いいか、しんのすけ。
「4M変更管理が重要だ」というのは簡単だ。
大事なのは、
『変化の型と影響度を理解し、管理レベルを判断できる』土台を作ることなんだぞ。
4Mといえば次の4つだ。
人:Man
機械:Machine
材料:Material
方法:Method
QMS(品質マネジメントシステム)では、この4つの現場運用の要素が特に品質に影響を与える要素として、変更管理の手法に位置付けている。
例えば、設計変更(形状、公差、材質変更など)は、図面に残る。
さらに、設計審査に加えて、設計以外の品証、開発、生技、製造、生管、調達など様々な承認が必要で、変化点への影響は議論に乗りやすいんだ。
一方、現場の4M変更は、製造周辺の承認のみでよく、生技ですら仕組み無しではその変更を追うことが難しい。
だから、サイレント変更が不具合発覚後に分かることがあるんだ。
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4M変更における影響度の例を挙げてくぞ。
人(Man):
判断・手加減・動作速度のばらつきでの品質差
機械(Machine):
加工精度・外観、摩耗(加工回数)による品質差
材料(Material):
メーカー別の品質差や納入形態などで加工精度の品質差
方法(Method):
原理変更での加工状態の品質差、後工程加工への品質影響。
例えば、レーザーとプレスの切断差として、バリの出方や、後工程の反り・割れ傾向が変わるなど
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変化に対する影響をパッと思いつく一部を並べても、いくらでも出てくる。
つまり、すべての変化に同じ重さの対応は、リソース上不可能だ。
だからこそ、影響度で切り分け、管理レベル別に対応する必要があるんだぞ。
管理レベルは、最低でも次の3段階で設計することが望ましい。
レベル1: 記録+通知
レベル2: 工程表更新+初期流動チェック(初品又は短期的な継続確認)
レベル3: 妥当性確認+承認
変更の項目、変化の内容に対して、影響度における管理レベルを根拠をもって言えないということは、判断が属人化、判断基準が未定義の状態なんだ。
適切な判断ができず、サイレント変更のリスクが残留しているとも言えるぞ。
工場ですべき当たり前を標準化することがQMSにおける最難関項目だ。
そして、4M変更管理はその最たる例とも言える。
変更を止めるのを管理とは言わない。
正しく品質に変換してこそ、管理となるんだ。
属人化されているのは技能だけではないからな。
放置されてきた技術知見の標準化、それが技術者に向けられている課題なんだぞ。