居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織   作:エドモンド橋本

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カイトさんの2体目のポケモン登場。



陸と海

 

 

 

 グラードンが見えた場所へ、それぞれひこうタイプのポケモンを使い、空を飛んで向かう。グラードンが立っているのはルネシティの北側の山間部の様だ。ルネシティの街ではマグマ団とアクア団による抗争が既に始まっていた。

 

 「ユウキくん!!」

 

 トロピウスから降りたハルカちゃんが叫んだ先には、白いニット帽を被り、赤黒のシャツを着た少年と、その隣にジュカインがいた。彼がユウキ君。見ただけでわかる。彼のジュカインはよく鍛えられている。既に抗争を止めるために戦闘になったのであろう。ポチエナ、グラエナ、ドンメル、キバニアなど、したっぱ連中のポケモンが目を回して倒れていた。この子は、チャンピオンになる素質がある。

 

 「ハルカちゃん!?」

 

 「遅れてごめん!行くよバシャーモ!!」

 

 「シャッ!!」

 

 勢いよく地面を蹴り、ユウキ君とジュカインの元へ走るハルカちゃんとバシャーモ。それを邪魔するようにしたっぱ連中が取り囲む。

 

 「またガキか!!アオギリ様の邪魔はさせねえ!!」

 

 「マツブサ様の元へは行かせねえぞ!!グラエナ噛み砕く!!」

 

 「ブレイズキック!」

 

 「シャアッ!!」

 

 炎を纏った脚が、グラエナの顎を力強く蹴り上げる。蹴られたグラエナがしたっぱの他のポケモン達を巻き込み、一撃でかなりの数が吹き飛ばされた。

 

 「ックソ!キバニア!!アクアジェットだ!!」

 

 バシャーモの背後から水流に乗ったキバニアが突っ込んでいく。しかし、それを断ち切るように緑のポケモンがキバニアの前に飛び出してきた。

 

 「リーフブレード!!」

 

 「ジュアッ!!」

 

 緑の光を纏った剣がキバニアを斬りつけた。バシャーモの背後に立ったジュカインは、続け様に近くにいたポチエナとドンメルをリーフブレードで切り裂く。

 

 「助かったよ!ありがとうユウキくん!」

 

 「気にしないで、さっさとここを抜けよう」

 

 背中合わせに語り合う2人の姿はとても子供とは思えない。これこそ、人々から慕われる英雄の姿だ。

 

 「ふるふぉ!!」

 

 「おっと、どうした?」

 

 俺をここまで運んでくれたファイアローが急に翼をばたつかせて鳴き始めた。コイツは闘争心の塊みたいな性格だが、それでもこんなに騒がしくなるようなやつじゃ無い。嫌な予感がするな。

 

 「ッ!?」

 

 「まさか!?」

 

 波が荒々しくなっている。ルネシティの中央にある海の底から黒い巨大な影が見えてきた。嫌な予感とはやはり当たるようだ。

 

 「ギュルアアアアアア!!!」

 

 「ッアイツは!?」

 

 「カイオーガ、こいつも目ェ覚ましやがったか」

 

 ルネシティのど真ん中に現れたカイオーガは、山間部に立つグラードンを見つけ、口元に青い光を集め始めた。それを確認したグラードンもまた口元が白く光り始めた。

 

 「ッギュラアア!!」

 

 「ッグルロウア!!」

 

 俺たち人間には興味なんかないと言わんばかりに2体が攻撃を撃ち合う。爆音が轟き、ルネシティの建造物は次々に崩壊していく。ルネシティも歴史ある街。これ以上の崩壊はなんとしてでも防がなければいけない。

 

 「はははははは!!そうだカイオーガ!!グラードンなんて蹴散らせ!!」

 

 「グラードン!!負けてはなりません!!カイオーガを葬るのです!!」

 

 カイオーガの背後に現れたサメハダーに似た潜水艇のハッチから顔を出した筋肉質な男。そして、グラードンの側に立つ眼鏡をかけた男。おそらく奴らが両団のボスだろう。

 

 「ッアオギリ!マツブサ!」

 

 「ユウキ君!止めよう!これ以上はルネシティも持たないよ!」

 

 「うん!行こう!!」

 

 「させるか!!グラエっ!?」

 

 2人の邪魔をしようとするしたっぱだったが、グラエナ諸共吹っ飛んでいった。

 

 「ドッサイ!!」

 

 「行け!ここは私達が請け負おう」

 

 力強く吠えるサイドンと、ハルカちゃんに向けて声をかけるサカキ。それを見たハルカちゃんは嬉しそうな顔を浮かべた。

 

 「お兄さん!おじさん!」

 

 「ああ、ハルカちゃん、行ってきな。ここは俺とこのおっさんで何とかするから」

 

 「え、あ、えっと」

 

 元気よく手を振るハルカちゃんと困惑気味のユウキ君。そりゃそうだわな。

 

 「この2人は良い人だから大丈夫だよ!」

 

 人間に迷いなく攻撃を命令するおっさんが良い人なわけないのよ。ハルカちゃん、マジで悪い人に騙されないだろうか。

 

 「早く行け」

 

 「はい!行って来ます!」

 

 力強い返事をしたハルカちゃんはユウキ君の手を掴んで走り出した。一瞬、ユウキ君は俺達の方を振り返り、口を大きく開けた。

 

 「勝って来ます!!」

 

 その言葉はグラードンとカイオーガの争いによる轟音ですら掻き消すことはできなかった。

 

 「ふっ、それ以外求めてない」

 

 「良いね、やっぱりあの2人こそ英雄だ」

 

 さて、ボス2人と伝説のポケモンは2人に任せて、ちゃっちゃとこの連中を片付けるか。と考えていると、一際デカい図体の男と、どえらいセクシーな姉ちゃんが俺らの前に出て来た。

 

 「全くクソ迷惑な事してくれやがったな!テメェら」

 

 「覚悟は出来てるんだろうね、アンタ達」

 

 どう考えてもアクア団の幹部だな。でもまあ、問題無い。

 

 「いけるか?ファイアロー」

 

 「ふる!ふるふぉあ!!」

 

 「良いねえ、そんじゃ頼むぜ」

 

 カロス地方で出会った時は、翼を折られ、群からも追い出され、それでも鋭い眼差しで俺達と闘おうとしたくらい、こいつはとんでもねえ根性の持ち主だ。もう飛べないと判断されたその翼で、俺達を何度も助けてくれた。

 

 「不死鳥の力―見せてやれ」

 

 

 

 

 

 




次回、カイトさんとアナライズ美少女、サカキ様を添えて

カグラ団の服装を統一した方が良いか

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