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Conversation

日本の伝統と思われがちだが、実は明治時代以降たかだか150年ほどのものは案外多い。 これらは歴史学者が「発明された伝統」(invented tradition)と呼ぶもので、近代国家形成や西洋化の過程で意図的に創出・普及された。 「働かざる者食うべからず」や「勤勉な日本人」のような、キリスト教影響を受けた労働観以外にも、以下のような例がある。 [初詣] 江戸時代に大晦日の除夜詣りや元旦の年始詣りはあったが、現在の「初詣」として全国的に定着したのは明治時代以降。鉄道会社の宣伝キャンペーンが大きく寄与し、国民的な行事に発展した。 [除夜の鐘] 鐘を撞く習慣自体は中国由来で鎌倉時代頃に伝わり、江戸時代には一部の寺で大晦日に行われていたが、「全国的に108回撞いて年越しを共有する」今のイメージは意外と新しく、1927年(昭和2年)のNHKラジオ中継(寛永寺から)がきっかけで爆発的に広まった。 それ以前は地域限定で、明治の廃仏毀釈などで一度衰退した後、ラジオ・テレビのメディアが「国民的行事」として再構築した側面が強い。108回の煩悩払いは古い解釈だが、深夜0時跨ぎの統一されたスタイルは近代的。 [太陽暦(グレゴリオ暦)] 江戸時代まで日本は太陰太陽暦(旧暦)を使っていたが、明治5年(1872年)の改暦で突然グレゴリオ暦に移行した。これにより、正月が旧暦の1月(今でいう1〜2月頃)から1月1日に固定され、現代の「お正月」のタイミングが決まった。 [国家神道] 古代から神道は存在したが、明治維新で天皇中心の国家宗教として体系化され、「古来の伝統」として再構築された。神仏分離政策もこれを後押し。 [天皇制の儀式化] 古代天皇はいたが、明治憲法で神聖不可侵の象徴として再定義され、現代の即位式や宮中行事の多くがこの時期に発明された。 [七五三] ルーツは江戸時代の子どもの成長祝いにあるが、明治政府が国民文化として演出・普及させたもので、全国的な伝統として定着したのは明治以降。 [夫婦同姓] 江戸時代までは夫婦別姓が一般的だったが、明治民法で同姓が義務化され、「日本の伝統」として定着。実際は近代法の産物。
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syounan.tansuke
@STansuke
初詣も「日本の伝統」じゃない 実は、鉄道会社がつくり上げたものだった 恵方巻、クリスマス、バレンタイン... とかく商業ベースにまんまと乗せられ易い日本人ですが、初詣も、鉄道業界の策略で最近始まった風習です。 x.com/STansuke/statu…
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