元日・国立単独開催の集客を考える。皇后杯決勝:INAC神戸レオネッサ1-2サンフレッチェ広島レジーナ
2026年最初の取材は、皇后杯 JFA 第47回全日本女子サッカー選手権大会決勝(以下、皇后杯)。今大会は1月1日の元日に、MUFGスタジアム(国立競技場)で開催された。
女子サッカーの頂点を決する、皇后杯の決勝が元日に行われるのは2018年大会以来、実に7年ぶり。国立での開催は過去にもあったが(後述)、皇后杯単独での開催は今回が初めてとなる。
晴れがましい決勝の舞台に経ったのは、INAC神戸レオネッサとサンフレッチェ広島レジーナ。神戸の8回目の優勝か、それとも広島の初優勝か。結果もさることながら、西日本勢同士の顔合わせにどれだけの観客が集まるかも気になるところ。まずは写真と共に、試合を振り返りたい。
かくして、第47回皇后杯は、サンフレッチェ広島レジーナの初優勝で幕を閉じることとなった。そして、気になる公式入場者数は1万6527人。歴代4番目となったものの、2万人には及ばなかった。
これまでの皇后杯(2011年までは全日本女子サッカー選手権大会)で、最も多くの観客を集めたのは、2011年大会(INAC神戸レオネッサvsアルビレックス新潟レディース)で2万977人。2012年元日での開催だったが、前年の女子ワールドカップでの「なでしこフィーバー」が大きく影響していた。
ここで注目したいのが、2004年大会から11年大会まで、女子の頂点を決める大会が「元日・国立」で開催されていたこと。しかもこの8大会は、天皇杯決勝とセットで開催されており、キックオフは10時から10時30分という時間帯で設定されていた。
いくら元日とはいえ、10時台でのキックオフというのは、選手ファーストとも観客ファーストとも言い難い。それでも、このレギュレーションが8大会も続いた一番の理由は、やはり集客。それ以前では、1641人(2003年)や1389人(2002年)など、4桁の入場者数が常態化していた。
それが天皇杯と同日に開催されたことで、当時の全日本女子サッカー選手権大会は毎年5桁の集客が可能となった。ところが皇后杯と大会名を改め、天皇杯から切り離されて以降は、再び4桁の入場者数に逆戻りしてしまう。
皇后杯となってからの過去13大会で、入場者数が1万人を超えたのはわずかに2回。2015年大会(2万379人)は澤穂希のラストマッチであり、2019年大会(1万12人)は日テレ・ベレーザvs浦和レッズレディースという人気カードだった。
そして今大会。元日・国立での開催で、しかも自由席を無料としたのに、2万人を超えとはならなかった。思えば昨年11月22日、同じ国立で開催された天皇杯決勝(FC町田ゼルビアvsヴィッセル神戸)の入場者数も、コロナ禍が直撃した2020年大会を除けば、直近10年で最も少ない3万1414人。天皇杯につづいて皇后杯でも、JFAは集客で苦戦したことになる
次回の天皇杯については、すでに決勝を2027年元日に開催することが決定。そして宮本恒靖JFA会長は、同日に皇后杯決勝を開催することについても「トライしたい」とのコメントを残している。おそらく今後は、その方向で進んでいくことだろう。
男女のカップ戦決勝が元日の国立で開催されたのは、2011年大会が最後。当時との一番の違いは、女子サッカーがアマチュアからプロとなったことである。しかし現状のWEリーグが、プロの興行として成立しているかといえば、まだまだおぼつかないのが実情。JFA主催のカップ戦であれば、なおさらである。
もしも15大会ぶりに、皇后杯と天皇杯が元日・国立で開催されるとなったなら、私はその決定を喜んで受け入れたい。プロとしての興行を考えるなら、割り切れない思いを抱く層も一定数いることだろう。それでもまず優先すべきは、お客さんに会場まで足を運んでもらうこと。そこを起点として、次の施策を考えたいところだ。
<この稿、了。写真はすべて筆者撮影>