目黒の自転車文化センターで開催されている競輪の魅力展を見に行って来ました。
競輪の魅力展という名前ですが、『競輪用自転車の魅力展』と言ったほうがふさわしい内容でした。正直、私は競輪にはあまり興味がなく、競輪用の自転車もじっくり見たことがなかったのですが、今回、何台もの競輪用レーサーを見て、いろいろなことを勉強させてもらいました。
表通りに面した一番目立つ場所に展示されていたのは、東京オリンピック日本代表の脇本雄太選手の自転車です。ハンドメイドビルダーとして有名なエム・マキノ製ですね。
チェンホイールはデュラエースが使われています。
ハブもデュラエースで、ギア比は51x13です。フロントは53とか54とかを踏んでいると思っていたのですが、意外に軽めのギア比なんですね。
ハンドルは日東です。140mmのステムがピストらしくて美しいですね。
サドルはカシマのファイブゴールド7という皮張りサドルを使っていました。ピラーは日東です。
こちらは後閑信一選手が乗っていたメカニコ・ジロのレーサー。
この自転車もチェンホイールはデュラエースですが、ハブは吉貝のグランコンペ・プロを使っています。
ペダルは三ヶ島のRX-1。トーストラップは三ヶ島のFIT-α SPORTSというモデルです。
リムはアラヤです。
こちらは2005年に鈴木誠選手が日本選手権競輪で優勝した時のストラトス。シンプルですが美しいですね。
以前、レイノルズ531のカタログで、ピスト用のフォークは断面が楕円ではなく真円だということを知り、この目で確かめてみたいと思っていたのですが、たしかに真円のパイプでした。
ただ、楕円のものや最近ではカーボンフォークなど様々なバリエーションがあるようです。
クロモリフレームの構造について説明するディスプレイもありました。(これはロード用フレームですね。)
競輪用の自転車は8Kg台だそうですが、フレームを持ってみると、しっかり強度を重視して作ってある印象でした。
競輪用自転車を製作しているフレームビルダーは全国に26軒あるそうです。
奥の展示室に続く通路のウィンドウに展示されていたケルビムの競輪用フレーム。ケルビムらしい細部まで凝った美しい仕上げになっています。
奥の展示室では、競輪用レーサーの歴史を紹介していました。
競輪が始まったのは、戦後間もない昭和20年代です。この自転車はその当時のレーサーで、ブレットというブランドです。
こちらは、我々にも馴染み深いエベレストの競輪用レーサー。これも昭和20年代のものです。黒に白抜きのペイントやゴールドのロゴがかっこいいですね。
エベレストに付いているユニークなブレーキ。お尻を後ろにずらすとレバーが押されて後輪のタイヤを押さえる仕組みです。
エベレストのヘッドマークはまだ鉄仮面ではなく、エベレストの山がデザインされています。
こちらは片倉シルクのスピードマスターというモデル。昭和40年代のものです。
片倉シルクのヘッドマーク、懐かしいですね。二段肩のフォーククラウンもシルクらしい造りです。
これはシマノのトラックレーサー。これも昭和40年代です。
この頃はシマノもフレームやってたんですね。
昭和40年代の片倉シルクのトラックレーサー。ラグレスのすっきりしたフレームです。
片倉シルクというとロードレーサーやツーリング車のイメージが強いですが、競輪選手でも愛用者が多かったそうです。
レース用自転車は今世紀に入ってカーボンフレームが主流になり、ピスト競技でも国際大会ではカーボンバイクが使用されています。が、競輪用のレーサーは、それとは一線を画し、ハンドメイドのクロモリフレームに国産パーツで戦うスタイルを貫いてきました。
これが日本のフレームビルダーの水準を高く保ち、日本の自転車産業を振興するのに役立っているわけで、我々も間接的にその恩恵にあずかっているわけです。特にクロモリフレームを愛するヴィンテージ自転車マニアの目から見ると、競輪用自転車はクロモリバイクの様式美を感じさせる魅力的な自転車であることを今回の展覧会で発見しました。
競輪の魅力展は、9月26日(日)まで自転車文化センターで開催されています。興味のある方はこちらをご覧ください。