「ここに留まる価値はない」アメリカで始まった頭脳流出… 研究者たちに聞いた本音

Ayelet Sheffey原文翻訳、編集:山口佳美

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「今夜、飛行機に」

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は5月上旬、世界各地の研究者たちをヨーロッパに呼び込むべく、5億ユーロ(約817億円)相当を拠出すると発表した。

「科学がわたしたちの未来の鍵を握っている。世界中で脅威が高まる中、ヨーロッパはその原則に妥協しない」

カナダでも、ブリティッシュ・コロンビア州のジョージー・オズボーン(Josie Osborne)保健相が「国境の南で起きている不確実性と混乱」は「カナダへの移住を希望する熟練した医療従事者を呼び込むまたとない機会」をもたらしていると記者会見で語っている

Business Insiderの取材に、海外の求人情報を毎日チェックしていると明かしたアメリカの研究者もいる。

「今夜、自分は飛行機に乗ります」と、アメリカのある大学に雇用されている研究者は語った。すでにヨーロッパでいくつかのポストに応募していて、まだ決まってはいないものの、すぐにでも移りたいと話した。自分が持っているような柔軟性は、誰もが持っているわけではないと認識している。

「自分が話した人たちは大抵、この状況をある意味で諦めて、どうにか乗り切りたいと思っているようです」

「(ヨーロッパに移ることを)考えられる自分は、とても恵まれているんだと思います。どこか別の場所へ移ることは、お金も時間もものすごくかかることだし、競争も激しいですから」

助成金の削減に直面した研究者の中には、アメリカを離れる代わりに訴訟を起こす者もいる。Business Insiderは以前、HIVの研究のためにNIHから助成金を受けたものの、トランスジェンダーに言及したことで助成金を削減されたピーター・ルーリーに話を聞いた。

「医学研究に関しては、アメリカとNIHは特に世界の羨望の的です。ただ、アメリカはすでに遅れをとり始めています」

「つまり、支援を求めて別の場所へ行く人が出てくるということです。支援がないために、この国を離れる人が出てくるということです」

「離れられて良かった」

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