頭脳と異能に筋肉で勝利するデスゲーム   作:もちもち物質@布団

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0日目夜:大広間*1

「ああ……もうそこはチームを組んでるんだったね」

「うん!俺達、なかよしだから!」

「別に仲良しではないが……?」

 さて。

 早速、バカからチーム分けについて物申せば、残された5人がそれぞれに反応する。

「ええと……そうなると、こちらは3人と2人に分かれることになるのかな?ゲームによっては2人だと辛いかもしれないけれど……」

「或いは、向こうを2人と2人に分けて、こっちを1人1人3人に分けて合体させることもできるよ」

 陽とたまは顔を見合わせて、『どうする?』というように囁き合っている。

 あの頭脳派カップルなら2人きりでも、大抵のゲームはなんとかなりそうな気がする。……唯一、鍋のゲームだけは難しいだろうか。バカにはよく分からないが。

「ねえ。或いはさ、私達の内の誰かがバカ君のチームに入って、残り4人は4人で行く、っていうのはどう?ほら、バカ君、首輪無いじゃない?だったら4人の制限は関係ないし。どう?」

 ビーナスの提案もあり、こうしてバカ達のチーム分けは、主に3つの案にまでまとまった。

 

 1つ目の案は、『樺島、海斗、ミナ、土屋』の4人で1チームとなり、『陽、たま、天城、ヒバナ、ビーナス』の5人を2チームに分けるやり方。

 2つ目の案は、『樺島、海斗、ミナ、土屋』の4人を2人と2人に分けた上で、残り5名と上手くくっつけて3人組を3つ作るやり方。

 そして3つ目は、『樺島、海斗、ミナ、土屋』の4人に『陽、たま、天城、ヒバナ、ビーナス』の内の誰か1人をくっつけて5人と4人にするやり方だ。

 

「僕は、2人組ができてしまうのは避けるべきだと思う。できるだけ人数が多い方が、使える異能が多いことになる。安全を取るなら、そうすべきだ」

 最初に意見を述べたのは海斗だ。バカも、『その方がいいと思う!』と頷いた。

 やっぱり、できる限り、皆一緒に居た方がいい。ばらばらになればなるほど、誰かが死んでしまう可能性が高くなる。そんな気がするのだ。

 

「私は、第3案には反対だ。元々組んでいる者達の中に1人で入っていくバカがどこに居る?4対1の状況に持ち込まれて殺される可能性を考えないとでも?」

 続いて、天城も意見を述べた。彼はどうやら、仲良し4人組に1人を加えた5人組にすることに反対のようである。

「ん!?バカ!?天城のじいさん、俺のこと呼んだ!?」

「……お前はバカなのだろうがこちらはそうではない、という話だ」

「そっか!そりゃそうだよな!天城のじいさんは俺じゃねえって当たり前の話だ!」

 バカはよく分かっていないまま脊髄反射で喋って天城を呆れ返らせた。尚、海斗やたまも呆れている!

 

「となると……こちらの4人を2人と2人に分けた上で、3人組を3つ作ることになる、か?」

 そうして海斗がまとめると……そこで、たまが挙手した。

「……私は、この状況を最大限、利用すべきだと思う。樺島君、っていうイレギュラーを活用するには、5人と4人に分かれるべき。そうでしょ?」

 

 

 

 バカは、どうやら自分の話がされているらしい!ということには気づいたが、それ以上のことはよく分からなかったので大人しくたまの話の続きを正座して聞くことにした。正座するのは、なんとなくである。ちゃんと話を聞きたい時には正座するものだ、とバカは学習しているのである!

「私達、『4日目』の話は聞かされてない。でも、3日目が終わった後にも解毒剤が必要になるかもしれない。でしょ?」

「ああ……確かにね。悪魔がルールを全て言ってくれているとは限らない、か」

「そう考えたら、部屋は節約すべきだと思う。それで……まあ、木星さんが居なくて、樺島君には首輪がついていない訳だから、5人と4人に分かれて2部屋で済むようにした方がいいんじゃないかな」

 たまの提案に、陽は頷き、天城も『まあ、それなら……』と納得の色を見せ、そして。

「つまり、バカ君と海斗とミナと土屋さんの4人を2人2人に分けて、残りを3人と2人に分けて……3人組の方を、バカ君のチームとくっつける、っていうことよね?いいんじゃない?私、それでいいわ」

 ビーナスがそう言ったことを皮切りに、全員が『まあいいと思う』と頷くことになったのだった!

 

 

 

 ということで、さて。

「俺達、どう別れよっかぁ……グーとパーで別れるやつにするか?あ、俺、あれのこと『ぐっどっぱ』て呼んでたけど皆なんて呼んでた?」

「私が子供の頃にやったそれは『ぐーぱー』だったなあ」

「私は『ぐっぱー』でしたよ」

「どうでもいいことに時間を費やすなこのバカ!そもそも割り振りをランダムに決めようとするな!考えて決めろ!」

 バカが手をグーとパーにしてワキワキさせていたところ、海斗に怒られてしまった。しょぼん、としながら、バカは『もしかしたら海斗はぐっどっぱやったことなかったのかもしれない……』とちょっぴり心配になってきた!

