家族らによる高齢者虐待の相談・通報、過去最多1415件 福岡県

中村有紀子
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 福岡県内で2024年度、市町村に寄せられた家族らによる高齢者への虐待相談・通報は計1415件にのぼり、過去最多となった。このうち県が事実確認し、虐待と判断したのは506件で、22年度と並び過去3番目に多かった。

 県が15日、調査結果を公表した。虐待を行った人は、息子(約36%)が最も多く、次いで夫(約25%)、娘(約21%)、妻(約9%)、兄弟姉妹(約3%)だった。

 虐待を受けた約75%が女性。要介護認定を受けている人の約7割が認知症だった。

 506件の内訳は、身体的虐待363件▽心理的虐待190件▽介護・世話の放棄・放任88件▽経済的虐待79件▽性的虐待3件(重複あり)。

 また、養介護施設での虐待相談・通報・届け出は計117件あり、県が虐待と判断したものは52件でいずれも過去最多だった。

 内訳は、頰をたたくなどの身体的虐待35件▽心理的虐待9件▽介護・世話の放棄・放任8件▽性的虐待6件▽経済的虐待6件だった(重複あり)。

 県の担当者は「県民の虐待防止に対する理解が浸透してきたことによって相談・通報件数が増えたと考えられる」と話した。

 県は再発防止に向け、虐待があった施設に指導を行い、改善状況について確認を行っている。虐待をした家族らに対しては市町村が助言や指導を行う。必要と判断した場合には高齢者のショートステイ利用や一時入院などの対応を行っている。

 県はまた、認知症の人を介護する養護者の負担軽減のため、相談窓口を設置。認知症の当事者や家族による交流会などを実施している。今年度の新たな取り組みとしては、認知症に対する正しい知識の理解を促進するための認知症フォーラムを7月に開催した。

福岡県が養介護施設などでの虐待と判断した事案の概要

【身体的虐待35件】

有料老人ホームで介護職員が車イスに乗ることを拒否した80代女性の顔を押さえつけた

・有料老人ホームで介護職員が90代男性とけんかになり、首をしめた

【心理的虐待9件】

・有料老人ホームで介護職員が90代女性に暴言をはいた

介護放棄8件】

・有料老人ホームで介護職員が70代男性のトイレに行きたいという訴えを拒否した

【性的虐待6件】

特別養護老人ホームで介護職員が80代女性に自身の陰部を露出し、触らせた

【経済的虐待6件】

有料老人ホームで介護職員が利用者23人の居室に侵入して金品を盗んだ

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この記事を書いた人
中村有紀子
西部報道センター|福岡県政担当
専門・関心分野
生物、文化