才能とはなにか?
~あなたの中にも才能の原石が有る~
「才能とは何か?」と問われたらあなたはどう答えますか?
多くの人は「人よりも優れた結果を出す力」や「天賦の才」といった、少し遠いものをイメージするかもしれません
しかし結論から言います
才能とは「あなたが息をするように当たり前にできること」の中にしかありません
「そんなことは自分にとっては普通だ」 そう感じる部分にこそあなたの経済的価値が眠っています
今回もこの真実を脳科学的な視点とトレードでの実践例を交えて解き明かしていきます
脳科学で証明する「才能=省エネ」の法則
なぜ、「できて当たり前」が才能なのか?
これを脳科学の視点から見ると「ミエリン(髄鞘)」という物質で説明がつきます
少し専門的な話になりますが非常に重要なのでイメージしながら読み進んで下さい
脳内の「絶縁テープ」が才能を作る
私たちの脳内には電気信号をやり取りする「電線(神経回路)」が無数に走っています
あなたが何か新しいことを練習し始めると、脳は「お、この回路はよく使うな」と判断し、その電線を「ミエリン」という脂質の膜でグルグル巻きにし始めます
これは剥き出しの銅線に「絶縁テープ」を巻いて補強するようなものです
では「絶縁テープ(ミエリン)」が分厚く巻かれると何が起きるでしょうか?
漏電しなくなる(省エネ):信号が外に漏れず、目的地までロスなく届きます。
爆速になる(高速化):信号の伝達速度が、巻かれていない回路に比べて最大100倍速くなります
これが「才能」の正体です
「光回線」と「ダイヤルアップ回線」
この違いをインターネット回線や道路に例えるとわかりやすいでしょう
① 才能がある状態(ミエリン化された高速回路)
イメージ
最新の光ファイバー回線
状態
動画もサクサク再生されるように膨大な情報が一瞬で処理されます
電気抵抗が極めて少ないため本人は「考えている」という感覚すらなく、無意識レベルで体が動きます
トレードでは
チャートを見た瞬間「あ、これ落ちるな」という判断が0.1秒で脳内を駆け抜けストレスなくエントリーボタンを押せます
② 苦手な状態(ミエリン化されていない獣道)
イメージ
不安定なダイヤルアップ回線あるいは草が生い茂る獣道
状態
信号を通そうとするだけで莫大なエネルギーが必要です
草をかき分け道なき道を進むため、脳はストレスホルモン(コルチゾール)を出し「もうやめたい」「疲れた」と悲鳴を上げます
トレードでは
「えっと、この形は…教科書だと…でも待てよ…」と考えている間に信号が途中で迷子になり判断が遅れ、チャンスを逃した後に疲労感だけが残ります
「努力している感覚がないのに、なぜか人より早く・うまくできる」
この感覚の正体はあなたの脳内にすでに分厚いミエリンでコーティングされた専用の高速回路が開通しているからなのです
「人並み」は搾取されるだけ
逆に、苦手なことを克服しようとする「無い物ねだり」の努力は獣道をゼロから切り開く作業です
しかしそこに膨大な時間と労力を費やして獣道を切り開いたとして、その先に待っているのは「人並み」という結果に過ぎません
マイナスをゼロに戻すだけの努力には何の優位性もないのです
残酷な現実ですがトレードの世界で「人並み(平均点)」は、利益ゼロどころか、プロに喰われるだけの「養分(カモ)」であることを意味します
すでにその分野に高速回路を持っているライバルが遥か先を走っている中で、わざわざ不利な獣道を選ぶ必要などないのです
「名詞」ではなく「動詞」に目を向ける
自分の才能(高速回路)を見つける時、多くの人が陥る罠があります
それは「好きな対象(名詞)」で仕事を選んでしまうことです
例えば、「ゲームが好き」だからといって「プロゲーマーになる」のが正解とは限りません
一言でゲームと言ってもジャンルによって脳が使っている回路は全く別物だからです
あなたはどのジャンルの、どの「作業」をしている時が最も心地よいですか?
