俺が執行官……ってコト!?   作:爆死san

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好きな食べ物……


基本的に選り好みはしないけども、強いて言うなら甘いものかな。甘ければ甘いほど良いね。


糖分、やはり糖分は全てを解決する

 

 

 ……俺はどうしてこんな所まで来てしまったんだろう。

 

 サンドローネによって連行された一室。そこはスネージナヤパレスの一画ではなく、もはや人外魔境の別世界だった。

 

「おっ、ようやく来たね! 式典では挨拶できなかったけど、俺は『公子(タルタリヤ)』だ。よろしく頼むよ!」

 

 人懐っこい笑みを浮かべる快活なこの青年は第十一位。

 

「改めての自己紹介となる。私は第四位『召使(アルレッキーノ)』だ」

 

 向かいの席に座る、凛々しい女性は外交官も兼任している第四位。

 

「本日の式典の為に、お前には大きな負担を強いてしまったな。第一位『隊長(カピターノ)』だ」

 

 そして、実力で決まるファトゥスの序列の最上位である第一位。

 

「フン、私は第七位の『傀儡(サンドローネ)』。……ほら、コロンビーナ、貴女も自己紹介ぐらいしたらどうなの?」

 

「……第三位『少女(コロンビーナ)』」

 

 そして、隣り合わせの席に掛けた第七位と第三位。

 

 ……うん、この一室だけ別世界……或いはスネージナヤ事変が起きてない? 

 

 タルタリヤやサンドローネはおろか、俺よりも更に上位の面々が集まってるんですけど。

 

 というか、ファトゥスにおけるトップスリーの内の二人がこの場にいるんだけど……

 

「ど、どうも……先輩方、新しく第六位になりました『散兵(スカラマシュ)』です。何卒よろしくお願いします……』

 

 ど、どうだろうか……一応、失礼無いような自己紹介が出来ただろうか? 

 

 ところが、俺の自己紹介に対して、先輩方は特に何か言うことはなく、ただ沈黙が流れていた。

 

 ……ちょっと、黙るの辞めてくれよ。そんな洒落た事なんて言えないんだからさ。

 

 なんと情けないことか、早速、上位の面々もいるなかファトゥスデビューに失敗してしまった。

 

 もうやだ、お部屋に帰りたい……というか、結構真面目に寝たい。

 

「チッ……なんでこんなヤツが第六位なのよ」

 

「サンドローネ、確かに今のスカラマシュにファトゥスとしての威厳が欠けていることは認める。しかし、彼の戦功は勿論、その武勲は本物だ。それらも踏まえ、女皇陛下は彼に第六位という地位を授けた。それを分からぬ訳ではないだろう?」

 

「フン……」

 

 わーお……まさかのカピターノからお褒めの言葉を頂いたぞ? 

 

 いやはや、俺が彼の部下だったらきっと感激して泣いてるね。

 

 後、逆にサンドローネの部下だったら、ストレスで禿げ散らかしてるね。

 

「へぇ、そうなのか。なぁ今度、俺と手合わせしてくれよ」

 

「アハハ……機会があればね……」

 

 タルタリヤが戦闘狂だってのは噂で聞いてたけど……戦いってここまで目を輝かせるものか?

 

 俺? 無駄な戦いとかゴメンだね、殺るならさっさと殺ってお仕舞いにした方が良い。

 

「……フム、ところでスカラマシュ。君に問いたいことがあるのだが」

 

 俺の行動を注視していたアルレッキーノがおもむろに口を開いた。

 

「ん? 何かな?」

 

「先程から君はお茶に砂糖を入れているが、一体、幾つ入れるんだ? 私が見た限り、既に5つ以上入れてるようだが?」

 

「……8つくらい?」

 

「はぁ!? アンタねぇ、そんなのもはや、砂糖の味しかしないじゃない!!」

 

 サンドローネが怒り心頭という様子で立ち上がり、傍らのタルタリヤは爆笑していた。

 

「アッハハハ!! これは傑作だ! 良いね、君となら上手くやれる気がするよ!」

 

「ふざけんじゃないわよ! 折角、璃月から仕入れたのに台無しじゃない!」

 

「……まあ、茶の味わい方には各々の好みはあるものだが」

 

「……」

 

 ……あれ? 俺なんかやってしまいましたかね? 

 

 困惑した様子のアルレッキーノと頭を抑えたカピターノを見る限り、どうやら彼らの常識の範疇ではなかったようだ。

 

 でも、折角飲むんだったら、甘い方が良いと思うんだけどなぁ……

 

「……甘い」

 

「……ちょっとコロンビーナ。 なんで、貴女もアイツの真似をしてんのよ!?」

 

「でも、サンドローネ、甘くて美味しいよ?」

 

「それじゃ砂糖を飲んでるのと変わらないでしょ!!」

 

「アッハハハ!! こ、これ以上、笑わせないでくれ……アハハ! お、お腹が痛くなる……!」

 

 ……フム、第三位はこの甘さの良さが分かるのか? 

 

 これは布教に成功すれば、ファトゥスにおいて一大勢力を築けるのではなかろうか。

 

 まあ、総勢11人しかいない上に、一枠欠けてるんだけども。

 

「ああもう……! ちょっとスカラマシュ!」

 

 ビッとサンドローネのが俺を指差す。

 

「えっと……何でしょうかね?」

 

「フンッ……感謝なさい、この私が貴方にお茶の味わい方を一から叩き込んであげるわ」

 

 えぇ……全然結構なんだけども。

 

「いや、俺は別に──」

 

「プロンニア、こいつを摘まみ上げて」

 

「ぐえっ……」

 

 いや、またかよ……というか、先輩方もサンドローネを止めて欲しいんだけども? 

 

「……まあ、彼女の教えは何かと役に立つだろうね」

 

「今のお前には教養が必要だ。行ってくると良い」

 

 あっ、畜生。先輩方は止める気なんて更々無いじゃんか。

 

 そうして、先輩方の期待(?)の眼差しの下、再びサンドローネの後をプロンニアは追従したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「……フフッ、サンドローネ、面白い」

 

「コロンビーナ、それはサンドローネの前で言わない方が良い」

 

「うん……でも、あの人も面白いね」

 

「……そうか」

 

 

 





「散兵」について……


彼はとても面白い人だよ。サンドローネを怒らせる天才と言っても良いね! ただ、あの佇まい、そして戦闘になった時の殺気は……彼、とても強いよ。是非ともいつか本気で手合わせしてみたいね。
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