本学三浦俊彦教授によるトランスジェンダー・レズビアンに関するオンライン記事【#木綿の天井】についてのTOPIA声明

東京大学大学院人文社会系研究科教授である三浦俊彦氏による2019年5月14日に『TOCANA』に掲載された記事『【#木綿の天井】「レズビアンたるもの、相手にペニスあっても女だと思ってヤレ」世界で広がる狂ったLGBT議論を東大教授が斬る!』(https://tocana.jp/2019/05/post_95219_entry.html)に対し、私たち東京大学セクシュアルマイノリティ支援サークルTOPIAは以下の通り抗議し、東京大学に対して必要な措置を求める。

本記事は、トランス女性が「不特定多数の女とやりたが」る「普通の男たち」であるとの認識を示すとともに、トランス女性の性自認を尊重することがレズビアンの性的自由と引き換えであるかのように主張している。これは異性愛・シスジェンダー中心主義的な偏見に基づいて、実態とかけ離れたトランス女性像を一般化し、トランスジェンダーやレズビアンに関するあまりに差別的でステレオタイプ的なカテゴライズを行うものである。また、これは意図的にトランス女性を男性として扱うこと(ミスジェンダリング)によってトランス女性の尊厳を傷つけるものである。加えて、セクシュアルマイノリティの社会的承認と性的同意の可否を混同させることは、マイノリティの承認を著しく差別的に否認する有害な議論であるのみならず、性暴力のないキャンパスを目指すという理念にも反している。

以上のように本記事は、構成員である学生の学習・研究環境を不当に損なうおそれのあるものである。私たちは、本記事が東京大学で学ぶ当事者学生の心身に与える影響を深く憂慮し、セクシュアルマイノリティの学生が安心して学ぶことのできるキャンパス環境や社会環境を根本から毀損しかねない記事が、本学教員によって執筆・公開されたことに対して、強く抗議する。

「東京大学セクシュアルハラスメント防止宣言」は、東京大学のすべての構成員に対し、「個々人の本質的平等と尊厳を深く認識」し「学術の教育・研究の場である大学にふさわしい環境づくりを目指」すことを要請している。この趣旨に鑑み、私たちは東京大学に対して、トランスジェンダー、レズビアンを含むすべてのセクシュアルマイノリティの学生が、東京大学において性的指向と性自認を尊重され、これらを理由として差別されないことを確認し、あらゆる学生が安心して学ぶことができるキャンパス環境を保障するために、必要な措置をとることを求める。