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【イベントレポート】アクティブ・バイスタンダートレーニング

 みなさま、元気にお過ごしでしょうか。ANRI佐々木です。 
 先日、弊社ANRIのインキュベーション施設「CIRCLE by ANRI」にて、「SISTERS」様より、ハラスメント研修として「アクティブ・バイスタンダートレーニング」を行っていただきました。当日の様子や、そこから得た学びをお届けします🌱

SISTERSとは

 今回は、株式会社SISTERS様が取り組まれている起業家への性被害を予防する「たまむすびプロジェクト」の一環として、アクティブ・バイスタンダー研修を行なっていただきました。株式会社SISTERS様は民間企業におけるハラスメントの問題や、若い世代の性暴力を中心に「ジェンダー教育」という手段を通じて日本のジェンダー・ギャップ是正に取り組まれています。

たまむすびプロジェクト とは
株式会社SISTERSと非営利株式会社ピロウが共同で取り組む、起業と性被害問題の予防に取り組むプロジェクト。
研修・相談窓口設置・調査・政策提言など多角的に取り組んでいます。

https://note.com/tamamusubi_pj/n/nc2c7ca4ca90e

株式会社SISTERS
・代表取締役 鈴木 彩衣音 Aine Suzuki
・ビジョン:性別による不条理な出来事に遭遇せず、自分らしく生きられる社会を目指す
・2023年7月設立。若い世代の性犯罪の予防/支援活動、民間企業へのハラスメント研修、相談窓口を事業として提供。

https://sisters.club/

研修を依頼した背景

 弊社では、昨年9月に虹色ダイバーシティ様よりDE&I・LGBTQ+セミナーを提供いただいてから、DE&I映画鑑賞会や、外部講師を招いたジェンダー講習会など、CIRCLE入居者さんにも参加いただける取組みを続けてきました。
 組織全体での知識レベルを上げるため、日々ANRIメンバー同士でも身近なDE&Iに関する問題や違和感について話し合い・学び合いながら、研修やイベントを通じて直近事例や用語・構造の理解をアップデートしてきたなかで、より具体的にどう行動すれば良いのか?どんな言葉を使えばいいのか?という関心が高まりました。実践的な行動様式を学べる研修を計画していたところ、昨年11月に”起業と性被害”のVC・スタートアップ向け実践型イベントを実施されたSISTERS様へぜひご依頼したいと思い、今回の研修内容を練っていただきました。(度重なるお打合せの時間、本当にありがとうございました!)

「ハラスメント研修~傍観者にならないために~」

 今回の研修では①ハラスメントの問題を知り、深刻さを認識する②アクティブ・バイスタンダーの重要性を理解する、③明日からできる具体的なアクションを考えることをゴールに置き、ANRIメンバーは必須参加とし、CIRCLE入居者で希望する方にもご参加いただきました。
 当日には、講師として非営利株式会社ピロウの江連 千佳様も参加され、起業と性被害に関するご自身の最新の研究内容も共有いただきました。また、フラッシュバックなどの侵襲性を伴う研修になるので、セーフティースペース確保のため臨床心理士の松尾 華香様にサポートいただきました。休憩室の確保など、ご配慮ありがとうございました。3名みなさまから質疑対応をいただけ、活発な議論となりました。

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グランドルールを説明する講師の鈴木様

 「アクティブ・バイスタンダー」は被害を軽減するために積極的に介入する第三者を指しますが、まだまだ日本では耳慣れない言葉です。耳馴染みがないと、どこか遠いこと(自分とは関係ないこと)のように感じやすく自分ゴト化しづらいため、本研修の狙いとなる「傍観者にならないために」を研修タイトルに添えました。

 研修の前半はハラスメントの基礎講座で、どんな性(ジェンダー、セクシュアリティ)の人でも性暴力の被害者・加害者になりうるという前提のもと、ハラスメントの類型や、性被害は同意のない性的行為全てであること、女性起業家の性被害の実態やハラスメントが起こりやすい業界構造の解説をいただきました。後半では、3人組(加害者・被害者・バイスタンダー)のグループワークを3セッション実施いただきました。ネットワーキングイベントやセカンドハラスメントなど、より私たちの身近な場面や実際に起こったケースなどを基に、グループワークのスクリプトを作成いただきました。

研修を通じた学び

 研修全体を通じて、誰かが困っているときはまず被害者保護が最優先であり、被害が拡大させないための介入が非常に有効であるというメッセージをいただきました。また、介入方法として5D(直接の指摘、記録、寄り添い、助けを求める、注意を逸らす)を教えていただきましたが、介入方法は様々なものがあり介入に正解はないという指摘も慧眼でした。知人から相談を打ち明けられた時も、もらいたいサポートは人それぞれ違うので、自身で判断せずまずは相手に寄り添うのが大切であること。また、ハラスメントの指摘を受けたとしても、先ずは自覚して受け止めつつ、相手のバウンダリー*(境界線)を尊重するには自分を尊重することから始まるので、周りのサポート等を得てセルフケアをしながら自身に向き合っていく大切さも教えていただきました。

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5D
(2025年5月19日SISTERS様の研修資料より)

 研修後の参加者アンケートでは、主に3つの気づきがありました。

 まず、特にロールプレイング型ワークショップへの反響が非常に多かったです。ワークショップでは、3人のグループになり、台本に沿ってそれぞれ役を演じ、ハラスメントの状況を体験しました。いくつかの状況パターン実際に介入することへの迷いや、相手(被害者)は介入が望んでいるのか?や関係性・文脈に応じた適切な対応などを考える難しさ、とっさの寄り添いの言葉を忘れやすい実感などの声があり、(被害構造や介入方法について)”客観的には理解できるし、できそうと思うけれど、いざ実際にやってみると難しい”という実感を得た人が多かったようです。

 また、被害者役で実際に追い込まれたときに言葉に詰まる”逃れられなさ”の言及もあり、実践をしてみることで当事者が置かれる立場を具体的に体感することで、改めて内省を促す機会となりました。

 そして、事後サポートの重要性・有効性への気づきや、「ゆるやかに介入したい」という声もあり、どんな介入ができそうかを考える意見もありました。介入の難しさはありつつ、色々な介入スタイルがあるという学びのもと、いざという時に行動できるよう、これからも日々の練習や実践を通じて、それぞれができる介入方法や寄り添いの言葉・態度をトライし続けていきたいと思います。

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3人組グループ。ANRIメンバーとCIRCLE入居者さんも。

 また、組織としてDE&Iへの意識は引き続き高いのですが、実際の行動につなげていく重要性を挙げる声も多かったです。これらの課題にも取り組むため、今後も引き続き、対話の場を設定し「自分ゴト」として当事者意識を引受けながら、継続的に活動に取り組んで参ります。

*フラッシュバック:トラウマ体験後、何かのきっかけで過去のトラウマ体験が鮮明に思い出されたり、まるで再体験しているかのような状態。性被害は、被害者の半数がPTSDを発症する、PTSD発症率がもっとも高い深刻なトラウマ体験。
*バウンダリー:自分と相手の間にある目に見えない境界線、個々の違い、その違いを守るもの。安全だと思う領域は人それぞれ。身体以外にもさまざまな境界線が存在する。

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