RSK山陽放送の能舞台「tenjin9」に土足で?炎上騒動から見える“多目的ホール化”と伝統文化への向き合い方

岡山の放送局・RSK山陽放送の社屋にある能舞台付きホール「能楽堂ホールtenjin9」で収録された番組の写真が、X(旧Twitter)で大きな議論を呼んでいる。
写真には、前首相・石破茂氏と小長啓一氏が、能舞台の上に置かれたソファに“靴のまま”座って対談している様子が写っており、「能舞台に土足はあり得ない」「違和感を覚えた」という声が一気に拡散した。
一方で、「ここは多目的ホールとして運用されている」「養生しているなら問題ないのでは」という擁護や冷静な意見もあり、ネット世論は真っ二つに割れている。
RSK山陽放送は批判を受け、公式Xで「床板の上に養生を施した状態で収録した」と説明し、表示や説明が不十分だったとして謝罪した。しかし、「物理的な保護」と「伝統文化への敬意」は別の次元の話であり、多くの人が覚えた違和感はなお消えていない。
この記事では、今回の騒動で何が起きているのか、何が事実で何がまだ分からないのか、そして視聴者・来館者としてどう受け止めればいいのかを整理する。

まず結論をざっくりまとめる

結論から言えば、「ルール上は“多目的ホールとしての利用”の範囲内だった可能性が高いが、映像としての見せ方や説明不足により『能舞台=土足OK』という誤った印象を与え、伝統文化への敬意に欠けて見えてしまった」という構図である。
能楽堂ホールtenjin9は、RSK山陽放送の新社屋1階に設置された、本格的な総檜造りの能舞台を備えた多目的ホールであり、通常は足袋着用が原則だが、パンチカーペットやリノリウムで養生すれば靴での利用や演台・備品の設置も想定されている施設である。
一方で、一般的な能舞台は「神聖な場」として土足厳禁・白足袋が絶対という意識が強く、他の能楽堂の注意事項や能楽の解説サイトでも「舞台は神聖な場所であり、白足袋以外や靴・素足は不可」と繰り返し説明されている。そのため、「政治対談を靴のままで能舞台上で行う」という画が、多くの人にとって強い違和感や不快感として受け止められたのである。
RSK山陽放送は「床の保護」と「説明不足」については認めて謝罪したが、「そもそも能舞台でやる必要があったのか」「神聖な場を“雰囲気セット”として消費していないか」といった、より根本的なモヤモヤまでは解消されていない。この部分は、視聴者それぞれの価値観や、能楽・伝統文化に対する距離感によって評価が分かれるポイントと言える。

項目 内容 現時点の位置づけ
問題となった番組 2025年12月27日15時放送『石破茂×小長啓一 未完の列島改造』 確定(放送・番組名は報道・番組告知で確認)
出演者 石破茂氏(前首相)、小長啓一氏 確定(番組紹介・ニュースで確認)
収録場所 RSKイノベイティブ・メディアセンター1階「能楽堂ホールtenjin9」の能舞台 確定(公式サイトや報道から高い蓋然性)
土足でソファに座っていたか 公式Xに投稿された写真では、2人が靴を履いたまま能舞台上のソファに座っているように見える 確定(画像ベースの事実)
能舞台への養生(保護材)の有無 RSKは「床板の上に養生を施した状態で収録した」と説明 事実としては「RSKの説明として確定」、映像上は分かりにくいという指摘あり
tenjin9のルール 原則は足袋着用だが、パンチカーペット・リノリウム等で養生すれば足袋以外の利用や備品設置も可 確定(公式「利用案内」に明記)
RSKの対応 2025年12月29日、公式Xで経緯説明と「説明(表示)が不十分だった」との謝罪 確定(ORICON NEWSなど複数メディアで報道)
普段から土足で運用されているか コンサートや展示会など多目的利用実績はあり。一部では靴利用の例もあるが、どの程度かは公開情報だけでは不明 一部は確定(公式サイトの利用例)、日常運用の細部は不明
能楽関係者・視聴者の違和感 能舞台に土足は冒涜」「多目的ホール化の悪しき前例」といった強い批判から、「多目的なら仕方ないが見せ方が最悪」といった意見まで幅広い 未確認情報ではなく“世論の傾向”として把握(SNS投稿の傾向)

