アプリ限定 2025/12/17 (水) 12:00 0 15
netkeirinが歩んだこの5年間、競輪界は激動と進化の真っ只中にあった。コロナ禍という未曾有の危機からのV字回復、賞金規模の拡大、そしてレーススタイルの変容。今回は6つのデータから、KEIRINグランプリの変遷を読み解く。
過去5年間で最も劇的な変化は、競輪場に戻ってきた熱気と、動く金額の規模である。
2020年、コロナ禍による制限でわずか1,566人だったグランプリ入場者数は、2024年には19,064人へと回復。観客席は人で埋め尽くされ、かつてのような大歓声が戻ってきた。
この熱狂は売上にも直結し、2024年のグランプリ単体の売上は64.3億円を突破。2020年比で+13%の市場拡大を見せている。
市場の拡大は、選手たちの懐事情も一変させた。2020年に9,840万円だった優勝賞金は、2025年には1億4,600万円に到達する。
これに伴い、賞金王争いのレベルも異次元の領域へ突入した。2022年に脇本雄太が史上初の3億円超えを果たすと、2024年には古性優作が3億8,311万円で史上最高額を更新。もはや競輪は、トップ選手が数億円を稼ぎ出すドリームスポーツのひとつになった。
賞金全体の底上げは、グランプリ出場へのハードルを極限まで押し上げた。
2020年は約4,960万円だった出場ボーダーだが、2025年には1億411万円(南修二)と2倍以上の金額に跳ね上がった。
GIタイトルを持たない選手にとっては、「獲得賞金1億円」が出場への最低条件となる過酷な時代が到来したのである。
また、戦術面においても大きな変化が進んでいる。
直近5年のグランプリ出場選手の脚質データを見ると、脚質「追」の減少が著しい。2020年には2名、2021〜23年には各1名となり、2024年には0名となった。
2020年の和田健太郎を最後に、ここ4大会の優勝者はすべて脚質が「逃」か「両」の選手であり、タテに踏める脚がないと、現代のスピード競輪では苦戦する傾向がデータにも表れている。
今年は脚質「追」から南修二が出場する。輪界屈指の仕事人である南が「追い込み屋もまだまだやれる」という姿をグランプリでアピールできれば、また競輪界の流れも少し変わってくるかもしれない。
では、迎える2025年のグランプリはどうなるのか。
キーワードは「近畿」と「30代」だ。
2020年は1名だった近畿勢。そこから脇本雄太と古性優作がグランプリ常連となり、GI戦線でも勢力を拡大。2025年には出場9選手のうち4名を占める最大勢力となった。直近5回のうち3回(2021・2022・2024)で近畿の選手が優勝しており、数の利を得た彼らが今年もレースを支配する可能性は極めて高い。
また、意外なデータとしては関東勢の苦戦傾向だ。現代では眞杉匠に吉田拓矢、遡れば平原康多や神山雄一郎、後閑信一、長塚智広など、どの時代にも輪界トップクラスの選手を有していた強豪地区だが、直近5年間で優勝は一度もない。
さらに昔に遡っても優勝は99年太田真一と14年武田豊樹の2回のみとグランプリでは苦戦を強いられている。今年のビッグ戦線を賑わせてきた眞杉・吉田のゴールデンコンビで力を合わせ、このマイナスなデータを跳ね返せるか。
そして年齢層では、心技体が充実する「30代」が圧倒的だ。
過去5年間の優勝者はすべて30代。2025年のメンバーも9名中6名が30代と、脚力と経験を最大限発揮する「成熟した選手たち」が競輪界の頂点に君臨していることがわかる。
史上最高額の賞金、最強の近畿ライン、そして進化し続ける30代の怪物たちーー。2025年のKEIRINグランプリは、これまでの常識やデータをさらに塗り替える伝説の一戦となるに違いない。
netkeirin編集部
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