4人家族は2年で23万円増…消費税でも、所得税でもない!政府の責任放棄で日本人が払わされている「隠れた税金」社会的弱者ほど影響
インフレは質の悪い税金である
インフレは一種の税金であり、しかも質の悪い税金だ。あらゆる支出、預金、保険に同率でかかり、逃げ道がない。そして最も重く負担するのは、最も支払能力の乏しい人々である。インフレ幻想は、必ず幻滅と破綻に終わる。その代償を払うのは、決して刷りまくった政治家ではない。何の防御手段も持たない、普通の国民なのである。 ここまで読んで、「ではどうすればいいのか」と考えた読者も多いだろう。現実的な話をすれば、ある程度の余裕がある人は、自衛するしかない。インフレ局面では、現金や預金だけを持ち続けること自体がリスクになる。株式、不動産、インフレ耐性のある実物資産などに一部を振り向けることで、購買力の目減りを緩和することは可能だ。事実、近年のインフレ下でも、こうした資産を保有していた層は相対的にダメージを抑えてきた。
防衛策を取れるのは一部の人間だけ
だが、ここに決定的な問題がある。その「防御策」を取れるのは、あくまで一部の人だけだ。生活費で精一杯の世帯、年金生活者、まだ手取りの低い若者には、投資に回す余裕などない。インフレを見越して資産を買い込むこともできない。つまりインフレ税とは、「逃げられる人」と「逃げられない人」をはっきりと分断する税なのである。これは自己責任の問題ではない。本来、国民がここまで必死に自衛策を考えなければならない状況そのものが、政治の失敗だからだ。 インフレを「世界的な現象」「一時的なもの」と言い訳し、実質賃金の低下を放置する。その一方で、「投資で備えよ」「資産形成を」と国民に求める。だが、これはあまりにも無責任だ。インフレを招いたのも、放置しているのも政治である。そもそも、インフレが問題なのは「物価が上がること」ではない。政府支出の拡大によって通貨価値が毀損され、その負担が国民に転嫁されていることが問題なのだ。 減税には「財源がない」と言いながら、歳出の膨張には歯止めをかけない。2026年度予算案も総額122兆3000億円程度で、2年連続の“過去最大”更新と言われている。国債発行額も29兆6000億円程度だという。 これで分かるように、政府はインフレの源になっているバラマキをやめる気は一切ない。これでは、万博事業や補助金など、政府支出を最初に受け取るグループしか豊かにならない。霞が関から遠いグループに波及するころには、物価の方が先に上がっている。これがインフレ税である。