日本の税金が「中国のミサイル」に変わっている…東大・京大が歓迎する「スパイ留学生」のヤバすぎる正体

中国人『スパイ留学生』に警鐘 中国の新兵器の一つに日本の技術が流用された可能性

記事まとめ

  • トランプ政権は技術を盗んで軍事転用する中国人留学生を締め出そうとしているらしい
  • 中国の『スパイ留学生』を招き入れている東大なども厳しく対応すべきと指摘されている
  • 中国の新兵器の一つである極超音速ミサイルに日本の技術が流用された可能性がある

日本の税金が「中国のミサイル」に変わっている…東大・京大が歓迎する「スパイ留学生」のヤバすぎる正体

日本の税金が「中国のミサイル」に変わっている…東大・京大が歓迎する「スパイ留学生」のヤバすぎる正体

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/vchal

2025年5月22日、トランプ政権はハーバード大学に対して外国人留学生の受け入れ資格を剥奪すると通知した。経済安全保障アナリストの平井宏治さんは「アメリカは機微技術を盗み出して帰国後に軍事転用する中国人留学生を締め出そうとしている。中国の『スパイ留学生』を招き入れている東大や京大も厳しい対応を取るべきだ」という――。(第4回)※本稿は、平井宏治『日本消滅』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。

■なぜ米IT大手オラクルはTikTokを買収したのか

アメリカがとりわけ中国に対して強く懸念しているのは、中国発の一連の事業や活動が、すべて中国共産党が掲げる軍民融合政策に基づいているからだ。官民問わず、とにかく軍事優先で産業活動を展開することに決められているのが中国である。

トランプ政権は議会と協力し、CFIUS(対米外国投資委員会)によるグリーンフィールド投資審査の強化を決定した。グリーンフィールド投資とは、既存の企業を買収するのではなく、法人を新たに設立して設備や従業員の確保および取引関係の構築や顧客の確保などをすべて一から行うかたちの投資のことだ。

中国をはじめとする敵対外国勢力が人工知能などアメリカの重要技術に従事する人材や業務にアクセスすることを制限し、CFIUSが対応できる新興技術や基盤的技術の範囲は拡大されることになる。

2025年9月22日に発表された、米IT大手オラクル連合による中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」アメリカ国内事業の買収も、まさにこうした動きを背景にしている。

■情報流出だけじゃないTikTokの潜在リスク

トランプ大統領は国家安全保障上の懸念を理由に、TikTokを運営する中国企業バイトダンスに対して事業売却かアメリカでのサービス停止を迫っていたが、アメリカ事業の売却でケリがついた。

当初、個人情報の流出うんぬんといったことばかりがマスメディアで取り沙汰されていたが、TikTok問題は他にもある。TikTokの運営を手がけるバイトダンス社が、オラクル社のクラウドコンピューティングを介してNVIDIAのGPU(Graphics Processing Unit、グラフィックス・プロセッシング・ユニット)「H100」を搭載したサーバーをレンタルし、TikTokの動画処理・配信用サーバーとして使っている。

TikTokはアメリカ国内にあるH100搭載のサーバーを借り、AIモデルの開発を行い、成果を中国に持ち帰っている。

NVIDIAは世界トップクラスのGPUを開発している。そもそも、GPUは画像高速処理のためのプロセッシング・ユニットだが、その並列演算による高速計算能力は、人工知能技術を開発するうえで、必要不可欠な存在となっている。人工知能技術の差は、軍事能力の差に直結し、国家安全保障に直結する。

■留学生を締め出す真の狙い

トランプ政権は、アメリカから中国に対する投資のあり方についても神経を尖らせている。アメリカ人投資家による中国の軍事産業部門への投資をさらに抑止するために必要なあらゆる法的手段を駆使するとしている。

半導体、人工知能、量子計算、バイオテクノロジー、極超音速、宇宙航空、先端生産技術、指向性エネルギーおよび中国の軍民融合政策が対象とするその他の分野をターゲットとして、新しい規制と既存の制限の拡大を準備し続けている。

さらには、アメリカ国内の年金基金や大学の基金、投資事業有限責任組合(limited partnership)、投資ファンド、ベンチャーキャピタルなどの投資組織にも制限をかけている。

2025年5月22日、トランプ政権はハーバード大学に対して外国人留学生の受け入れ資格を剥奪すると通知した。その理由をマスメディアは「政府は、一部の大学が左傾化し、反ユダヤ主義を助長していると主張している」と報じた。

