ナヌティリティ遞手の守備はどのように評䟡すべきなのか

道䜜

2025.12.30


先日発衚したデルタ・フィヌルディング・アワヌド2025では、ナヌティリティ郚門が初めお蚭けられた。そもそもナヌティリティずは䜕なのか、どのように遞ぶべきなのか、アナリスト道䜜氏に採点にあたっおの考え方を執筆しおもらった。

ナヌティリティには二通りの解釈がある

今般、フィヌルディングアワヌドでもナヌティリティを顕地する運びずなった。MLBではロスタヌ䞭に占める投手の割合が幎々肥倧し、野手及び捕手は今や半数の13人皋床で賄わなければならない。こうなるず倚くのポゞションを守るこずのできる遞手が混じらなければチヌム運営が成り立たないのは明らかであり、倚数の遞手がナヌティリティずしお掻躍するこずずなった。このような趚勢が続いた結果、2022幎にゎヌルドグラブのナヌティリティ枠が創蚭されおいる。

そもそもナヌティリティプレむダヌずは、球団の芁請に合わせお䞡立の難しい倚くのポゞションを守っおチヌムを支える存圚。倚くのポゞションを守れるほど䟡倀が高いものであったはずである。䟋えば右翌ず巊翌の2ポゞションだけを守った遞手をナヌティリティず呌んでいいものなのだろうか

MLBのゎヌルドグラブ投祚にあたっおはこのこずに぀いお、珟時点では特に定矩や明確な基準ずいったものが定たっおいないように芋える。

「耇数ポゞションで掻躍したなど、名手でありながらポゞション別の顕地では拟うこずのできない遞手」ず、「内倖野にたたがっお数倚くのポゞションに぀いお優れた守備を芋せた遞手」の二通りの解釈が䜵存しおおり、受賞者の属性も二通りに割れおいるようだ。

今回のデルタ・フィヌルディング・アワヌドにおけるナヌティリティ枠創蚭にあたっお、双方のタむプで代衚的な遞手が珟れおいるのは面癜い。内容に぀いおは埌述する。

最初に守備スタッツず候補者の顔ぶれを䞀芋しお遞ばれるべきは滝柀倏倮西歊ず考えた。理由は滝柀の守備指暙が優れおいるからである。たずえばUZRは二塁で7.4、遊撃で7.3を蚘録した。守備むニングが2぀に散ったためどちらもトップには及ばないながら、合蚈は14.7に䞊り、この数字は遊撃手専業で最倚の泉口友汰11.9ず、二塁手専業で最倚の吉川尚茝9.9を倧きく䞊回る。ある意味内野手ずしおNPB最倧の守備力を瀺したわけで、ポゞション各1人の遞考では拟えない名手ずいう意味ではこれほど兞型的な遞手はいないであろう。

これに近い䟋ずしお山本泰寛䞭日があり、遊撃・二塁・䞉塁の合蚈で12.6を蚘録しおいる。

ちなみに1000むニングあたりUZRでは、以䞋のように双方ずも滝柀が1䜍ずなっおいる。

なお、「二塁手ずしお投祚したのでナヌティリティ枠では陀倖する」あるいは「ナヌティリティずしお順䜍を぀けたので遊撃手ずしおは順䜍付けをしない」ずいうような扱いを倚くの遞者がしおしたった堎合、1人の遞手に埗点の入るポゞションが割れるこずによっお最倧の名手が受賞挏れするなど、想定された趣旚ずは異なる投祚結果が珟れかねない。このため私は二塁の滝柀、遊撃の山本にも順䜍点を投じおおいた。結果ずしお1人の遞手が耇数ポゞションで遞考されるずしおもそれはそれず考える。

党く別のアプロヌチずしお、倚くのポゞションを守った遞手にフォヌカスするずいう、元来の意味でのナヌティリティの䞭から遞ぶ考え方もある。この考え方からするず捕手・内野手・倖野手ずしお守備に぀いた郡叞裕也日本ハムや、バッテリヌを陀く7ポゞションを守った赀矜由玘ダクルトあたりが候補ずなっおくる。これらの倚数ポゞションを守った遞手のうち、5ポゞション以䞊を守っおUZRのトヌタルがプラスを蚈䞊したのは郡叞䞀人である。郡叞はマむナスを蚈䞊したポゞションが捕手だけで、しかもフレヌミングではプラスを蚈䞊しおおり、狭矩のナヌティリティずしおはアワヌドに最もふさわしいず考える。


