「『ハーフ』という言葉が使えなくなり『終わった』と思った」デニス植野が語る、テレビの“配慮”に翻弄された15年
芸人である以上は「いじってほしい」
ーー「終わった」と言いつつ、最近では心霊チャンネル(『デニスの怖いYouTube』)の登録者数が40万人を越える人気ぶりです。 植野:今は、YouTubeから入ってデニスを応援してくれる方がむしろ多いですね。心霊YouTubeも「亡くなった方がいる場所でふざけるのは不謹慎」という理由で炎上しやすいジャンルなんですけど、僕らの番組は、「芸人として売れるために霊をつける」と断りを入れている。それで今のところは炎上もせず、むしろ応援してもらえる状況が作れています。 ーー今後は、YouTubeに力を入れて行かれるんですか? 植野:(きっぱりと)いや、芸人として売れたいです。そもそもYouTubeも「芸人として売れるため」という目的で始めたもの。’25年に女優の比嘉梨乃さんと結婚して家庭を持ったことで、改めて「頑張りたい」という気持ちも強くなりました。昔は何かあると「あいつのせい」「吉本のせい」と人のせいにしていましたが、つべこべ言わずにもう頑張るしかないと思っています。 ーー最後に、今も「ハーフ」であることをいじってほしい気持ちはありますか? 植野:芸人である以上、それはいじってくれと思いますよ。こちらは20年間以上「カレーが似合う顔だね」とか言われて、「いや父はブラジル人だけど母親は日本人で……」みたいな事情をひたすら説明しながら生きてきたんですから。2~3年売れたと思ったら、急に「臭い物にフタ」みたいな扱いを受けるのも割に合わないな、と。まあハーフ芸人という存在自体はテレビを一周したので、今後は人柄も含めて自分自身を見てもらえるなら、それが一番ですね。 「ハーフ芸人」たちがバラエティ番組で活躍していたのは、わずか10年前のこと。話を聞きながら、短期間でこうも急激にテレビは変わったのかと改めて驚かされた。さまざまなルーツを持った人々が国内に増えるいま、過度な配慮を抜きに「ハーフ」漫談が楽しめるようになることを願っている。 (取材・構成=松岡瑛理 撮影=長谷川唯) 【松岡瑛理】 一橋大学大学院社会学研究科修了後、『サンデー毎日』『週刊朝日』などの記者を経て、24年6月より『SPA!』編集部で編集・ライター。 Xアカウント: @osomatu_san
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