【大河べらぼう】松前道廣 役・えなりかずきインタビュー「初大河に武者震い!」 - リリース情報 - 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」 - NHK

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

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【大河べらぼう】松前道廣 役・えなりかずきインタビュー「初大河に武者震い!」

松前家八代当主で、時には行き過ぎた行動も平気でやってのける奔放な性格の道廣。演じるえなりかずきさんに、念願だったという初めての大河ドラマ出演への意気込み、役作りや共演者の印象について伺いました。

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憧れのスタジオに感無量

オファーをいただいたときは、本当にびっくりしました。もちろん出させていただけるのなら、どんな役でもぜひ!という気持ちでしたが、森下(佳子)先生の台本はとてもおもしろく、トリッキーな役をいただけたこともうれしくて、武者震いしました。

クランクインの日はドキドキでした。初めての大河のスタジオ…。大河ドラマはいつも同じスタジオで撮っていて、僕もいつかここでお芝居ができたらいいなと思っていた憧れの場所。夢がかない、幸せをかみしめました。しかし、セットの豪華さには圧倒されました。初めてです、セットの圧を感じたのは(笑)。カメラの台数も多く、スタッフさんも多い。しかも、目の前には渡辺 謙さん、生田斗真さん…。僕、自分でもびっくりしたのですが、一瞬、頭が真っ白になってせりふが飛びそうになりました。そうとう気持ちが高ぶっていたのだと思います。  

幼いころから大好きだった時代劇

時代劇や大河ドラマは昔から大好きで、それこそ、渡辺 謙さんが出演された作品もたくさん拝見しました。日本史好きということもありますが、僕の中では「お江戸でござる」(※1)に出させていただいていたことも大きいと思います。当時はまだ小学生でしたが、時代劇の所作や着物の作法、刀の位置などさまざまなことを番組の方々に教えていただきました。着付けができるようになったのもよかったですし、このときの経験や感じたことが今に生きているような気がします。今回の衣装は羽織と袴(はかま)ですので、さっそく自分で購入して、ひとりで着られるよう練習しました。やはり、着物を着るとギアが入るといいますか、背筋がスッと伸びるのを感じます。

考えてみると、「べらぼう」のように、江戸の町人の物語と幕府の物語がこれほど両立している時代劇は今まであまりなかったです。僕が言うのもおこがましいのですが、吉原と政治という2つのブロックのバランスがとてもよく、場面展開もスピーディーで、改めて森下先生のすごさを実感しています。

(※1)1995から2003年まで総合テレビで放送された、江戸が舞台のバラエティー番組。  

第一印象から一転した道廣の人物像

道廣は実在した人物なので史実にも残っていますが、とにかく破天荒。台本を読んでも、ただただひどい奴という印象でしたので、僕は“悪代官”のような悪い演技をしようと、あれこれ家で考えていました。ところが、演出の大原(拓)さんから初めにいただいた説明は、“道廣を怖いとか悪役だと思わないでほしい”ということでした。キャラクターのイメージは、『十三人の刺客』(※2)で稲垣吾郎さんが演じた “笑いながら刺すような人”。そして、“悪いことをしている自覚は全くない”“教育はきちんと受けていて上品”というキーワードもいただきました。つまり、僕は完全に誤った捉え方をしていたのです。頭の中で勝手に作ってしまった悪役のイメージを振り払い、すぐにマインドを変えていかなければと思いました。

とはいえ、やはり、道廣の初登場シーン(第21回)は、かなり衝撃的です。女性を的にして火縄銃を撃つなんて常軌を逸した行動ですが、おそらく彼にとってこれも日常の一コマ。ターゲットを変えてはしょっちゅう同じようなことをしていたのでしょう。悪役ではないと頭では理解しつつも、収録中はやはり、無意識に力が入っていたようです。演出の方からは、“もっと楽しんでください”“もっと明るくいきましょう”というディレクションがありました。結局、10テイクぐらい撮り直しましたが、最終的に採用していただいたのは、最も“普通”で自然なものでした。人が苦しんだり怖がったりする姿を見るのが楽しい――趣味を楽しむように、人に銃を向ける――。なるほど道廣の“普通”とはこういうことなのかと、このシーンを機に、彼に対する解像度が一気に上がりました。

(※2)『十三人の刺客』は三池崇史監督による2010年の映画。稲垣吾郎は冷酷無慈悲な松平斉韶を演じた。  

親しみを感じるほど道廣に傾倒⁉

第21回の放送後は、たくさんの反響をいただきました。特に、銃を撃つ姿がめちゃくちゃ怖かったという声が多く、やはり演出の方がおっしゃっていたように、あえて力を抜いたことがよかったのだなと思いました。誰もが経験したことがあると思うのですが、やってやるぞ!見せてやるぜ!と気合いが入っているときって、満足しているのは自分だけで、意外と周りには響かないものです。無駄なものをそぎ落とすことによって、いい効果が生まれるというのは、お芝居のおもしろさと難しさでもあるし、人生と同じだなと感じました。

“道廣が怖い”という反響をいただいときにふと、僕はもう、怖いという印象は一切なく、道廣の全てを受け入れてしまっていると気づきました。もはや親しみさえ感じてしまっているので、感覚がちょっとおかしくなってきているのかもしれません(笑)。あっ…、これは危険です。倫理観を失わないように気をつけます!

