14年前に「オフレコ破り」で世間を騒がせた元政治部記者は今何を思うのか 「暴言まで聞かなかったことにはできない」
■書いたことに一切の後悔はない 全国紙などの一部からは「取材先との信頼関係を損ない、『知る権利』の制約にもつながる」などとオフレコ破りを批判する論調も出た。それでも、書いたことに今も一切の後悔はないという。内間さん自身、オフレコという手法は必要だと認めたうえでこう話す。 「実名ではなかなか語れない本音を聞き、背景を理解した上でオンの取材につなげることでよりよい報道ができる。そういう意味でオフレコ取材は必要だと思います。しかし、それには読者のためになるという前提があり、『無条件で何も書きません』と約束しているわけではありません。確かにあの場はオフレコでしたが、沖縄蔑視の暴言まで聞かなかったことにはできない。これは読者に伝えなければならないと思ったし、今も思っています。スクープを書いたという高揚感は全くありませんでしたが、『書かなければ今も後悔していただろう』という感覚はありますね」 改めて、今回の官邸幹部の発言は、首相に安全保障政策を進言する立場にある人間が核保有を持論としていることが明るみに出たものだ。内間さんは言う。 「今回の懇談の細かな状況はわかりません。しかし、唯一の戦争被爆国である日本の安全保障担当者がそう発言した事実は、伝えるべき大きな出来事だろうと思います。また、沖縄戦で極めて多くの命を奪われた歴史を持つ県民のひとりとしても、このニュースは特に重大なものだと感じます」 「オフレコ破り」を無条件に批判するのではなく、発言の重みと、取材慣行の意味を改めて考えることが大切なのではないだろうか。 (AERA編集部・川口穣)
川口穣