国宝「縄文の女神」の山形県立博物館に移転計画 34年度にも開館

斎藤徹
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 山形市の霞城公園(山形城跡)内にある山形県立博物館が移転整備されることになり、新博物館の役割や機能について議論が進んでいる。県は最速で2034年度のオープンをめざし、年度内に候補地を決める計画だ。

 今の博物館は米沢市出身の建築家・山下寿郎(としろう)の設計事務所が設計し、延べ床面積4230平方メートルで1971年に開館した。

 国宝の「縄文の女神」(西ノ前遺跡出土土偶)や、中新世の海生哺乳類「ヤマガタダイカイギュウ」の全身骨格模型が、代表的な所蔵品だ。

 ただ、開館から50年以上が経ち、施設は老朽化が進んだ。資料も増え、約30万点を収蔵するには手狭になってきた。

 さらに、市が山形城跡の保存管理計画を進めるにあたり、県に移転を要請。このため、4年前から有識者や専門家の意見を聞き、県外の先進的な美術館・博物館を調査してきた。

 24年6月には、新博物館の基本構想検討委員会が発足。博物館に求められることや、山形らしい整備のあり方などについて協議を重ねてきた。昨年12月の5回目の会合で、基本構想案を固めた。

 案では、新博物館の基本理念に「未来をつくる」「地域とともに歩む」「世界へひらく」を掲げた。試算によると、収蔵・研究機能を分ける場合は今の約3.4倍、一体型でも約3倍の延べ床面積が必要という。

 立地条件には、国内外から訪れやすい▽周辺施設や観光拠点と連携できる▽十分な敷地面積が確保できる▽現在使われていない公有地の活用など用地取得費を抑えられる――を挙げた。

 1月からパブリックコメントで広く意見を募り、3月中に建設候補地を決める。新年度から基本計画作成にとりかかる。民間資金を活用するPFI手法も検討する。最短で34年度の開館をめざすとしている。

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この記事を書いた人
斎藤徹
山形総局|総局キャップ・県政担当
専門・関心分野
人口が減っても持続可能な地域づくり