余談になりますが、銃を撃つ姿が少しでも自然に見えるよう、個人的にグアムで射撃の体験をしてきました。実は僕、クラッカーもひけないようなビビリな性格でして…。道廣は、なかなかの距離があるところから、いとも簡単に撃ちますが、実際は体がビクッと動かないよう、かなり我慢していました(笑)。  

道廣役で得たさまざまな発見と喜び

僕は役をいただいたとき、自分と似ているところがあるか考えてみるのですが、今回は、似ている部分というより、自分の知らなかった一面に気づくことが多かったように思います。というのも、政治的な謀略や駆け引きのシーンでは特に心が揺さぶられ、自分はこういうお芝居が好きなのだと気づきました。例えば、一橋治済と話すとき(第21回)、道廣は治済の真正面に座ります。自分の席は別のところにあるのに、そこに座らず、あえて対面に行くことで、治済との距離の近さと自分のポジションを田沼(意次)や家臣に見せつけたわけです。また、幕府を出し抜いてひともうけしようと、大文字屋(市兵衛)をけしかけるシーン(第24回)も好きです。こういう展開って、たまらなくわくわくするんです。

そういえば、大学受験で日本史を勉強していたときも、こういった出来事は楽しんで覚えていたのを思い出しました。道廣役をとおして、自分でも気づいていなかった一面や、忘れていた記憶をたくさん引き出してもらえたような気がします。

そして、第24回では、大文字屋役の伊藤淳史さんと33年ぶりに一緒にお芝居をすることができました。33年ぶりです!再会を喜び、先日、ゴルフにも行ってきました。本当に感慨深いです。  

大先輩からいただいた最高の褒め言葉

渡辺 謙さんとは、10代のときに一度、同じドラマに出演させていただいたのですが、本格的な共演は初めてです。とにかくものすごいオーラで、わー!謙さんだ!と興奮しました。目が合うとゾクッとするほどだったのですが、役柄上、気後れしてはいけないので必死でした。「ベストキャスティングだ」というお言葉もいただいて、最高の気分です。

実はうれしかったことがもう一つあります。クイズ番組で共演している、くりぃむしちゅーの上田(晋也)さんが(三浦庄司役の)原田泰造さんから聞いたというエピソードなのですが、謙さんから「えなりと同じシーン撮影した?」と聞かれた泰造さんが、「これからです」と答えたところ、「えなりの殿様は怖いぞ~」と、謙さんがおっしゃったそうです。謙さんのお言葉を、泰造さんと上田さんを経由して知る形になったのですが、間接的な褒め言葉って3倍ぐらいうれしいです。自分がいないところで話題にしてくださった言葉は本物だと解釈して喜んでおります(笑)。  

ひょうろくさんの不思議な魅力

道廣の弟・廣年役がひょうろくさんだと知ったときは、なんてすばらしいキャスティングだと思いました。兄弟として全く違和感がない組み合わせです。横に並んだとき、DNAが同じなのでは?と錯覚するほどでした。

ひょうろくさんのことは、バラエティー番組や動画で存じ上げていましたが、お話ししてみたら、想像以上にお優しい、物腰の柔らかい方でした。お芝居をしているときは、たたずんでいるだけでも雰囲気がありますし、テレビで拝見していた印象とのギャップの大きさに衝撃を受けています。とてもミステリアスに感じたので、空き時間を利用して、インタビュアーのようにいろいろと質問してしまいました。たぶん今、誰よりもひょうろくさんについて詳しいと思います(笑)。  

学びの多い収録現場

今回、こうして一視聴者としても大好きな「べらぼう」に、とてもすてきな役で出演させていただき、改めて身の引き締まる思いです。収録現場も本当にすばらしい。ワンカットワンカット、いい映像を撮ろうと、勝負師のような気迫の技術さん。一瞬で江戸時代の世界観に没入できるような壮大なセットを作る美術さん。演出と役者さんが密にコミュニケーションを取っているのも印象的でした。それぞれの立場で感じたことを提案し合い、ディスカッションすることによって、実際、がらりと空気も変わるんです。皆さんのプロフェッショナルな姿を間近で見ることができ、とてもいい経験になっています。またいつか大河ドラマに呼んでいただけるよう、僕ももっともっと頑張らなければいけないなと強く思いました。

 

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