お尻から血や膿が出続けるクローン病 10代〜20代中心に10万人近い患者、多感な時期に社会と距離… 「一人で悩まず、当事者のつながりを」
金融サービスなどを展開する大手企業に勤めていた那覇市出身の久保田雄大さん(36)。大きなプロジェクトを任され、そのスタートを見届けた矢先の2021年、突如、40度の高熱を出した。新型コロナの感染を疑い、検査を受けた。 ◆「使用済みパッドをカバンに入れ、バスに乗る」 サニタリーボックスが男性用トイレにも必要な理由 背景に国指定難病「クローン病」、前立腺がんの激増も 久保田雄大さん: 「他に何かつらいところはないか聞かれ、『お尻がとても熱い』と言ったとき、初めてお尻の周りに膿が溜まってることが分かって、その日ですぐ手術をしました」 「肛門周囲膿瘍」と告げられ、緊急手術。人生初の入院だった。この時はまだ、多忙な仕事での無理がたたったのだろうと思うくらいだったが、術後も度々お尻に鈍痛が走るなど、症状は治まらなかった。 ■半年後についた診断「大腸型クローン病」 様々な検査を経て、最初の手術から約半年後「大腸型クローン病及び難治性複雑痔瘻」と診断された。 「もう働けなくなると思ったし、恋愛もできないかもしれないと思った。本当につらかった。なぜ自分がなったんだろうと、精神的には結構きつかった」 難病情報センターによると、「クローン病」を発症するのは10代〜20代の若者が中心で、口から肛門までの消化管に炎症や潰瘍、狭窄、瘻孔(ろうこう)などが起こる。 腹痛や下痢、血便、体重減少などの症状が出るとされるが、はっきりとした原因が分かっていない、国指定の難病だ。東邦大学などの研究グループの調査では、2023年のクローン病の有病者数は、約9万6000人とされ、2015年からの8年間で1.4倍と近年、増加傾向にある。 ■対処法が分からず「女性ナプキンを使用」 久保田さんの場合、お尻の周辺にできる痔瘻から血や膿が出続けるため、尿漏れパッドの使用が欠かせない。 「膿がポタポタ出て下着が汚れてしまうので、当初は女性用ナプキンを使っていた。男性が女性用のナプキンを買うことが恥ずかしく、彼女と電話するふりをして買っていた」 発症して4年で17回もの手術を受けたという久保田さん。2022年には、排泄のために人工肛門=ストーマを造設。ストーマを保有する人=オストメイトとなり、生活も大きく変化した。 クローン病、オストメイトとなったことで、食事は、低脂質で消化しやすい物でなければならない。外出の際は、尿漏れパッドや円座クッションなどを携帯し、オストメイト用のトイレの有無を事前に調べる。当時の職場は、症状を理解し、サポートしてくれたものの、治療に専念すべく、退職を決意した。