ロシア軍、キエフ近郊に空爆 衛星写真で見る
キエフ郊外のストヤンカで炎上する倉庫(3月10日)=Satellite image ©2022 Maxar Technologies
ロシア軍がウクライナ首都キエフの包囲を進めている。衛星写真を見ると、キエフ近郊で空爆など攻撃の跡が見える。米国防総省高官によると、ロシア軍はキエフ中心部まで15キロメートルに迫った可能性がある。ウクライナ南東部マリウポリなどでも市街地への攻撃が続く。ロシア軍の侵攻を衛星写真で見る。
衛星写真で見る空爆
アントノフ空港(地図①)
米衛星運用会社のマクサー・テクノロジーズが10日にキエフ郊外のアントノフ空港を撮影した衛星写真には、複数の航空機と共に黒い煙が立ち上っている様子が写っている。マクサーは燃料貯蔵施設が炎上していると分析する。同空港はキエフ中心部から約30キロメートルの場所に位置しており、東京・横浜間に相当する距離だ。
ボロディアンカ(地図②)
9日にキエフ郊外の市街地ボロディアンカを撮影したマクサーの衛星写真には崩壊した建物が写っている。マクサーは大きく損傷を受けた住居だとしている。ウクライナ軍の激しい抵抗に遭うなか、民間施設も標的となっていることが分かる。SNS(交流サイト)では戦火に見舞われた市街地の様子を伝える投稿が相次いでいる。
ストヤンカ(地図③)
キエフ郊外にあるストヤンカを10日に撮影したマクサーの衛星写真には大規模施設が大きく損傷している様子が写っている。屋根が壊され、建物の骨組みが露出しているように見える。マクサーは破壊されて炎上中の倉庫だとみている。倉庫はキエフ中心部まで約20キロメートルの地点に位置する。東京と川崎の距離とほぼ同じだ。
ベレスチャンカ(地図④)
2月下旬にはロシア軍がキエフ郊外で戦力を強化し、約64キロメートルにも及ぶ軍用車両が列を作っている様子が衛星写真で確認されていた。マクサーによるとロシア軍はその後、周辺への再配置が進んで一部部隊は森林地帯の近くに展開されている。9日にキエフ郊外のベレスチャンカを撮影した同社の衛星写真では木立の中に並ぶ複数の車両のようなものが確認できる。同社は補給車とみており、周辺には複数のロケット発射装備が展開中の可能性もあるとしている。
マリウポリ
破壊された建物と住居(写真下部のボタンで操作)
ロシア軍による市民を巻き込む攻撃は広がっている。マクサーが9日にマリウポリを撮影した衛星写真には空爆や砲撃によって建物が損傷を受けた様子が写っている。2021年6月21日の写真と比較すると、建物の周辺にがれきのようなものが新たに積み上がっている様子が確認できる。同社は破壊された建物と住居だとしている。
破壊されたショッピングモールと食料品店(写真下部のボタンで操作)
市民が日常的に利用する施設も攻撃対象となった。9日にマリウポリの別の場所を撮影したマクサーの衛星写真には、大きく損傷を受けた施設が写っている。2021年6月21日の写真と比較すると、建物が黒く焼け焦げ一部では屋根が壊れているように見える。同社は破壊されたショッピングモールと食料品店だとしている。
ミサイル発射数で見る空爆
ロシア軍は開戦直後からミサイルでウクライナ各地を攻撃している。米国防総省によると2月24日から3月9日にかけ、ロシア軍はウクライナ侵攻で合計710発以上のミサイルを発射。3月に入ってからも300発以上のミサイルが発射されたという。
発射場所はロシア国内にとどまらず、ウクライナ国内、ベラルーシなど多岐にわたるという。種類も中短距離の弾道ミサイルから巡航ミサイルまで様々だ。
ウクライナ第2の都市ハリコフの市街地では多連装ロケット砲(MLRS)が多数着弾したとの目撃情報も相次いでおり、多くの建物が被害を受けている。
映像で見る空爆 ウクライナの産科病院も
ウクライナは9日、南東部マリウポリの産科病院をロシアが空爆したと非難した。米国防総省高官によると、ロシア軍は無誘導爆弾を使っている形跡がある。標的に向けて正確にコントロールできないので、民間人被害が多くなる傾向がある。
編集
佐藤賢、伊地知将史、近藤康介、小川知世