「まあ……妥当な考え方をするならば、ミナさんとビーナスまたはヒバナを同じチームにするかどうか、ということになるか。どうする?」

 そしてチーム分けの決め方は……結局のところ、ミナに委ねられることになるのだ。

 

 ミナは考えた。考えて……。

「……できれば、一緒のチームにしてください」

 そう結論を出したのだった。

「私、知らなきゃいけないと思うから……」

「……そうか。よし。となると、ヒバナとビーナスが3人組になっていたら、ミナさんは樺島君と組む、ということになるな。逆に、ヒバナとビーナスが2人組になっていたら、その時はミナさんは樺島君以外、私か海斗君のどちらかと組むことになるか」

「それなら、ミナさんは土屋さんと組んだ方がいいだろうな。その……僕は生憎、戦える異能じゃあない。組むなら、盾の異能らしい土屋さんか、筋肉バカかのどちらかの方がいい」

 海斗はどうやら、ミナと2人組になる気はないらしい。まあ、戦う役には立たない異能の海斗と、回復しかできないミナ、となると、確かにあんまりバランスがよくない。

 その点、土屋とミナの組み合わせは……前回も、大分頑張っていたし、丁度いいだろう。土屋が矢面に立って、ミナが土屋を治す、という風に立ち回れば、大抵のものをなんとかできてしまいそうなので……。

 

「分かりました。では、ヒバナさんとビーナスさんがお2人揃って3人組に入っていたら、私と樺島さんのペアになって、ヒバナさんとビーナスさんが2人組だったら、私は土屋さんとペアになります」

 さて。こうして概ね、バカ達4人組の割り振りは決定した。

 のだが。

「……あー、まあ、無いとは思うんだが……ヒバナとビーナスが別のチームになっていたらどうする?」

 土屋がそう、尋ねてきたことによってバカ達はまた考えることになる。(とはいえ、バカ自身はほぼ何も考えていない!)

「へ?あ、そ、そうですよね、そういうことも……ある、のかしら?」

「うん。ヒバナとビーナスは仲悪いふりすることあっからさあ……」

「……それを知らされてしまった僕らは一体どういう顔をすればいいんだ?」

 どういう顔、と言われても困る。バカは『にこにこしときゃいいんじゃねえかなあ』と海斗に答えておいた。

「ええと……その時は、その、ええと……うーん、じゃあ、ヒバナさんの方と一緒、ということで……」

「そうか。ではヒバナが3人組に居たら樺島君と、そうでなかったら私と組もう」

「はい。よろしくお願いします」

 ということで、バカ達の班分けは決まった。

 後は向こうの決定待ち、なのだが……。

 

 

 

「私、絶対にこいつと一緒は嫌よ!」

 早速、ビーナスはヒバナ相手に演技をしていた!

「はァ!?俺だってテメエみてえなクソアマ、願い下げだ!」

 そしてヒバナも一生懸命にそういうことを言う!本人はビーナスのことが大好きなのに!大好きすぎて、自分は死んでしまってもいいと思っているくらいなのに!

 バカは『喧嘩はやめようよぉ……こういうの確か、ハゲな争いって言うんだぞ……』とおろおろし、海斗が『もしかしてそれは不毛な争いのことか?』とバカ語の翻訳をしてくれた。

 ミナと土屋は、『ああ、この2人、仲良しなはずなのに喧嘩して見せてる……』と、何とも言えない顔で2人を見守っていた!

「ねえ、たま!私と組まない?女同士、丁度いいと思うんだけれど」

「え、うーん……どうしようかな。私は別にそれでもいいけど……」

 そしてビーナスに誘いを掛けられたたまというと、陽の方を、ちら、と見て、どう?というような素振りを見せた。

 ……それを見た陽は、心配そうな顔になる。陽としては、恋人のたまと離れ離れになってしまうのが不安なのだろう。たまの方はあっけらかん、としているが。

 だが。

「ならば私達は男3人ということになるか。私はそれでも構わん。あのバカと同じチームになるのは不安だがな」

 天城がそう言い出したことによって、なんとなく『女2人、男3人』の別れ方になってきてしまった。

 バカは『天城の爺さんが積極的に行動してる!』とびっくりしながら事の成り行きを見守る。……すると、たまと陽は少し何か話して、それから互いに納得し合ったらしい。

「分かった。じゃあ、男3人、女2人の分け方にしようか」

 そうして5人の方の分け方も決定し……さて。

 

「……ミナさん、その、大丈夫かな?」

「だ、大丈夫、ですぅ……」

 ……ミナは。

 ヒバナの居る方……つまり、男3人の方と組むことになってしまったのである。

 バカも含めて、ミナ以外は4人とも、男である。しかも、チンピラヒバナに偏屈天城も一緒なものだから、ミナとしては不安だろう!

「その、まだ調整はできるが……」

「い、いえ。それでも私、やらなきゃ……!」

 それでも、ミナの意思は固いらしかった。ミナは、『ちゃんと、知らなきゃ……』と呟きながら、ぎゅ、と手を握りしめて、唇を引き結んで、気合を入れていた。

 ……が。

「樺島さん、よろしくお願いします、ね……?」

「……ほ、ほんとに大丈夫かよぉ、ミナぁ……」

 ミナは緊張のあまり、ぷるぷるぷるぷる、震えているのであった!

 バカ、心配!

 

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