ゲートウェイ成田完成図(共生バンクHPよりと明記必要)

まさか銀行に騙されるとは……

「みんなで大家さん」に限らず、近年、こういった投資トラブルは多発している。実際、金融庁の窓口への「金融トラブル」の相談件数も、'25年7~9月だけで約1万6000件に上る。

「みんなで大家さん」のケースを見て、「なぜ、絵にかいた餅のような話に多額のカネを出すのか」と疑問を持つ人は多いだろう。だが、危ないのはむしろ「自分は大丈夫」と過信している人だという。

投資トラブル事案に詳しい加藤・轟木法律事務所の加藤博太郎弁護士が語る。

「物価高騰のなかで将来に不安を抱えている人が多い現在は、社会環境として投資トラブルや詐欺が生まれやすい状況です。国が『貯蓄から投資へ』と呼び掛け、NISA制度などが一般的になったことも拍車をかけている。

疑り深い人が騙されにくいかと言うと、そうでもない。そういう人に限って、税理士や証券マンなど社会的信用のある人を妄信し、怪しい投資案件などに手を出してしまう。最近は、投資を呼びかける側があの手この手で税理士や証券会社などと関係を築き、カモを紹介してもらうということもよくあります」

社会的信用のある人を妄信してしまう――その典型的なケースが、スルガ銀行が起こした「不正融資問題」だ。

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スルガ銀行といえば、'18年の「かぼちゃの馬車事件」が記憶に新しいが、実はそれ以上の巨額トラブルが現在進行形で起きている。'21年5月に立ち上がった「スルガ銀行不正融資被害者同盟」に参加する被害者は400名超。疑惑件数は8433件、被害総額は約5200億円に上るという。弁護団長を務める河合弘之弁護士がそのスキームを解説する。

「スルガ銀行は不動産物件を本来の価値以上に見せかけ、不動産会社を通じて売りつけていました。家賃収入や入室状況といった『レントロール』と呼ばれる物件情報を改竄させていたのです。加えて、ローン審査を通すために購入者の預金通帳まで不動産会社に偽造させていました」

スルガ銀行が不正融資を行った背景には、融資実行額の過酷なノルマがあったとされる。物件の価値があるように見せかけ、返済能力がない人に売りつけてでも、ノルマを達成しようという行員が多くいたのだ。

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被害者の一人であるメガバンクに勤めるAさん(50代)が振り返る。

「'16年に、千葉県松戸市にある駅から徒歩20分ほどの築26年の中古マンションを一棟購入しました。価格は3億円。年収は1000万円ほどありましたが、貯金は32万円しかなかった。にもかかわらず、預金額が7074万円に改竄されてローン審査が通りました。

不動産会社からは、満室で228万円の家賃収入があると説明されていましたが、実際には満室でも135万円しか入ってこなかった。レントロールが改竄されていたのです。一方で、毎月の返済額は162万円……。しかも、固定資産税が年間108万円かかりました」

【後編記事】『「俺たちはこうして銀行にダマされた」減らない投資トラブル、弁護士が教える《ヤバい儲け話》の見抜き方』へつづく。

「週刊現代」2026年1月5日号より

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