今回の流れ(タイムライン)

  • 2021年6月頃:RSK山陽放送の新社屋「RSKイノベイティブ・メディアセンター」が稼働し、1階に総檜造りの能舞台を備えた「能楽堂ホールtenjin9」がオープン。伝統芸能だけでなく講演会や展示会などの多目的利用を前提とした施設として紹介される。
  • 2024年9月10日:能楽堂ホールtenjin9の「ご利用案内」最新版が公開され、舞台使用ルール(原則足袋、養生を施した場合は靴も可など)が整理される。
  • 2025年12月27日15時:特別番組『石破茂×小長啓一 未完の列島改造』が放送される。RSK公式Xが、能舞台上にソファを置き、出演者2人が靴のまま座っている写真を投稿。
  • 2025年12月27日~28日:能楽師を含む専門家や視聴者から「能舞台に土足は冒涜」「違和感を覚えた」といった批判がX上で急増。「能舞台」「山陽放送」「多目的ホール」などのワードがリアルタイム検索で急上昇。
  • 2025年12月29日:RSK山陽放送が公式Xで、「床板の上に養生を施した状態で収録した」と説明し、「説明(表示)が不十分だった」と謝罪。ORICON NEWSなどが「能舞台の使用について声明」として報道する。

そもそも何が問題視されているのか

今回の炎上のきっかけは、単に「能舞台の上に靴で上がった」という事実だけではない。
多くの人が違和感を覚えたポイントを整理すると、主に次の3点に集約できる。

  • 能舞台という“神聖な場”で、革靴にソファという演出がされたこと
  • その場で政治対談(前首相と秘書官)が行われたこと
  • 公式投稿だけを見ると「能舞台は土足でもOK」という誤った印象を与えかねないこと

能舞台は、単なる木製ステージではない。能という芸能は神事に由来し、舞台は神社の拝殿に近い性格を持つとされる。多くの能楽堂では、「舞台は神聖な場所であり、白足袋(綿製)を必ず着用すること」「素足や靴下、靴で上がることは許されない」といった注意書きが徹底されている。
そのため、「土足で能舞台に上がる」という行為は、物理的な傷の有無を超えて、文化的・精神的なタブーを破っているように見えた人が多かったというわけである。
さらに、そこが政治番組の舞台であったことも、感情を複雑にしている。
「神事に由来する場を政治的なメッセージの背景に使うのはどうなのか」「わざわざ能舞台を選ぶ必然性があるのか」といった問いは、番組の演出意図とも絡むため、単に“ルール違反かどうか”を超えた議論になっている。

能舞台はなぜ“土足厳禁”とされてきたのか

能舞台が土足厳禁とされる背景には、大きく3つの理由があるとされる。

  • 神聖性:能はもともと神社の祭礼に起源を持つ芸能であり、舞台は神に捧げる場と人が上がる場が重なる特別な空間だと捉えられてきた。
  • 床板の保護:能舞台の床は、磨き上げられた檜の一枚板などが用いられ、靴の摩耗や汚れは致命的なダメージになりうる。
  • 演技上の理由:能の特徴的な摺り足や足運びは、足袋で滑ることを前提に設計されており、靴では動きも音も成立しない。

実際、多くの公立能楽堂利用規約には、「舞台部分は原則白足袋で利用すること」「道具や椅子を持ち込む場合には、必ず養生を行うこと」といった文言が明記されている。
能楽の解説サイトでも、「舞台は神聖なものであり、白足袋以外や素足で上がることは許されない」とされ、白足袋は清浄さを示すシンボルとして扱われている。
つまり、「養生をすれば物理的には傷が付かないからOK」という発想だけでは、能舞台に対する従来の感覚とは齟齬が生まれやすいということだ。