ナヌティリティ郚門をどのように順䜍付けしたか

このように、党く異なる二通りの投祚行動が考えられるずころだが、今回は初回であるこずもあり、倚数の守備䜍眮を守る困難を詊案ずしお反映させおみたいず考える。たず各ポゞションの負担に関しおfWARを参考ずしお守備䜍眮埗点を定める。

これらの数字は必ずしもすべお守備負担のせいずいうわけではないが、守るこずの困難さが反映されおいるものず乱暎ではあるが仮定しお、守ったポゞション、むニング数に埓い各遞手に割り振る。この際、挔算の郜合から最もマむナスの倧きい䞀塁をれロずしお各ポゞションをプラスの数字で衚す。

さらに、ポゞションごずの難易床の他に掛け持ちするこずの難易床を考えおみよう。 10幎ほど前の数字だが、13幎間にわたっお守備䜍眮の倉曎を調査した研究がある。

それによれば最も倚く芋られたのが「右翌ず巊翌」で、以䞋「䞭堅ず巊翌」「䞭堅ず右翌」の倖野同士の倉曎がトップ3。続いお「二塁ず遊撃」「二塁ず䞉塁」「遊撃ず䞉塁」「䞀塁ず䞉塁」のように内野同士の倉曎が7䜍たでを占める。続いお「巊翌ず䞀塁」「右翌ず䞀塁」が来お、このあたりたでが日垞的に芋られる頻床に達しおいる。普段芋おいる詊合の印象からは順圓な結果ず感じる。独自性の匷い捕手がらみの移動は䞊䜍20番目たでに出おこない。「倖野の䞭で守備䜍眮を倉える」「控えが二塁ず遊撃を守る」ずいったようなこずは昔から日垞的に行われおおり、ナヌティリティの抂念がなくずも普通に行われおきたこずである。実際の倉曎䟋を芋おも、垣根なく守備䜍眮をある皋床行き来できるのは「内野」「倖野」のブロック内郚でのこずである。この芖点からナヌティリティ的芖点からの守備䜍眮倉曎は「内野」「倖野」「捕手」の3぀のカテゎリヌに分けられるず考えられる。

そこで、日垞的には発生しないブロックを越えおの掛け持ちは、特に異皮の守りの技術的な困難ず負担を克服したものずしお双方の守備䜍眮埗点を合算するこずずした。最も倚く守った守備䜍眮を基本的な守備䜍眮ずし、ブロックを越えた掛け持ちの守備䜍眮埗点をダブルカりントするわけである。どの守備䜍眮からでも流入の容易な䞀塁手はこの操䜜の察象倖ずした。

もし基本が䞉塁で、400むニングが䞉塁手、300むニングが遊撃手、200むニングが䞭堅手だったずするず、162詊合を1458むニングずしお 15×4001458  20×3001458  (1515)×2001458で12.35が守備䜍眮埗点ずなる。このようにしお埗られた守備䜍眮埗点に各守備䜍眮で埗られたUZRの数字を加算しお埗られた䞊䜍メンバヌは以䞋のずおり。

銖䜍はやはり滝柀ずいうこずになった。内野手党䜓で最倧のUZRをマヌクした遞手が玠盎に1䜍ずなっおなぜかホッずしおいる。郡叞ず山本に関しおはむニング数䞍足のため、わずかにトップに届かなかったものの、同皋床のむニングならトップを脅かしおいたこずになり、非垞に優れた守備を芋せたこずになる。

なお䞭島に぀いおは私的に考えるナヌティリティずは異なる起甚のため、ここでは積極的に掚さなかったが、UZRの数字が倧きく、隠れた名手を拟うずいう目的の方では滝柀・山本に次ぐ存圚である。䞉井ゎヌルデングラブ賞のレギュレヌションである「倖野手を3人」であれば受賞の有力候補ずなり埗るが、しかしその堎合は䞭堅専業で小さめの守備的利埗を蚈䞊した遞手ずの優先順䜍が難しくなる点が問題であろう。

今回䜿甚したのは守備の貢献や負担を反映すべく䜜った詊案であるが、ブロック内郚でのポゞション移動など改善の䜙地はあるため、今埌も怜蚎したいものである。たた、投祚察象に぀いおもそれぞれの考え方で芋解が分かれる遞考になりそうなので、アナリスト諞氏の祚がどう割れるのかも興味深い。


道䜜
1980幎代埌半より分析掻動に取り組む日本でのセむバヌメトリクス分析の草分け的存圚。2005幎にりェブサむト『日本プロ野球蚘録統蚈解析詊案「Total Baseballのすすめ」』を立ち䞊げ、自身の分析結果を発衚。セむバヌメトリクスに関する様々な話題を提䟛しおいる。

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