⑤『2025年"赤"』ネタバレ記事
はじめに
我々は、京都を中心に活動するアマチュア制作団体『白鯨』です。
この記事は、白鯨が作った2つ目の作品『2025年"赤"』の一部ネタバレです。
現地のイベントで何が起こったかについて、ここに記します。
※ただし、このイベントは参加者の方もまだ全貌を把握しておられません。そこで、参加者の方の体験を害さない範囲で、公開します。
そもそも私たちをよく知らない方は、下のnote記事ポータルにアクセスして、①から順番にご覧ください。
別の記事でも書きましたが、無料で内容を公開することについて、お金を支払って参加してくださった方に、予めここでおわび申し上げます。
ただ、我々は、アイデア以外にも、スタッフワークや演出など、体験に影響を与えるポイントは細かく気にして創作をしています。
記事を見て何が起こったかを知るよりも、現地での体験のほうが絶対に面白い、という自信があります。
この記事を読んだだけで、皆さんの体験に追いつくことはありません。
大きな目的のため、無料での公開となりますことを、何卒ご容赦ください。
それでは、ネタバレをしていきたいと思います。
作品概要
タイトル :「2025年"赤"」
作品タイプ:ルーム型(詳細は後述)
料金 :2000円/人
制限時間 :拘束20分
人数 :3人(個人戦)
開催実績 :大阪最宴祭12(2025年7月・大阪)
感想タグ :#2025年赤
ネタバレ
本作は、こちらのBGMを流しながら開催していました。
本記事でもこちらを流しながら楽しむことをオススメします(謎には関係ありません)。
受付後に通されたのは、最宴祭のブースのひとつ。
パーテーションで区切られた簡素なスペースです。
そこにプレイヤー分のテーブルとイスがあり、座るように促されます。
机の上には、何やら裏向きに重ねられた良さげな紙と、鉛筆と消しゴムが置かれています。
定刻になると、司会が口を開きました。
前説~プレイ中
【司会】
本日は、白鯨コンテンツ『2025年赤』にお越しいただき、ありがとうございます。
さて、本作は、いわゆる普通の謎解き公演とは、少し違ったものでございます。
皆様にはこれから、10分間で目の前にある15問の謎を解いていただきます。
そのあとで、私から「2025年"赤"」をお渡しします。
いってしまえば、それだけのコンテンツでございます。
謎の内容は非常にシンプルです。
何かを疑う必要はありませんし、いわゆる大謎・ラス謎もありません。
どうやら、とにかく出された15問の謎を解けば良いようです。
【司会】
15問は、非常に質の良い問題を取りそろえております。
しかし、どれも非常に難しいです。
どの問題も、正答率は1割以下を想定しております。
1問でも解ければすごい、という難易度だと思ってください。
ひらがなにしたりカタカナにしたりと、あらゆる方針を立てて、積極的に紙に書き込んでいただければと思います。
また、この作品に成功・失敗の概念はありません。
皆様の力を測る趣旨のコンテンツではない、ということです。
仮に1問も解けなかったとしても、このコンテンツは十分に楽しめるように設計しております。
どうか安心して取り組んでください。
説明を聞く限り、かなり難しいようですね。
【司会】
と、いいましても、本当に1問も解けないと10分間ヒマでしょうがない……という可能性もあるかと思います。
そこで、10分間で1人1問だけヒントをお出しできる、ということにしましょう。
希望の方は、好きなタイミングで仰ってください。
その方にだけ、こっそりとお教えします。
ヒントをどこで使うのかが重要になりそうです。
【司会】
10分間、我々の15問と、じっくりと向き合っていただければ幸いです。
問題には解答欄がありますので、鉛筆で紙に書き込む形でご回答ください。
それでは、スタートです!
こうして、10分間が始まります。
プレイ後
【司会】
終了です!