RSK山陽放送の「能楽堂ホールtenjin9」とはどんな場所か

ここで、問題の舞台となった「能楽堂ホールtenjin9」そのものを整理しておきたい。
能楽堂ホールtenjin9は、岡山市北区神町にあるRSK山陽放送の新社屋「RSKイノベイティブ・メディアセンター」1階に設置されたホールである。
三間四方の本舞台と橋掛かりを備えた総檜造りの本格的な能舞台で、鏡板には日本画家・森山知己氏による松が描かれている。能公演はもちろん、講演会、コンサート、展示会、ワークショップなど、多様なイベントに対応できるよう、カラーLED照明や音響機器、仮設舞台の追設にも対応した設計になっている。
公式サイトの「利用案内」を見ると、利用形態は大きく次のように分かれている。

  • 通常利用:足袋を履いて能舞台として利用する(能公演、能体験など)
  • 舞台オプション①:舞台にパンチカーペットやリノリウムを敷いて養生し、足袋以外の靴でも利用可能とする。演台や椅子などの備品も設置できる。
  • 舞台オプション②:目付柱を取り外し、仮設舞台を追設してシンポジウムやコンサート、ラジオ公開収録などに使う。

つまり、tenjin9は「本格的な能舞台でありながら、多目的ホールとしての利用も前提にした設計とルールを持つ施設」である。
今回の番組収録が、どのオプションを具体的にどう使ったのかは詳細が公開されていないが、「養生を施したうえで多目的ホールとして使用した」というのがRSK側の説明である。

ネット上の主な反応:「冒涜だ」という怒りと「多目的なら当然」という声

Yahoo!リアルタイム検索やX上の投稿を俯瞰すると、今回の騒動に対する反応は大きく2つの方向に分かれているように見える。

批判派の論点

  • 能舞台に土足は絶対にあり得ない。能楽の神聖な空間への冒涜だ」
  • 「ソファを置いて革靴で座るなんて、土俵や茶室で同じことをするのか、と感じた」
  • 「tenjin9のサイトには足袋原則と書いてあるのに、局側が確認しなかったのか」
  • 「これを見た人が『能舞台は土足で上がっていい』と勘違いしてしまう。文化教育の観点でも良くない」
  • 「政治対談なら会議室やスタジオでやればよく、能舞台を“雰囲気セット”として消費している」

能楽師や文化関係者からは、「外国の見識ある人に見られたら笑われる」「日本人の精神性への冒涜だ」といった強い言葉も見られた。これらは事実というより“評価”や“感情”であり、事実認定に用いるべきではないが、「能舞台=神聖な場」という価値観が根強く共有されていることを示している。

擁護・冷静派の論点

一方で、擁護や冷静な意見も少なくない。

  • 「tenjin9は最初から多目的能楽堂ホールとして作られており、コンサートや展示会でも靴で使ってきた」
  • 「公式サイトにも“養生すれば靴で利用可能”と書かれている以上、ルール違反とまでは言えない」
  • 「問題はルールよりも、『土足禁止だけど今は養生しています』と視覚的に分からなかったことではないか」
  • 能舞台能楽以外に使うことは珍しくなく、都内にも多目的ホールを兼ねた能楽堂がある。そこでさえ、土足で使う場合は毛氈を敷くなど工夫している」

こうした意見は、「多目的ホールとしての現実」と「能舞台の理想的イメージ」のギャップを指摘していると言える。

RSK山陽放送の説明と、なお残るモヤモヤ

RSK山陽放送は12月29日、公式Xで次のような趣旨の説明と謝罪を行った。

  • 能舞台の使用について指摘を受けている件について説明する
  • 能舞台保護のため、床板の上に養生を施した状態で収録を行った
  • 説明(表示)が不十分だったことをお詫びする

この説明から分かるのは、RSK側は少なくとも「物理的な床の保護」については配慮していたという点である。
実際、tenjin9の利用案内でも「パンチカーペットやリノリウムを敷けば、足袋以外でも舞台利用が可能」と明記されており、今回の運用自体は施設ルールの想定範囲に収まっていると考えられる。
しかしモヤモヤが残るのは、次のようなポイントだ。

