2003年に株式投資を始め、14年に累計利益1億円を突破したDUKE。(@investorduke)さん。現在は、個人と法人で合わせて10億円以上に資産が拡大しています。
慶應義塾大学を卒業後、東証一部(現プライム)上場企業に入社。20年近く企業の収益分析や中期経営計画作成等に携わり、現在は「新高値ブレイク投資塾」という投資塾を主宰しています。著書は16年に『
1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術』(東洋経済新報社)、22年には『
忙しい人でも1日10分から始められる 3年で3人の「シン億り人」を誕生させたガチ投資術』(KADOKAWA)など。
今回は「新高値ブレイク投資術」のポイントや、投資塾での活動内容などについてお話しします。
私が投資の軸としてきたのは「新高値ブレイク投資術」です。新高値とは、株価が過去の高値を更新したことを指します。「株価が上がっている銘柄をさらに高く売る」ことでリターンを得るというのが、基本的な考え方です。
「新高値投資だから一番高いところで買って、高値づかみになるのでは」と言われることが昔から多いのですが、全くそんなことはありません。
テクニカルで一言で表すと、「ボックスからのブレイク」です。上抜けた瞬間をとらえて、もう一段の上昇を目指します。新高値更新後は銘柄の注目度が上がり、連続的に資金が投入されやすいという面もあります。
成長株の「初動」をとらえる
とはいえ、新高値を更新した銘柄はなんでも投資対象になるわけではなく、その後の絞り込みが重要です。そのために必要なのが、深いファンダメンタルの知識です。
これから成長していく見込みのある銘柄を選定し、上昇の「初動=新高値を更新した瞬間」に投資できれば、機関投資家など大口の投資家が後からついてきて、大きなリターンが期待できるというわけです。
詳細は、『1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術』(東洋経済新報社)などで解説していますのでご覧いただければと思いますが、売上高や営業利益、営業利益率といった決算情報やビジネスモデルなどを理解することが大切です。企業の成長ストーリーを読み取り、目標株価を設定。ビッグチェンジの初期段階で投資するという流れです。
早速「浅掘り」をはじめてみよう
さて、この記事の公開日は元日です。せっかくですから「今から投資を始めるとしたら何からすればいいのか」についても、お話ししたいと思います。
結論から言うと、まずは「新高値銘柄」を見てみましょう。例えば「会社四季報オンライン」では、年初来(昨年来)高値と10年来高値の2つを見ることができます。かぶたんで「52週高値を更新した銘柄」を見ていただいてもかまいません。
ご自身の興味のある銘柄を1つ選び、四季報オンラインの銘柄ページを開きます。今回は、一例として25年12月22日(インタビュー実施日)に新高値を更新したテレビ朝日ホールディングス
(
9409)のチャートを見てみましょう。
株価3385円の水準を上抜けて3395円に更新しており、全体的にも右肩上がりのチャートになっています。テクニカル的には比較的よさそうなことがわかったうえで、次はファンダメンタルの分析に移ります。
この際、四季報の「記事欄」と「業績」を見て、概況を知ると時短になります。業績面では、四季報の今期予想と来季予想、会社計画とのずれ幅などを確認。記事欄では、企業の今後の方向性や成長のトピックスの大枠を読み取ります。記事と業績は以下の通りです。
【上振れ】視聴率好調やフジ自粛でテレビ広告がスポット軸に想定超、タイムも堅調。動画配信もテラサやアベマ伸びる。番組制作費抑え営業増益幅拡大。27年3月期もタイム、スポットともに安定増。営業増益。
【拠 点】多目的ホールや劇場、レストランを備えた東京ドリームパークが東京・有明で26年3月開業。アニメスタジオを持つハイク社に出資し、IPビジネスを推進。
フジ・メディア・ホールディングス
(
4676)への広告がテレ朝に流れている様子がうかがえますね。一方、東京ドリームパークやIPビジネスは業績にどの程度影響しそうなのか、来期の四季報予想が今期ほど大きな増益を見込んでいないのはなぜなのか、といった疑問は、今後銘柄を調べるきっかけになります。
日本の上場企業は3800社超あり、多い日は300~400社程度が新高値を更新していますから、兼業投資家が毎日すべてをチェックすることは、かなり困難でしょう。自分のよく知っている業界などで気になった銘柄を四季報でサッと「浅掘り」して、これはよさそうだと思ったら、会社のIR資料を確認するなど深掘りしていくのがオススメです。
投資塾の強みは「集合知」
19年からは100名の"億り人"輩出を目標にした「新高値ブレイク投資塾」をスタートし、生徒数は現在、数百名規模にまで拡大しました。これまで12人の"億り人"を誕生させることができましたが、この背景には「集合知」の力が大きく貢献していると考えています。
機関投資家がメインの株式市場で勝ち続けるためには、個人投資家が集まって知識や知恵を共有することが一つの対抗策となります。塾生同士でゲーム業界に関する勉強会や、四季報で見つけた有望銘柄の発表会などを行っており、ほかの投資家の考え方や知識を吸収して成長しています。
実際に"億り人"になった方の例として、塾で推奨してること以外は基本的に何もやらず、医者をしながら元本1000万円を3年程度で1億円超まで増やしたという方がいます。その方は、ほかの塾生の勉強会で「海運業界」の動向を学んだことで、上昇の波に乗れたと語ってくれました。塾生が分析した情報はデータベースに格納されているので、初心者の方にも参考になると思います。
併せて情報を深堀り、あるいは素早く入手する手段として、マーケット関連の動画配信にもかなり力を入れています。金利動向など全般相場の環境、1週間の新高値銘柄、株価上昇中の銘柄チャートなどをまとめて、2週間に1回お届けしています。
一方、一人の投資家として成功し、生き残っていくには「自走」する力も大切です。ファンダメンタルやテクニカルの基礎から、投資家としての心構えやリスク管理など、株式投資に必要な情報を広く共有し、自力で成長できる投資家を育成することを目指しています。会社員で時間がない方でも、しっかり勉強すれば投資で成功できる土俵が整えられたと自負しています。
新年を機に、新しい挑戦をされる方の後押しができれば嬉しいです。
(構成:伊藤 退助)