中国が台湾上陸訓練か、桟橋搭載の船団を複数展開・民間の大型貨物船も参加…衛星画像分析
中国軍が、大型の移動式桟橋を搭載した船団を複数展開し、中国東部や南部の沿岸部で上陸訓練とみられる演習を実施していることがわかった。大型貨物船「RO―RO船」など民間船を参加させ、軍民合同で訓練を繰り返している。日米両政府は、中国軍が民間船も利用して台湾侵攻能力を高めているとみて、警戒を強めている。 【データ比較】空母化した護衛艦「かが」を米「ロナルド・レーガン」、中国「山東」と比べる
読売新聞が入手した人工衛星の画像と公開されている船舶情報の分析、日本政府関係者への取材により判明した。
船団は、折り畳み可能な桟橋を搭載した船3隻で構成され、3隻が沖合から砂浜などに向かって全長約800メートルの巨大な桟橋を連結してかける仕組み。米海軍大の報告書によると、船団は軍所属とみられ、2025年に初めて3隻一体での運用が確認された。
本紙が入手した衛星画像では、東シナ海に面した中国東部・浙江省台州市と、約1100キロ・メートル離れた南部・広東省広州市の2か所の港湾で25年9月29日、桟橋搭載船3隻がそれぞれ停泊しているのが確認できた。複数の船団が同時に運用されている実態は明らかになっていなかった。
浙江省寧波市の島嶼( とうしょ)部では25年7月3日、3隻が連結して移動式桟橋をかける様子がみられた。同年10~11月にも複数回確認された。付近の陸上部分では施設建設が進む様子がうかがえ、日本政府は、新たな上陸作戦の演習場とみて動向を注視している。
広東省湛江市の演習場でも25年3月21日、3隻が移動式桟橋をかける訓練をしていた。同演習場付近では、2日後の23日から27日まで、RO―RO船が活動していたこともわかった。船の位置や針路などの情報を自動的に送受信する「船舶自動識別装置(AIS)」の分析で判明した。移動式桟橋を使った合同演習に参加していた可能性がある。
中国軍が台湾を侵攻する場合、台湾を海上封鎖したうえ、港湾や空港などに攻撃を加えて制海権や制空権を確保した後、強襲揚陸艦などを用いた上陸作戦を行うとみられている。中国軍が25年12月29~30日に実施した演習は、海上封鎖や強襲揚陸艦による上陸作戦を想定した内容だった。