ハーバード大学の提訴によって資格剥奪はマサチューセッツ州の連邦地裁から一時的に差し止められ、結果はどうなるかは今のところ不明だが、トランプ政権の目的は、アメリカの機微技術や軍民両用技術を盗み出して帰国後軍事転用する中国人留学生(産業スパイ)をアメリカから締め出すことだ。テロ支援者に大学の入学許可を与えるのをやめることと同じ意味を持つ。

■中国のスパイが日本の大学に紛れ込んでいる

中国には人民解放軍が使用する兵器や装備品の開発を担う「国防7校」と呼ばれる大学がある。①北京航空航天大学、②ハルビン工業大学、③北京理工大学、④ハルビン工程大学、⑤南京航空航天大学、⑥南京理工大学、⑦西北工業大学、だ。

これら7大学は国務院国家国防科技工業局が直接管理している。軍民融合政策の、まさに根幹を担う研究組織だからである。

これら「国防7校」と呼ばれる大学から留学してくる学生の目的がスパイ活動にあり、先進技術の簒奪にあることは明らかだ。「国家情報法」の7条には、「いかなる組織及び個人も法に基づき国家諜報活動に協力し、国の諜報活動に関する秘密を守る義務を有する」と書いてある。

ところが、この状況に対して極めて緩い対応をしているのが日本だ。文部科学省が発表した「令和4年度〈海外の大学との大学間交流協定、海外における拠点に関する調査結果〉」によると、日本には国防七校と提携を行う国公立・私立大学が、複数校と提携するものを含めて東大、京大、北大、早稲田、上智、立命館をはじめ51校ある。

■公安が公表した技術流出の実態

日本の各大学への留学生の中には、中国帰国後に兵器開発や性能の向上の研究に従事する者が少なくない。2022年2月20日、読売新聞朝刊は【経済安保[見えない脅威](4)「極超音速」和製技術も】のタイトルで、中国の新兵器の一つである極超音速ミサイルに日本の技術が流用された可能性がある、という記事を報じた。

《マッハ5以上の速度で飛行し、現状のミサイル防衛では迎撃が困難とされる極超音速兵器。戦争の様相を一変させる「ゲームチェンジャー」とも称される最新技術の開発を巡り、中国が日本の知見を流用した恐れがある――。公安調査庁はこう警告する報告書を関係閣僚にひそかに提出した。昨年5月のことだ。

報告書は「我が国から帰国後、中国の大学・研究機関で極超音速関連研究に従事する中国人研究者が多数存在する」と指摘し、ジェットエンジンや流体力学、耐熱素材などの専門家を挙げた。

同庁関係者によると、うち1人は中国の軍需企業傘下の研究所研究員を経て1994年、東北大の助教授に就任。科学研究費助成事業(科研費)を受け、宮城県の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の関連施設に出入りした。2000年頃、中国に戻ると、中国科学院の研究所に所属し、2017年にJAXAの施設と形状が似た極超音速実験施設の開設に関わったという》

■東北大学と中国の深い関係

これが事実なら、日本独自の先端技術が国立大学を通じて中国に渡り、最新兵器の開発に利用されたことになる。日本学術会議の「軍事目的のための科学研究を行わない声明」は与太なのかということだ。

具体的に校名の出ている東北大学はとりわけ中国との関係が深いようだ。私が調査したところでは、東北大学には他にも2名の中国人助教授が採用され、流体工学の研究を行っていたという事実がある。

うち1名は、1996年度から1998年度に東北大学流体科学研究所に助教授として勤務して「極超音速衝撃波管を用いるマッハ数20の衝撃波背後の実在期待効果に関する研究」などを行い、もう1名は2007年度から2014年度に同じく東北大学流体科学研究所に准教授として在籍して「10キロメートルの大気を通過する10メートルの極超音速隕石のシミュレーション」などを研究していた。有事に東北大学から窃取された技術を使った極超音速ミサイルが仙台に着弾し、多数の死傷者が出たら、東北大学の関係者はこの光景をどう眺めるのだろうか。


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平井 宏治(ひらい・こうじ)
経済安全保障アナリスト
1958年神奈川県生まれ。電機メーカーやM&A助言、事業再生支援会社などを経て、2016年から経済安全保障に関するコンサル業務を行うアシスト社長。M&Aや事業再生の助言支援を行う傍ら、メディアに寄稿や講演会を行う。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。著書に『経済安全保障のジレンマ』(扶桑社)などがある。
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(経済安全保障アナリスト 平井 宏治)

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