居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織 作:エドモンド橋本
飛び込んだ先は真っ暗な空間だった。だだっ広い空間。何も無い。そう、何も無いだけの空間のはずだった。
「久々の人間ロト。何でここにいるロト?」
何か変なのが喋りかけて来る。トンガリ頭のオレンジオバケ。何か青白いオーラを纏っている。てか、何でコイツ喋れるんだよ。
「何してるロト?どうやって来たロト?」
「まずお前は誰なんだよ?」
「ロトムはロトムロト!」
「ロトロトうるせえなあ」
何なんだよ。変なとこに来たのに変な奴に絡まれるとかわけ分かんねえ。ため息を吐きつつ、周りを見渡す。すると、人影が見えた。
「ん?あ、おいお前ちょっと隠れてろ!」
「ん?うげぇ!何するロト!?」
「良いから隠れてろ!」
ロトムを背後に隠して、人影に近づく。何か死んだような顔のオッサンがいた。
「よっ、と、おお、いたいた。あんたがアカギか」
「……誰だ?」
声をかけた相手は、俺に驚く様子も無く答えた。感情が無いとか何とか言ってし、コイツがアカギであってるな。ん?何か背中にバンバン当たる。オイコラ、ロトム暴れんな。
「俺はカイト。ここだけの話、カグラ団って組織の一応ボスやってる」
そう言っても、やはりアカギのリアクションは変わらない。
「それで、何のようだ?」
「ああ、そうそう」
俺はアカギに向けて手を差し伸べる。
「アンタ、うちの組織に入れよ」
真っ直ぐに俺を見るアカギ。コイツの持つ能力は、ここに捨てて良いようなものじゃない。俺達が始める世界に必要なものだ。
「私は、全て失敗した。そんな男の、何が欲しいと言うのだ」
「お前の持つ全部が、俺には必要だ。だから俺は、お前って言う宝物を、こんな場所に置きっぱなしにしたくない」
「……私はもう、ここにいたい。ここで、何もしないで、誰も信じないで、永遠に何も考えずにここで知らないうちに死にたい」
「そんな」
「そんなのダメロト!!」
「あ、おい!」
背後から飛び出して来たロトム。人の会話に入り込もうとする為捕まえようとするが、どうにも簡単に躱される。
「ッ君、は」
「アカギは!こんなとこで終わっていい奴じゃ無いロト!!」
「え、何、知り合い?」
アカギの反応が変わった。死んだ目に、1つの光が宿った。
「な、なんで、君が」
「ずっと、会いたかった、ずっと、謝りたかっ、たロト」
「ッ!」
「あの時、約束、破ってごめんなさいロト!」
ロトムは、泣きながら話し続けた。アカギが幼い頃、機械いじりばかりしてて友達がいなかった事。そんなアカギを驚かそうとしたが、失敗して、近くのラジカセに乗り移るが、それも失敗した。見兼ねたアカギが、ロトムが乗りやすいようにラジコンカーを作った。それに乗ったロトムは喜び、それから2人は友達になった。そして、毎日2人は遊んだ。だがある日、また明日と約束したのに、ロトムは来なかった。そして、アカギはまた1人ぼっちになった。
「ごめんロト!ごめんロト!!」
「なぜ、あの日」
「ッなんか、変な、人達に捕まって、ずっと変なカプセルの中で」
「ッもういい!それ以上、喋らなくて良い」
実験に付き合わされたんだな。昔からクソみてえな奴らは居たわけだ。ふるふると肩を振るわせるアカギはポツポツと言葉を溢し始めた。
「君が居なくなってから、私は、笑えなくなった」
「これから一緒にいっぱい笑うロト!」
「ッ泣けなくなった」
「一緒にいろんな感動を探すロト!」
「ッ怒りを、忘れた」
「たくさん喧嘩するロト!」
「楽しみを、君と」
「うん、いっぱい、遊ぶロト、アカギと、遊ぶロト!」
もう、俺が入る隙はねえなあ。大泣きするロトムを抱きしめるアカギ。今の彼になら、俺の言葉も届くだろうが。そんな卑怯な真似はしない。とは言え隠れるところもない為、ただ待つ。
「す、すまない」
「良いよ、逆に悪いね気を使わせて」
「いや、それはこちらの」
「ああ、良いから良いから、それより、カグラ団には入ってくれる?これから、2人で新しい事を始めるなら、もう勧誘はしない」
今のアカギは少年に戻ったようなもの。初めてを知るのは2人一緒が良いだろう。
「君は、何をするつもりなのだ?」
「神を配下に置いての、世界征服」
アカギの問いかけに間髪入れず答える。
「ッ!随分と、大規模だな」
「だからやるのさ」
サカキと約束したんだ。あいつが俺を新しい世界の王にしてくれるらしい。なら俺は、あいつの願いを叶えなければいけない。俺の支配する世界の、その先を、あいつに見せてやる。ただ、まあ、ちょっと、本当にちょっとだけで良いから、あいつより俺のがモテる世界にする。
「……そうか」
「楽しそうロト!アカギ!一緒に世界征服するロト!」
意味分かってんのかこいつ?まあ、後押ししてくれるなら助かるが。
「私は、君の役に立つだろうか」
「俺はお前が欲しいんだ。他の誰でもない。アカギっていう、他には代えられない力を欲してる」
「この世界の、可能性を、教えてくれるのか?」
「大爆笑してしまうほど、面白えよ。この世界は。死ぬまでに全部教えきれねえかもな」
ロトムに一度視線を向けると、ニコニコと笑い、アカギの周りを飛び始める。再びアカギに目を向けると真っ直ぐと、光の宿った目が俺を見ていた。
「……ロトムと、私について来てくれたポケモン達と、再び歩みたい」
「交渉成立、だな」
俺はアカギに再び手を差し伸べる。今度は、しっかりと握り返される。
「私の全てを、君に、いや、貴方に差し出そう。これから世話になる。ボス」
「よろしく、てな訳で、こっから出して来んねえかな?ドラゴンさん」
「ギリアアアアアアアア!!!」
それは許さねえ、そう言いたげな声が何もない空間に轟く。
カグラ団+1
もう直ぐシンオウ編終わりそう〜。
でも仕事が忙しい〜。
カグラ団の服装を統一した方が良いか
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YES
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NO