格闘ゲーム・FPS(シューティング)が好き
脳が喜ぶ動詞:反射する、競う、瞬時に判断する
トレードへの適性:一瞬の判断が求められる**スキャルピング(超短期売買)**の才能がある可能性があります
シミュレーション・ストラテジーが好き
脳が喜ぶ動詞:分析する、配置する、攻略法を練る
トレードへの適性:優位性のある売買ルールを作る検証作業や、シナリオ構築に才能が発揮されるタイプです
RPG(レベル上げ・周回作業)が好き
脳が喜ぶ動詞:積み上げる、忍耐する、淡々と繰り返す
トレードへの適性:決めたルールを感情を入れずに実行し続ける機械的なトレードや、長期的な資産形成に向いています
ゲーム実況を見るのが好き
脳が喜ぶ動詞:観察する、パターンを学ぶ、待つ
トレードへの適性:チャンスが来るまで何時間でもチャートを見続けられる**相場監視(待つ力)**こそが最強の武器になります
「ゲーム」という名詞を取り払ったとき、残った「動詞」こそがあなたの脳にとっての才能の源泉です
もしあなたが「分析(シミュレーション)」が好きなら、無理に「反射神経(FPS)」を競う勝負をする必要はありません
自分の脳が得意なジャンルの戦い方に持ち込めばいいのです
コラム:なぜ「動詞」だと脳は疲れないのか?
これは脳の「報酬系(ドーパミン)」の仕組みで説明できます
「名詞(結果)」を目指す脳
ドーパミンが出るのは「成功した時」だけ
そこに至るまでの過程は「我慢」となり脳のエネルギーを削りながら進むことになります
「動詞(プロセス)」を楽しむ脳
ドーパミンが出るのは「やっている最中」すべて
作業そのものがご褒美なのでガソリンが常に補給されながら走っているようなものです
「努力はいらない」と言われる本当の理由もここにあります。
プロセス(動詞)に快感を感じる回路を使えば脳は自家発電状態で無限に行動し続けられる『永久機関』の様なものです
その結果圧倒的な回数の反復が行われ、誰よりも太い高速回路(ミエリン)が出来上がるのです
【実践編】トレードにおける「脳の癖」と「勝ち筋」
この理論をトレードに応用してみましょう。
トレードで勝てない人の多くは「自分の脳の回路(性格・特性)」に逆らった手法を選んでしまっています
ケースA:天邪鬼で、人の裏をかくのが好きな脳
日常の行動:みんなが右を向くと左を向きたくなる。流行り廃りには懐疑的
向いている手法:逆張り(Reversal)
上昇トレンド中の「行き過ぎた過熱感」からの反落を狙うショートなどがハマります
なぜか?:このタイプの脳は大衆と同じ行動を取ることにストレス(不快感)を感じ、逆に大衆のパニックや極端な動きを冷静に見ることに「快」を感じる回路ができているからです
ケースB:安心・安全・確実性を好む脳
日常の行動:石橋を叩いて渡る。ルールや前例がないと動けない。
向いている手法:順張り(Trend Follow)の押し目買い
トレンドが明確に出てから、一度下がって反発した(安全確認が取れた)ところを拾うスタイル
なぜか?:この脳は「不確実性」を恐怖(扁桃体の過活動)として捉えます。「落ちてくるナイフ」を掴む逆張りは脳への負荷が高すぎます。すでに流れができている波に乗る方が、脳のエネルギー消費が少なく、待つことが苦になりません
ケースC:「見る(待つ)」ことが苦にならない脳
日常の行動:ゲーム実況や映画を長時間見ていても疲れない。定点カメラ映像などをぼーっと見続けられる
向いているスタイル:スイングトレード、またはセットアップ完了までの「待ち」
多くのトレーダーが「待てずにポジポジ病」で自滅する中、このタイプの脳は「何もせず画面を見る」ことへの電気抵抗が低いため好機が来るまで延々と待ち続けることができます
「見るのが好き」という受動的な才能はトレードにおいては「待つ力」という強力な能動的スキルに変換されるのです
ケースD:波の「反発」を捉えるのが得意な脳(抽象化の極み)
ある実在のトレーダーの例です
最初はずっと「逆張り」が好きだし得意だと思っていた、その後勉強し利が伸びる押し戻りからの順張り好きになった
さらに抽象度を上げると得意なのは「レートの反発点(反応点)を探ること」だと気が付いた
彼にとってもはや「順張り」「逆張り」という概念は存在しません
あるのは「価格が壁に衝突し、反発する(リアクションする)」という物理現象だけです
天井からの反発:過熱して天井(レジスタンス)にぶつかり、足場へ向かって落ちていく初動(調整)
足場からの反発:落ちてきて足場(サポート)にぶつかり、再び跳ね上がっていく初動(トレンド回帰)
一般的には「前者は逆張り、後者は押し目買い」と区別されますが、彼の脳にとっては「衝突と反発のエネルギー」を捉えるという一点において、これらは全く同じ作業です
ここまで抽象化できれば相場が上がろうが下がろうが関係ありません
ボールが壁に当たる音を聞き逃さず、ただそのリアクションを取り続ける
それが彼の才能の正体でした
経済価値は「苦痛の格差(アービトラージ)」から生まれる
なぜ、あなたの「当たり前(高速回路)」が市場で莫大なお金に変わるのでしょうか?
