ノーベル賞生んだ名門も"閉鎖"危機 真鍋淑郎さん「若い人たちは…」
毎日新聞
2026/1/2 05:00(最終更新 1/2 05:26)
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装飾を排した黒く無機質なその建物は、米東部の名門プリンストン大のメインキャンパスから離れた敷地の一角にある。
米海洋大気局(NOAA)の地球流体力学研究所。英語の頭文字をとって「GFDL」と呼ばれる。原爆を開発した「マンハッタン計画」に参加したハンガリー移民の数学者フォン・ノイマンが、第二次世界大戦後にコンピューターを用いた初の天気予報に挑んだ研究施設が源流だ。
「科学の天空に輝く星」
気候変動問題が注目されていなかった1960年代後半、日本から来た研究者が疑似的な地球を再現する計算プログラムを作り、温暖化研究の礎を築いた。真鍋淑郎(まなべ・しゅくろう)さん(94)だ。
大気中の二酸化炭素(CO2)の濃度が倍になると地上の気温が約2・3度上がることを示した初期の論文は、現在のより精緻なモデルが弾き出した予測結果とほとんど変わらない。この功績で真鍋さんは2021年のノーベル物理学賞を共同受賞する。
「科学の天空でひときわ明るく輝く星」。3年前までNOAAの研究部門を率いたクレイグ・マクリーンさん(68)はGFDLをそう例える。世界中の卓越した気候科学者たちを引き寄せる「磁力」の役割を果たしてきたと強調する。
ハワイのCO2濃度観測所も
しかし、トランプ政権は25年6月に発表した26会計年度(25年10月~26年9月)の予算案で、GFDLを含むNOAA傘下の多くの研究機関などの「閉鎖」を打ち出した。地球上で最も長くCO2濃度の測定を続けてきたハワイのマウナロア観測所も対象に含まれ、気候変動の研究には1ドルも計上されなかった。…
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