アングラの代表とも言える唐十郎作品を、華やかな表舞台に立ってきたアイドル安田章大さんが演じる。社会や人生をも問うテーマの難解な作品に挑みつづける理由とは? AERA 2025年9月1日号より。
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「なんて説明したらいいんだろう。唐十郎さんのテント芝居を見たときの衝撃、殴られ具合って……。初めて体験したときに、いままでの自分じゃない自分が、もう一人生まれる感じなんですよ。こっちがほんとの自分やったんやな、みたいな」
唐十郎作品とアイドル。これほど異物感のある組み合わせもないだろう。だが、板に立った安田章大は、自身の言葉を体現するかのように、圧倒的な熱量と質量で、その垣根を軽やかに飛び越えてきた。
「演劇は幼少期から好きだった」と言うが、11年前に初めて「唐さんの作品を見たときには、とてつもない世界、夢を見せられて。地球もう1個あんのかっていうぐらいの感覚」を覚えた。以来、「ずっと唐十郎さんへの敬意があって、それが高まっているなかで」、一昨年「少女都市からの呼び声」に主演。さらにこの夏、「アリババ」「愛の乞食」の2作に主演する運びとなった。
「もう一人生まれたほうの自分が本来の自分だったはずで、いままで生きてきた自分は一生懸命頑張って嘘ついた人生を歩んでたんか、っていう感覚に至ったんです。感覚が研ぎ澄まされて、本当になりたい自分が生まれて、自分のいま進んでいく先が、本当の世界なんや、って」
まったく違う自分に
近年、安田の人としてのあり方が変わったように感じる、と言うファンが増えたのも、その影響だろうか。
「それもあります。でも、いちばんは病気ですね。病気を経験させてもらえたから。2回ぐらい死にかけたのもあって、自分らしく生きなきゃな、みたいなことを意識するようになって。まわりがどうこう言おうが、自分がしたいことを自分らしくやってみようと。で、やってみて、結果的に、素っ裸になってもう1回立ち上がる、ってかたちを取ったんです」
