お疲れ様でした!非常に難しかったと思います。
まずはお手持ちの15問を番号順に並べて、私に渡してください。
それではこれより、「2025年"赤"」をお渡しする準備を行います。
その間、数分程度、15問の解説をご覧になってお待ちください。
この解説は、こちらでしか読んでいただくことができません。
解いていた15問が回収されると、代わりにラミネートで15問の解説が配られ、読むことができました。
長さの関係で、全ての問題を明らかにすることはできませんが、上で明らかになっている1問目だけでも、解説をしておきましょう。
この問題は、表示されている数字が拾う文字でもあり、埋める文字でもありました。たとえば、中央の縦の列は、上から順に「ひゃくにじゅうご」と読むことができます。
このように埋めていくと、
ひ
ゃ
く
に
にじゅうさん
ゅ
さんじゅうし
ご
と、埋めることができます。
「こたえは43521」と言われていますから、その部分を拾い出すと、
「しんじゅく」という答えが出てきます。
このような解説が、15問分用意されていました。
しばらくすると、司会が口を開きます。
【司会】
それではこれより、皆様に「2025年"赤"」をお渡しします。
……とその前に、「2025年"赤"」とは一体何なのか。
我々、『白鯨』の想いを、少しだけお話しさせてください。
これからお渡しする「2025年"赤"」は、「持ち帰り謎」です。
ここ数ヶ月、我々は、後世までできる限り長く白鯨の作品を残すにはどうすればよいか、考え抜いてまいりました。
その結果、形に残る持ち帰り謎を制作しようと思い至ったのです。
謎を後世まで残すにあたり、乗り越えなければならない決定的な壁が、ひとつあります。
それは、謎の寿命です。
数年ぶりに開いた、大好きなはずの持ち帰り謎。
なんだかとても粗さが目立って見えた。
どうしても行きたかったあの有名な公演。
久々の再演に参加すると、どこかで見た問題で溢れていた。
皆さんにも、もしかすると、こんなご経験があるかもしれません。
いつまでも面白い謎というものは、存在しないのです。
持ち帰り謎は、多くの謎解きの中でも、特に変わった形式です。
演出やキャストの力はなく、謎と鑑賞者が互いに剥き出しで対峙します。
解いた後も、謎は変わらず、鑑賞者の手元に残り続けます。
ごまかしなく、謎を静かに鑑賞することができる、唯一の形。
しかしだからこそ、持ち帰り謎は、時が経つほど面白さを失っていきます。
持ち帰り謎は、とりわけ正面から謎の寿命と戦わなければならないのです。
制作者とプレイヤーは、ともに驚異的な早さで成長しています。
互いの成長の螺旋の中で、産まれた謎だけが陳腐になっていきます。
人間の無限の好奇心に押しつぶされ、謎は死ぬのです。
何度考えても、我々の手で、その死を避けることはできませんでした。
――であるならば。
いっそそれを、逆手に取ることはできないでしょうか?
謎が死ぬ――つまり、謎解きの世界が、制作者と鑑賞者が進化するほど価値を産むような作品を創ることができないでしょうか?
「2025年"赤"」は、そんな想いから制作された作品です。
今からお渡しする「2025年"赤"」は、どうかすぐに開けないでください。
さながらワインのように、皆様のお手元で熟成させてください。
早く開けても、良いことは本当にありません。
この作品のことを忘れてしまうような年月がたったとき。
少なくとも1年、人によっては3年、5年と寝かせた上で、それでもこのコンテンツのことを思い出していただけるときがあれば、そのときに開けてみて下さい。
きっと、それが一番素敵な楽しみ方ではないかと思っています。
司会はそこまで言うと、バックヤードから箱を持ってきて、一人ずつ目の前に置きました。
【司会】
本日はご参加ありがとうございました!
ここから、ネタバレについてお伝えします。
本作品は、まだまだ終わっておりません。
ここから数年間の展開を、皆様に委ねるコンテンツでございます。
他の方の体験を阻害しないために、ネタバレラインは厳しく設定しております。
具体的には、
・この作品に参加したこと、2025年"赤"を貰ったこと
・面白かった、つまらなかった、よく分からなかった、やってられるか!といった感情
・コレクターズカードの写真
これらは、全てOKです。
逆に、
・「2025年"赤"」という作品の本質がルーム型公演ではなく、持ち帰り謎であったこと
・熟成するように言われたこと
・この場でスコアアタックをしたこと
・「2025年"赤"」そのものの写真
これらは全てNGです。
よろしいでしょうか?
それでは改めまして、本日はご参加誠にありがとうございました!
【お詫びとお願い】
私たちは、他の作品と同様、この作品にも我々のメッセージをまとめた「キャプションボード」を用意していました。
しかし、キャプションボードは箱に入っています。その内容は、ご購入者の方もいまだ読んでおられません。その他の箱の中身も同様です。
ご購入者の皆様の体験を阻害しないため、この場で公開しないことをお詫び申し上げます。
また、キャプションボードなど、箱の中身を予想したとしても、発言はお控えください。合っているかにかかわらず、ご購入くださった方の楽しみを阻害してしまうためです。
ご理解いただけますと幸いです。
あとがき
『2025年"赤"』ネタバレ記事の内容は以上です。
この作品は、私たちなりに、「遺す」というテーマに向き合って生まれました。
作品の内容が、少しでも面白いと感じていただけていれば幸いです。
私たちは、ノウハウを残す目的で作品内容を公開しています。多くの人の目に触れ、今後も存在が認知されると嬉しいです。 下のボタンか、note公式の共有ボタンから、拡散をお願いします。
また、若手制作者向けに、制作中に考えていたことをまとめた記事も同時公開しています。
おわりに
この企画は謎解き制作団体『チャル脱出』さまのご協力で完成しました。
この場で、深く感謝申し上げます。
お読みいただき、ありがとうございました。
白鯨
セージ/たっつー


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