  • 写真や映像からは養生が敷かれていることが視覚的にほとんど分からず、「素の能舞台に土足で上がっている」ように見えたこと
  • 説明も一切なく、視聴者は通常の能舞台と同じ“神聖な場”だと受け止める一方で、演出側は「多目的ホールとしての使い方」をしていたこと
  • 能楽師や関係者に事前相談した形跡が見えず、「文化的な意味」を軽視していたのではないかという疑念を持たれたこと

ルール上はグレーではないが、「見せ方」と「文化的コンテクストの扱い」に失敗したというのが、今回の騒動の本質に近いだろう。

視聴者・来館者はどう考えればいい?混乱しないための5ステップ

ここまでの情報を踏まえたうえで、一般の視聴者や、こうした施設を利用する側の人が「どう考え、どう行動すればよいか」を整理しておく。
中盤のこのセクションでは、感情論に流されすぎないための5つのステップとしてまとめる。

ステップ1:まず「どんな施設なのか」を確認する

同じ“能舞台風”の空間でも、

といった違いがある。
施設の公式サイトや利用案内を見れば、「原則足袋」「養生すれば靴も可」など、運営側が想定している使い方がかなり具体的に書かれていることが多い。

ステップ2:「ルール上の可否」と「文化的な作法」を分けて考える

施設が「養生すれば靴OK」としている場合、それは“物理的な管理ルール”としての話である。
一方で、「能舞台は神聖な場だから白足袋で」というのは、より長い歴史の中で育まれた文化的・精神的な作法だ。
どちらか一方が絶対正しいというより、「ルール的にはOKだが、文化的には抵抗を感じる人が多い使い方も存在する」と理解しておくと、議論の焦点がぶれにくくなる。

ステップ3:自分が利用者になるときは、事前に“足元”の条件を確認する

tenjin9のような会場をレンタルしてイベントを行う場合は、

  • 舞台に上がる人は足袋か靴か
  • 養生はどこまで行うのか(どの範囲に敷くか、厚みはどうか)
  • 椅子や機材を舞台上に置いてよいか、その場合の条件は何か

といった点を、事前に会場側とすり合わせておく必要がある。
「多目的だから何でもOK」と思い込んでしまうと、今回と同じような批判を受けるリスクが高まる。

ステップ4:メディアで見た光景を“そのまま真似しない”

今回のように、テレビや配信で「能舞台で靴のまま座談会」といったシーンを見たとしても、それを「どこでも許される一般的な使い方」と受け取ってはいけない。
演出上の都合や、特定施設のルールに基づいた一例であり、他の能楽堂や神社の能舞台では全く通用しない可能性が高いからである。

ステップ5:違和感を覚えたら、感情だけでなく“なぜそう感じたか”を言葉にしてみる

「なんか嫌だ」「冒涜だ」という感情は、決して間違いではない。
ただ、それを少し言語化してみると、

  • 神聖なものを政治の文脈に使ってほしくない
  • 伝統文化の作法が軽視されていると感じる
  • テレビが“誤ったマナー”を広めてしまいそうで不安だ

といった、より具体的な論点が見えてくる。
これは、放送局や施設側にフィードバックを届ける際にも、建設的な対話につながりやすい。

能舞台多目的ホール化」という流れと、その功罪

今回の騒動の背後には、「能舞台多目的ホール化」という時代の流れもある。
公立・民間を問わず、近年は

  • 能公演だけでは採算が取りにくい
  • 地域の文化施設として稼働率を高めたい
  • 伝統芸能に触れる入口として、講演会やコンサートも誘致したい

といった事情から、「能舞台を備えた多目的ホール」が各地で増えている。
こうした多目的化には、プラス面とマイナス面がある。

  • プラス面
  • 能楽に馴染みのない人が、コンサートやイベントをきっかけに能舞台に足を踏み入れる機会が増える
  • 施設の稼働率が上がり、維持コストを賄いやすくなる
  • 地域の文化・観光の拠点として、多様な使い方ができる
  • マイナス面
  • 「神聖な場」という意識が薄れ、単なる“映えるステージセット”として消費される危険性
  • 運用ルールが複雑になり、現場の判断ミスや説明不足から炎上リスクが高まる
  • 能楽そのものより、“能舞台風の空間”だけが記号的に使われるケースが増える

