあ今日が最後の夜になっちゃうの?寂しくなるわね」
心にもない言葉に静希は乾いた笑いを浮かべてしまう、なにせカエデの瞳は少しだけ静希を狙っているようにも見えたからだ、静希にはそっちのけはないので全力でお断りさせていただきたいところである
「カエデさん、今回は本当にお世話になりました・・・今度日を改めてお礼に覗います」
「ふふん、それを言うのは少し早いんじゃないの?最後まで気を抜かないのがいい能力者の最低条件よ?しっかり解決したらもう一度いらっしゃい、たっぷりサービスしてあげるから」
最後まで気を抜かない、その言葉は静希に深く突き刺さる
油断すれば一転すべてが無くなりかねないのだ、カエデの言う通り最後まで気を抜いてはいけないのだろう、さすがに年上の能力者は積み重ねた経験に差があるだけあって言葉に重みがある
これでカエデが女装していなければもっと素直に受け止められたのにと、非常に悔やまれつつも静希は明日の予定を立てていた
エドに頼んだことも確認しなくてはいけない以上、今日はこれ以上活動はできない、鏡花たちに頼んだもう一つのことも、エドに頼んだこともまだ時間がかかるだろう、今は耐え忍ぶ時間だ
体を休め、明日に向けて英気を養うべきである
なにせ今日は全力で陽太と戦闘した、訓練以外で本気で戦ったのは実に久しぶりだったかもしれない、いつの間にあんなに強くなったのか、静希も少し、いやかなり驚いた
鏡花の訓練がそれだけ実を結んでいるという事でもある、年内には恐らく先に作った槍と同じ時間で以前門を破壊したのと同じ大きさのものが作れるかもしれない
陽太はどんどん先に進んでいる、鏡花の指導でどんどん強くなっている
今のままでは置いていかれるかもしれないなと思いながら静希は椅子の背に体重を預けて大きく息を吐く
ダメージはほとんど回復した、残っているのは疲労だけだ
戦闘をこなした上にほぼ一日中周囲を警戒しながら歩き続けたのだ、精神的にも肉体的にも疲れは溜まっている、緊張状態を持続するというのは予想以上に疲れるということを学んだ静希は体に残る倦怠感に蝕まれながら額に手を当てた
『お疲れみたいね、そんなんで明日大丈夫なの?』
『なるようになるだろ、少なくとも俺の読みじゃ明日戦闘はない・・・あるのは移動と・・・あと詰めだけだな・・・』
『今日は早めに体を休めたほうが良いのではないか?さすがに連日あの調子では・・・』
『邪薙の言う通りです、マスター、本日はもうお休みになられた方が良いかと・・・』
人外たちに心配されるほど目に見えて疲労が溜まっているのだろうか、静希はゆっくりと体を起こすとこちらを見ていたカエデに視線を向ける
「すいません・・・今日はもう休ませてもらいます・・・」
「そう、明日きっちり決めるためにもしっかり休みなさい」
カエデに頼んでリビングに布団を敷いてもらい、静希は泥のように眠りはてた
不思議なもので布団に入るとわずかに目がさえ、そして数分まどろんだのちに睡魔が一気に襲ってくる、体が休む状態であると察知したのだろう、どうやら限界が近づいていたようで静希はそのまま布団の中で熟睡する
人外たちはその様子を見ながら僅かに微笑み彼の周囲を警戒し続けていた
個人的に嬉しいことがあったので、今日は投稿数を増やします
意見として十回分あると狂喜乱舞するという事らしいので、参考にしまして
倍プッシュだ
というわけで二十回分投稿しようと思います、もしかしたら数を間違えてしまうかもしれませんがお許しください
四回分まとめて、五回に分けて投稿する予定ですのでご了承ください
これからもお楽しみいただければ幸いです