居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織   作:エドモンド橋本

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前から貴方が好き

 

 

 

 「神話に、か」

 

 「ダメですかね?」

 

 「いや、今まで神になると言った者はいたが、まさか神話とは、これは面白、ンン!素敵な夢だな」

 

 おい、この神様今面白いって言ったぞ。人の夢を面白いって言ったぞ。良いけど、変な夢だって分かってるけど。

 

 「しかし、神話か。良いな。私の力を使って支配した世界で君は神話になるのか。実に良い」

 

 「協力してくれるか?」

 

 「良いだろう。ただ、その前に君がこの世界の王になるなら、この世界の事を知って貰わなければいけない」

 

 「ん?」

 

 「この世界には、まだ深い眠りにつくもの達がいる。ホウエンで最近一瞬だけ目覚めたグラードンにカイオーガ、そしてレジギガスの様に、この世界の神話となっているもの達。世界に散らばる神話の真実を知って来なさい。全てを知った時、貴方の配下に降りましょう」

 

 「……」

 

 え?寝てる奴叩き起こして、お前の言ってたあの話ってマジなの?って?そんな奴クソ迷惑だろ。嫌だよ、絶対怒られてまた暴れられんじゃん。と思ってアルセウスに目をやる。

 

 「おや?まさか、出来ないとは、言いませんよね?」

 

 あ、こいつ性格悪い〜。やばいわ、さっきのはバカな悪い奴で、こっちは口の立つ悪い奴。

 

 「出来、ます?」

 

 「出来ます!!」

 

 やってやろうじゃん。イッシュだろうが、アローラだろうが、神話になったポケモン達から話を聞いてやろうじゃん。

 

 「ふふ、ではお待ちしていますね」

 

 「顎で使ってやるから楽しみにしとけよ」

 

 笑いながら消えていくアルセウス。何と言うか、契約は交わせたって感じか。目標達成は出来なかったが、それでも大きく一歩近付いた。……いや世界一周しろって事は、離れてんのか?

 

 「まあ、そう言うわけで」

 

 俺はゆっくり後ろに振り返る。ずっと静かだったシロナさんと目が合う。何とも言えないその顔は、俺の罪悪感がまた更に強まる。

 

 「俺を、止めますか?」

 

 俺の声は届いているのだろう。でも、目を合わせようとはしない。睨んでくれ、罵倒してくれ、蔑んでくれ。俺は貴女を裏切るのだから。

 

 「あの日、私は自分のくだらないプライドで、貴方を傷付けた」

 

 「……シロナさん、その話はもう」

 

 「聞いて、カイト君。貴方から告白された時、本当に嬉しかった」

 

 「……」

 

 ん?聞き間違い?あれ?俺の告白が嬉しかった?

 

 「でも、私は、自分が貴方の隣に立つ姿を、良く思えなかった。私よりも遥かに歴史への知識があって、私よりもバトルが強くて、貴方に優ってるものがない私が、貴方の隣に立つ事が許せなかった」

 

 何て優しいんだこの人は。俺なんか劣っていても付き合いたいけどな。バンバン彼氏面する。それなのに、え?聖人やん。

 

 「でも、貴方への告白を断った時、誤解されたくなくて、ちゃんと謝りたくて貴方の泊まってたホテルに向かった時、もう貴方はシンオウにいなかった」

 

 「……」

 

 メンタル弱くてすみません。泣きながらイッシュに逃げた弱い僕を許してください。

 

 「だから、貴方に肩書きだけでも追いつきたくて考古学者兼チャンピオンとして自分を積み上げて来た」

 

 充分でしょ、世界中探してもいないよそんな人。俺なんかの為にそんな努力してくれたのが嬉しくて、申し訳なくて、なんて言って良いかわかんない。

 

 「でも、結局は肩書きだけだった。今日1日貴方と行動して分かった。やっぱり、貴方は強い人だった。肩書きなんかじゃなくて、誰からどう見られるかじゃなくて、本心で動く人だった。だから、私も貴方に惹かれたの」

 

 おいおい、やめてくれよシロナさん。貴女は自分の魅力を分かってねえのかよ。そんな儚げに笑わないでくれよ。

 

 「私は、貴方の夢を否定しない」

 

 「シロナ、さん」

 

 「貴方の歴史への想いは痛いほど知ってる。そんな貴方が作ろうとしている世界を、私は悪いものとは思えない。貴方が神話になるのなら、私がその神話を書き記していく」

 

 ダメだ。どうしようもなく好きだ。視界が滲む。それでも、伝えなきゃいけない。俺は、否定されないといけない。突き放さないといけない。この世界を支配する人間が、一緒に居ていい人じゃない。

 

 「ッ!カイト君!私は、貴方と」

 

 「え?」

 

 むにゅ。俺は今シロナさんに抱きしめられている。俺の胸に当たる柔らかいもの。目の前にいる涙目のシロナさん。これは、これは。

 

 「ブブフォー!」

 

 「カイト君!?」

 

 赤い液体が鼻から発射され、俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 「「ボス!!」」

 

 「やり直せ」

 

 目を覚ました時、俺の目の前には饅頭とみずタイプのゴリランダーがいた。

 

 

 




何とかシンオウ編終われそうです。
カイトは良いところでパーにする人なんです。
何と言うか欲求に正直?

カグラ団の服装を統一した方が良いか

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