それは、多くの人が「苦痛(電気抵抗)」と感じることを、あなたが「平気」でやれる時、そのストレスの差額が利益になるからです
① 社会不適合は、トレード適合である
社会生活で「短所」とされる特徴こそが、トレードでは最強の武器に反転することがあります
「臆病で心配性」 → 社会では頼りないが、相場では「鉄壁のリスク管理能力」になる
「冷めていて空気が読めない」 → 社会では嫌われるが、相場では「集団心理に飲み込まれない冷静さ」になる
② 「退屈」を愛する才能
凡人はトレードに「スリル(ドーパミン)」を求めます
しかし、プロは「退屈」を愛します
RPGのレベル上げのように、淡々と優位性のある行動を繰り返す
多くの人が「退屈で死にそうだ」と放り出す作業をあなたが「苦ではない」と感じられるように成ればその他大勢から抜け出しています
【重要】「高速回路」の落とし穴と副作用
ここまで「才能に従え」と説いてきましたが、この理論には無視できない「欠点(注意点)」も存在します
ここを理解していないと逆に破滅する可能性があります
① 「悪い癖」も才能化(高速化)してしまう
これが最大のリスクです。脳は「良い・悪い」を判断しません
ただ、繰り返された行動をすべてミエリン化(高速化)します
悪い例: 「負けたらカッとなって、ロットを倍にしてリベンジする」
結果: これを繰り返している人の脳内では、「破滅への高速道路」が完成してしまいます
無意識にやってしまうことが「利益を生む楽さ」なのか、それとも「感情を発散するだけの楽さ」なのか
『その仕分けだけはあなたの理性(前頭葉)で厳格に行う必要があります』
② 「初期負荷」を「向いていない」と勘違いする
どんなに才能ある分野でも全くの初心者のうちは回路ができていないため、多少のストレスは必ず発生します
自転車に初めて乗るような「最初の学習コスト」を「苦痛だから向いてない」と早合点して切り捨ててしまうと何も身につきません
③ 「待ち時間」という地獄
自分の得意な勝ちパターンに特化するということはそのパターンが来ない間はひたすら「暇」になることを意味します
この「退屈」に耐えられず暇つぶしのために苦手な相場(獣道)に手を出して利益を飛ばすのが特化型トレーダーの典型的な負け方です
「何もしない」ということもまた高度な才能の一つなのです
④ 応用が効かない(職人化のリスク)
「順張りの押し目買い」しかできない脳を作り上げた場合相場が長期的なレンジ相場や、乱高下相場に入った時に全く手が出せなくなる(あるいは適応できずに負ける)可能性があります
対策: 前述のケースDのように手法(名詞)ではなく現象(動詞)レベルまで抽象度を上げられれば回避できますが、そこに至るまでは「特定の相場でしか勝てない不器用な職人」になる覚悟が必要です
結論:あなたの「脳の電気抵抗」に従え
他人が「すごい努力してるね」と賞賛することを、あなたが「いや、別に普通だけど?」と感じるならそこが勝てる場所です
人並みの努力で手に入るのは人並みの結果だけ
誰もお金を払わない「平均点」を目指すのはやめましょう
自分の脳が「楽だ」と感じるプロセス(動詞)を見つけ出し、そこに全リソースを投下する
「苦痛の格差」を利用して涼しい顔で利益を積み上げる
それがトレードでも人生でも、あなたが「化ける」ための唯一の近道は『反復練習』なのです



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