RSKのtenjin9も、この流れの中で生まれた施設だと言える。
だからこそ、「多目的ホールとしてどこまで“崩して”よいのか」「どの程度まで能楽の作法を守るべきなのか」という線引きが、運営側・利用者側・視聴者側の間で共有されていなかったことが、今回の炎上を大きくした一因だろう。

注意点・見落としがちな点・今後の見通し

最後に、今回の騒動をきっかけに考えておきたい注意点と、今後の見通しをまとめておく。

注意点1:個人攻撃と文化批評は分けて考えるべきである

SNSでは、「出演者本人」や「局の特定スタッフ」に対する激しい個人攻撃も見られる。
しかし、ここで問題にすべきなのは、「能舞台という文化的文脈をどう扱ったか」という企画・演出面の問題であって、特定の個人を罵倒することではない。
怒りや違和感を感じたとしても、それをできるだけ「行為」や「構造」に向けて議論する姿勢が求められる。

注意点2:AI要約やバズまとめは“入口”であって“ソース”ではない

Yahoo!リアルタイム検索のバズまとめなどは、今回のような炎上の全体像を把握するうえで便利だが、多くがAIによる自動生成であり、内容の正確性は保証されていないと明記されている。
事実関係を確認する際は、必ず一次情報(公式声明、施設の利用規約、信頼性の高いニュースメディア)をたどる癖を付けておきたい。

見落としがちな点:能舞台にも“グラデーション”がある

能舞台」と一口に言っても、

といったグラデーションがある。
すべてを一律に「土足厳禁・白足袋必須」と考えるのも、すべてを「多目的だから自由」と考えるのも、どちらも現実を捉え損ねている。
今回のRSKのケースは、「見た目は本格的な能舞台だが、運用は多目的ホール」という中間的な存在だからこそ、余計に難しい問題を露呈したと言える。

今後の見通し:放送局・施設側に求められるのは“ルール+説明+演出センス”

今回の件を受け、RSK山陽放送が今後どのように運用やガイドラインを見直すかはまだ分からない。
ただ、同様の施設を持つ他のテレビ局や文化施設にとっても、今回の炎上は決して他人事ではないはずだ。
今後、望ましい方向性としては、例えば次のようなものが考えられる。

  • 舞台上で靴利用をする場合は、赤い毛氈や明らかな養生シートを視覚的に分かる形で敷く
  • 番組やイベント内で、「これは多目的ホールとして特別な養生を行って利用しています」と一言添える
  • 能楽師文化財の専門家と連携し、「どこまでならOKか」のガイドラインを明文化する
  • 能舞台を使う番組の場合、演出意図(なぜ能舞台なのか)を視聴者にも伝える

これらはあくまで“見通し”であり、実際にどうなるかは現時点で断定できない。
しかし、今回の炎上によって、視聴者の側にも「能舞台とは何か」「多目的ホールとの境界はどこか」という問いが広く共有されたのは確かであり、それ自体は長期的には文化を守るうえでプラスに働く可能性もある。

まとめ:違和感をきっかけに、「能舞台」との距離を自分なりに決める

RSK山陽放送能楽堂ホールtenjin9で起きた今回の一件は、

といった要素が重なった、現代的な文化摩擦の一例だと言える。
能舞台に土足なんて絶対に許せない」と感じるか、「多目的ホールなら仕方ないのでは」と感じるかは、個々人の価値観やこれまでの経験によって異なる。
大切なのは、その違いを互いに理解しつつ、

  • 事実と憶測を混同しないこと
  • ルールと文化的作法の両方を見ようとすること
  • 違和感を、より良い運用や表現を考えるための出発点にすること

ではないだろうか。
今回の騒動を機に、「能舞台」という言葉を検索した人も多いはずだ。
もし機会があれば、足袋を履いて実際の能舞台に立ってみるとよい。
檜の香りや床の感触、静かな空気を体で感じることで、「あの写真がなぜあれほどまでに人の心をざわつかせたのか」が、少し立体的に見えてくるかもしれない。